【セミナー映像】乳幼児の心の基盤づくり~発達とアタッチメント入門~《第4講》(遠藤利彦先生)〈約90分〉

東京大学大学院教授で同学の発達保育実践政策学センター(Cedep)センター長を務めている遠藤利彦先生による全6回のオンライン講座です。乳幼児の心の発達と「アタッチメント」の重要性について、最新の研究事例や知見を踏まえつつ、基礎からじっくり解説していただきます。

子供の健やかな成長と発達を支える上で、保育者の果たす役割は非常に重要です。しかし、時として私たちは子供の個性や状態に合わせた関わり方について悩むことがあるのではないでしょうか。

東京大学大学院教授の遠藤利彦先生による保育者向けオンライン講座第4回では、「情緒的利用可能性と自発的遊びの大切さ」をテーマに、子供との関係性の築き方や自発的な遊びの重要性について深く掘り下げます。

遠藤先生は、子どもの「真の自己」を育むために、保育者がどのように情緒的に利用可能な存在となるべきか、具体的な事例を交えながら丁寧に解説します。子どもからのシグナルを敏感に察知して行動するだけでなく、シグナルがないときにはあえて子どもに介入しないことの大切さを説きます。

また、子供の自発的な遊びが、科学者や法律家のような高度な頭の働きを促し、主体的・対話的で深い学びにつながることを明らかにします。遊びを通して子供の可能性を最大限に引き出すために、保育者ができることとは何か。その上で、一人一人の子供に寄り添い、その時々の状況に合わせて支える「庭師」としての保育者の在り方を提案します。

本講座は、子供の心の発達について理解を深め、保育の質を向上させたいと願うすべての保育者必見の内容です。遠藤先生の知見とお人柄があふれる講義を通して、明日からの保育が変わる気づきと学びが得られることでしょう。

※2024年6月17日(月)に行った「せんせいゼミナール」オンラインセミナーの記録映像です。

講師:遠藤利彦(えんどう・としひこ)
東京大学大学院教育学研究科教授。東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)センター長を兼務。専門は発達心理学、感情心理学。おもな著書に『赤ちゃんの発達とアタッチメント』(ひとなる書房)、『「情の理」論』(東京大学出版会)、『入門アタッチメント理論』(編・日本評論社)などがある。

お話のトピック

情緒的利用可能性とは

  • 大人と子供の関係の特徴を表す概念
  • 一人一人の子供の個性や状態に合わせて、大人が利用可能であること
  • 敏感性、非侵害性、環境の構造化、情緒的な暖かさの4つの要素で構成

真の自己と偽りの自己

  • 乳幼児期に本当の自分(真の自己)を作ることが重要
  • 親の期待や願望を優先し、本当の自分を後回しにすると問題が生じる可能性
  • 思春期以降に様々な問題が表面化することがある

自発的な遊びの重要性

  • 一人遊びでは科学者のような頭の働きが生じる(孤独な科学者としての遊び)
  • 仲間遊びでは法律家のような頭の働きが生じる(社交的な法律家としての遊び)
  • 遊びに夢中になることで、主体的・対話的で深い学びが自然に生まれる

子供の発達を支える大人の役割

  • 大工(設計図通りに育てる)ではなく、庭師(その時々の状況に合わせて支える)として関わる
  • 避難所と基地の役割をバランスよく果たし、子供の自発的な遊びを支える

「せんせいゼミナール」は、せんせい方の悩みや学びたい気持ちに寄り添う講座をお届けしています。

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