【セミナー映像】もっと知りたい0・1・2歳児の保育《第8講》表現 (工藤佳代子先生)〈約90分〉
東京家政大学ナースリールーム施設長の工藤佳代子先生による全9回のオンライン講座です。0〜3歳までの子どもたちが過ごすナースリーの微笑ましくも意味深い場面を写真とエピソードで紹介いただきながら、乳幼児の心身の育ちや行動に着目し、その受けとめ方や向き合い方を考えます。
第7講のテーマは「表現〜子どもが表現するとき、それは心が動いているとき〜」です。今回は0・1・2歳児の表現の多様性と、その表現を支える保育者の役割について深く掘り下げています。
造形表現、身体表現、言葉での表現、遊びの中での表現など、子どもの表現方法は実に多岐にわたります。工藤先生は、その一つ一つの表現に込められた子どもの思いを汲み取ることの大切さを訴えます。
保育者は、子どもの声には必ず理由があると理解し、表現したいという気持ちをありのままに受け止める姿勢が求められます。また、保育者自身が豊かな経験を積み、表現に関心を広げていくことが、子どもの表現を支える土台になるのだと述べます。
講演では、本棚の本を広げた子どもたちのエピソードや、ブロックで働く車を作り続けた子どもの事例など、具体的な保育の場面から、表現することの意味を読み解いていきます。
子どもが自由に感じ、考え、表現できる環境を整えていくことが、保育の大きな役割であると工藤先生は語ります。
表現する喜びを子どもたちと共有したい。そんな想いが込められたこの講演は、保育者の心に火をつける内容となっています。ぜひご視聴ください。
※2023年1月16日に行った「せんせいゼミナール」オンラインセミナーの記録映像です。
お話のトピック
はじめに
- 子どもの表現は、日常の保育の中から切り取ることが難しい
- 表現という視点から、ゼロ・1・2歳児にとって表現することの意味と大切さを考える
表現の多様性
- 造形表現:パステル、クレヨン、絵の具、粘土など様々な素材や道具を使って表現する
- 身体表現:歌う、踊る、おどけるなど、体を使って表現する
- 言葉での表現:言葉を獲得し、表現の幅を広げていく
- 遊びの中での表現:経験したことを見立て遊びなどで表現する
保育者の役割
- 子どもの声には必ず理由がある。表現したいという気持ちを受け止める
- 子どもの表現を否定せず、ありのままに受け入れる
- 保護者に子どもの表現を伝え、理解を深める
- 保育者自身が豊かな経験を積み、表現に関心を広げる
表現することの大切さ
- 心が動いたから表現したいと思う。その気持ちを大切に育てる
- 伝えたいと思うことを誰かと共有し、心地良い経験を積み重ねる
- 子どもが感じた時に自由に表現できる環境を整える
- 友達からの刺激を受け、表現の幅を広げていく
事例から学ぶ
- 本棚の本を広げた子どもたち:表現したいという気持ちを理解し、任せてみる
- ブロックで働く車を作り続けた子:表現を通して、自分の思いを伝え、友達と折り合いをつける
まとめ
- 子どもが自由に自分を表現するためには、保育者との信頼関係が不可欠
- 保育者は、子どもの表現をありのままに受け入れ、保護者とも共有する
- 心や体を使って表現する経験を積み重ねることで、子どもは自由に感じ、考え、表現できるようになる
講師:工藤佳代子(くどう・かよこ)
東京家政大学ナースリールーム施設長。東京家政大学を卒業後、保育士として同大学ナースリールームに勤務する。9年間の勤務の後、ナースリールームを離れるが平成19年に復職、平成31年からは施設長を務める。
※東京家政大学ナースリールームとは・・・東京家政大学板橋キャンパス(東京都板橋区)内にある事業所内保育所の機能を備えた認可保育所。木々に囲まれたキャンパスの中、0〜3歳の子どもたちが過ごしています。