【セミナー映像】もっと知りたい0・1・2歳児の保育《第3講》夏の過ごし方(工藤佳代子先生)〈約90分〉
東京家政大学ナースリールーム施設長の工藤佳代子先生による全9回のオンライン講座です。0〜3歳までの子どもたちが過ごすナースリーの微笑ましくも意味深い場面を写真とエピソードで紹介いただきながら、乳幼児の心身の育ちや行動に着目し、その受けとめ方や向き合い方を考えます。
第3講のキーワードは「夏の過ごし方」です。子どもたちにとって心地よく、安全で実りある夏を過ごすためのポイントについて、具体的な事例を交えながら解説します。
子どもの体温調節の未熟さや、水分補給の重要性など、健康管理の基本から、汗疹や虫刺されなどの皮膚トラブルへの対処法まで、保育の現場で役立つ知識が満載です。「熱中症予防」という言葉が聞き飽きる昨今ですが、工藤先生は、子どもの視点に立った実践的なアドバイスを惜しみません。
また、夏ならではの遊びのアイデアも豊富に紹介。水遊びや感触遊びを通して、子どもの感性を刺激し、表現力を育むヒントが散りばめられています。スイカ割りや梅シロップ作りなど、季節の行事を取り入れた活動は、子どもの経験を遊びに活かす工夫の好例といえるでしょう。
「子どもと一緒に夏を楽しむ」。これは、工藤先生が保育者に向けて発するメッセージです。子どもの興味関心を汲み取り、その発想に学びながら、共に遊びを創造していく。そうした保育者の姿勢こそが、子どもの夏を充実したものにするのだと、工藤先生は力強く語ります。
暑さ厳しい夏を目前に控え、子どもたちのことを思うと不安も大きいかもしれません。でも、工藤先生のお話を聞けば、きっと明るい夏が迎えられるはずです。ぜひ、その笑顔になれる講演をご覧ください。
※2022年6月13日に行った「せんせいゼミナール」オンラインセミナーの記録映像です。
お話のトピック
夏を快適に過ごすための子どもの体の特徴理解
- 体温調節機能が未熟で、外的要因の影響を受けやすい
- 平熱と体温調節の個人差を把握することが重要
- 体温だけでなく、全身の状態から総合的に判断する
こまめな水分補給の必要性
- 子どもは自分で喉の渇きを訴えないため、大人が意識して与える
- 食事の前後は控えめにし、食欲を落とさないよう注意する
- 尿の回数や唇・皮膚の乾燥に注意し、必要量を確認する
皮膚トラブルへの配慮
- 子どもの皮膚は薄く、刺激を受けやすい
- 汗疹や虫刺されなどを予防・悪化させないケアが大切
- 清潔を保ち、保湿やバリア機能を高める工夫を
水遊びや自然素材を活かした夏ならではの遊び
- 子どもの発達に合わせた水遊びの工夫と見守り
- 絵の具や粘土など、感触を楽しむ遊びの提案
- スイカ割りや梅シロップ作りなど、季節の行事を取り入れる
子どもの経験を引き出し、遊びにつなげる
- 夏祭りや花火大会など、子どもの夏の思い出を共有する
- 子どもの興味関心を汲み取り、遊びを展開していく
- 大人も一緒に楽しみ、子どもの発想に学ぶ姿勢を持つ
講師:工藤佳代子(くどう・かよこ)
東京家政大学ナースリールーム施設長。東京家政大学を卒業後、保育士として同大学ナースリールームに勤務する。9年間の勤務の後、ナースリールームを離れるが平成19年に復職、平成31年からは施設長を務める。
※東京家政大学ナースリールームとは・・・東京家政大学板橋キャンパス(東京都板橋区)内にある事業所内保育所の機能を備えた認可保育所。木々に囲まれたキャンパスの中、0〜3歳の子どもたちが過ごしています。