【セミナー映像】もっと知りたい0・1・2歳児の保育《第5講》食べること(工藤佳代子先生)〈約90分〉
東京家政大学ナースリールーム施設長の工藤佳代子先生による全9回のオンライン講座です。0〜3歳までの子どもたちが過ごすナースリーの微笑ましくも意味深い場面を写真とエピソードで紹介いただきながら、乳幼児の心身の育ちや行動に着目し、その受けとめ方や向き合い方を考えます。
第5講のキーワードは「食べること」です。乳児期からの食育の重要性と、保育現場での実践方法について深く掘り下げています。
子どもにとって食事は一生続くもの。その土台となる乳児期に、どのように食への興味を育み、豊かな経験を積み重ねていくのか。工藤先生は、母乳やミルクから離乳食への移行期に着目し、咀嚼の発達に合わせた食事形態の変化や、家庭との連携の大切さを説きます。
また、食卓を囲むことの意義や、保育者自身の食への向き合い方が子どもに与える影響の大きさについても言及。好き嫌いへの対応や、食材に触れ、育て、収穫し、調理する体験の重要性など、具体的な実践方法が紹介されます。
便利な時代だからこそ、保育園から食の大切さを発信していく役割があると訴える工藤先生。子どもの食への理解を深め、楽しい食事の時間を通して豊かな人間関係を育んでいくためのヒントが満載です。保育者必見の講演動画をぜひご覧ください。
※2022年10月17日に行った「せんせいゼミナール」オンラインセミナーの記録映像です。
お話のトピック
はじめに
- 子どもにとって食事は一生続くもの。この時期が土台作りとなる
- 食事は空腹を満たすだけでなく、味、匂い、感触、温度、人との関わりも感じ取る経験
乳児期の食事
- 母乳やミルクから離乳食へ移行する過程で、子どもは食べ方や口の動きを学ぶ
- 咀嚼の発達に合わせて食事形態を変化させることが重要
- 家庭との連携を取り、個人差に配慮しながら進めていく
食卓を囲むことの意義
- 食事は子どもにとって楽しい時間であるべき
- 保育者の食への向き合い方が子どもに大きな影響を与える
- 保育者間や他職種との連携を図り、子どもが戸惑わないようにする
好き嫌いへの対応
- まだ嫌いと決めつける時期ではない。多様な食経験の機会を作る
- 食材そのものの味を感じられるよう工夫する
- 無理強いせず、食べない理由を考えることが大切
食に関わる体験の重要性
- 日常の中で食材に触れ、育て、収穫し、調理する経験が子どもの食への興味を育む
- 作る過程で友達と協力したり、役割分担したりする経験にもつながる
- 家庭でできない体験を保育の中で提供していくことが求められる
まとめ
- 食事の時間が子どもにとって楽しいものであるために、保育者自身の振り返りが重要
- 家庭との連携を図りながら、子どもの食事への理解を深めていく
- 便利な時代だからこそ、保育園から食の大切さを発信していく役割がある
講師:工藤佳代子(くどう・かよこ)
東京家政大学ナースリールーム施設長。東京家政大学を卒業後、保育士として同大学ナースリールームに勤務する。9年間の勤務の後、ナースリールームを離れるが平成19年に復職、平成31年からは施設長を務める。
※東京家政大学ナースリールームとは・・・東京家政大学板橋キャンパス(東京都板橋区)内にある事業所内保育所の機能を備えた認可保育所。木々に囲まれたキャンパスの中、0〜3歳の子どもたちが過ごしています。