【セミナー映像】保育者のための最新赤ちゃん学入門《第3講》(遠藤利彦先生)〈約90分〉

東京大学大学院教授で同学の発達保育実践政策学センター(Cedep)センター長を務めている遠藤利彦先生による全6回のオンライン講座です。最新の研究からわかってきた「赤ちゃん」の心と成長の実態について、研究事例や知見を踏まえつつ解説いただきます。

この連続講座は、全6回の講義をとおして最新の赤ちゃん学の知見を保育者に分かりやすく伝える内容となっています。

第1回では、胎児期からの環境が生涯の健康に影響を与えることを学びます。第2回では、人間の赤ちゃんが未熟な状態で生まれ、長期にわたる養育が必要なことから、集団共同型育児の重要性を説きます。第3回と第4回では、赤ちゃんの意外な能力や個性、物理的世界の理解力について探ります。第5回は、赤ちゃんの人間に対する強い興味と、人との相互作用を通じた発達を扱います。最終回の第6回では、豊かな相互作用が子供の心の成長に欠かせないことを強調し、保育者の役割の重要性を再確認します。

最新の研究成果に基づき、赤ちゃんの驚くべき能力と、それを引き出す環境づくりについて学べるアカデミックな講座です。

「有能で個性豊かな赤ちゃん」と題した第3回の講義では、20世紀後半以降の赤ちゃん研究の進展により大きく変化した、乳児に対する科学的理解を解説します。1970年代以降、新しい研究手法の開発により、それまで「無力で受動的な存在」と考えられていた赤ちゃんが、実は驚くべき能力を持っていることが次々と明らかになりました。

講義では、まずピアジェとヴィゴツキーによる古典的な発達理論を振り返り、その上で現代の赤ちゃん研究が示す新しい知見を紹介します。心拍数や体温、視線の動きなど、様々な生理的・行動的指標を用いた研究により、赤ちゃんは生まれた直後から、環境に対して能動的に働きかけ、学習する存在であることが分かってきました。また、トマスとチェスの研究を通じて、赤ちゃんは生まれた時から固有の気質(個性)を持っており、その気質と環境との「適合性」が発達に重要な影響を与えることも明らかになっています。

保育の実践において特に重要なのは、赤ちゃんが本来持っている「相互作用する力」です。赤ちゃんは、アイコンタクトを取り、独特の話しかけ方をしてくれる大人を「良い教え手」として認識し、積極的に関わろうとします。保育者として、一人一人の赤ちゃんの個性を理解し、豊かな相互作用を通じてその発達を支援する視点が得られる内容となっています。

※2024年11月18日(月)に行った「せんせいゼミナール」オンラインセミナーの記録映像です。

サンプル動画

講師:遠藤利彦(えんどう・としひこ)
東京大学大学院教育学研究科教授。東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)センター長を兼務。専門は発達心理学、感情心理学。おもな著書に『赤ちゃんの発達とアタッチメント』(ひとなる書房)、『「情の理」論』(東京大学出版会)、『入門アタッチメント理論』(編・日本評論社)などがある。

第3講のトピック

赤ちゃん研究の古典的理論

  • ピアジェの発達理論
  • 感覚運動期から前操作期へ
  • 表象機能と象徴機能
  • ヴィゴツキーの理論と赤ちゃん観

赤ちゃん研究革命(1970-80年代)

  • 新しい研究手法の開発
  • 生理的指標(心拍数、コルチゾール、体温)
  • 行動的指標(視線、飽きと慣れ、期待違反法)
  • 赤ちゃん観の大転換

気質研究と個性の理解

  • トマスとチェスの気質研究
  • 9つの気質特徴
  • 4つの気質タイプ
  • 気質と環境の適合性

赤ちゃんの学習と相互作用

  • 統計的学習能力
  • 積極的な情報収集者としての赤ちゃん
  • ナチュラルペダゴジー
  • 対乳児発話と相互作用の重要性
  • 良き教え手の認識

団体視聴

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【団体視聴料】 各回7,500円(税込)/1園
全6回セット申込み 40,000円(税込)/1園

※お支払い方法は請求書払いとなります(国内園のみ)

※グループ園の場合は1施設を1園として承ります。

※お申込み後に30日間有効の専用リンクを発行して送らせていただきます。園・施設でご視聴されるタイミングに合わせてお申し込みください(視聴期間は応相談)。


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