【セミナー映像】もっと知りたい0・1・2歳児の保育《第7講》環境 〜環境で子どもの遊びが変わる〜(工藤佳代子先生)〈約90分〉
東京家政大学ナースリールーム施設長の工藤佳代子先生による全9回のオンライン講座です。0〜3歳までの子どもたちが過ごすナースリーの微笑ましくも意味深い場面を写真とエピソードで紹介いただきながら、乳幼児の心身の育ちや行動に着目し、その受けとめ方や向き合い方を考えます。
第7講のテーマは「環境 〜環境で子どもの遊びが変わる〜」です。保育における環境づくりの重要性と、保育者の果たすべき役割について深く掘り下げています。
工藤先生は、保育者の仕事として、子どもと直接関わること以上に、環境づくりに多くの時間と気持ちを注ぐことの意義を強調します。保育者が環境を工夫することで、子どもの中から引き出されるものが大きく変わるのだと説きます。
子どもの発達段階に合わせた環境を整えるためのポイントとして、場所、もの、人の3つの視点を提示。安全性や清潔さ、子どもの発達に合った空間、五感を刺激する遊びの提供など、具体的な工夫の方法を紹介します。また、手作りおもちゃの良さにも触れ、保育者の子ども理解が反映されたタイムリーなおもちゃが、子どもの成長を支えると述べます。
講演を通して、工藤先生は保育者一人一人に問いかけます。子どもの姿をよく見つめ、その発達に合った環境を創造していくことが、私たち保育者の重要な役割なのだと。
子どもを取り巻く環境づくりについて、改めて考えるきっかけとなる講演です。保育の質を高めるヒントが満載の内容となっています。ぜひご視聴ください。
※2022年12月19日に行った「せんせいゼミナール」オンラインセミナーの記録映像です。
お話のトピック
はじめに
- 環境は保育者の重要な役割。子どもと関わること以上に時間や気持ちを割いている
- 環境を工夫することで、子どもの中から引き出されるものが変わる
発達に合った環境を考える
- 発達段階の異なる子どもたちへの配慮
- 発達が著しい時期の子どもたちへの対応
- できるようになると危険も増える時期の対応
環境を考えるポイント:場所・もの・人
- 場所:安全性、清潔さ、発達に合った空間、大きな動きができる場所、落ち着ける空間
- もの:衛生面の管理、口に入れても安全な素材・形状、十分な数、音への配慮
- 人:保育者や友達の存在が重要。特に保育者の子どもへのまなざしが大切
遊びから環境を考えるポイント
- 五感を使う:触れる、聞く、嗅ぐ、見る、味わう
- 見立てる:道具、数、場所から想像力を膨らませる
- 自然を感じる:季節、植物、生き物との出会い
- 表現する:音楽、造形など多様な表現方法を提供する
手作りおもちゃの良さ
- 発達に合ったおもちゃをタイムリーに提供できる
- 保育者の子ども理解が反映される
- 保護者の参考にもなる
まとめ
- 遊びの環境を考えるポイントは、五感の活用、見立て、自然体験、表現
- 環境を考えるポイントは、場所、もの、人(特に保育者のまなざし)
- 発達に合った環境づくりのために、子ども一人一人の姿をよく見ることが大切
講師:工藤佳代子(くどう・かよこ)
東京家政大学ナースリールーム施設長。東京家政大学を卒業後、保育士として同大学ナースリールームに勤務する。9年間の勤務の後、ナースリールームを離れるが平成19年に復職、平成31年からは施設長を務める。
※東京家政大学ナースリールームとは・・・東京家政大学板橋キャンパス(東京都板橋区)内にある事業所内保育所の機能を備えた認可保育所。木々に囲まれたキャンパスの中、0〜3歳の子どもたちが過ごしています。