8つのチェック事項【保育者同士の連携で夏の重大事故を防ぐ !#4】

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夏の重大事故を防ぐ!
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夏に特有のリスクを防ぐために、安全対策を検討し、備えましょう。

第4回は、「8つのチェック事項」。
子どもたちの命を守るために必要な事項は何かを考えます。

(この記事は、『新 幼児と保育』2019年6/7月号に掲載されたものを元に再構成しました)

お話

猪熊弘子さん
駒沢女子短期大学教授、ジャーナリスト。元・明福寺ルンビニー学園幼稚園・ルンビニー保育園副園長、Yahoo!ニュース個人オーサー。『死を招いた保育』(ひとなる書房)で日本保育学会日私幼賞・保育学文献賞受賞。近著に『重大事故を防ぐ園づくり』(ひとなる書房/共著)などがある。

リスクへの備えは保育そのもののあり方を考えること

保育園や幼稚園で起きる重大事故は、ひとりの保育者の偶発的なミスによって起こるイメージがあるかもしれません。しかし、多くの場合、複合的な原因があり、保育者として基本的な構えがあれば防げたケースがほとんどです。子どもの発達段階を学ぶこと、職員同士で声をかけ合って子どもを見守ることなど、保育をよくするふだんの行動が、リスクを減らすことにもつながっているのです。

今回のシリーズでは特に熱中症とプール事故について取り上げました。各園で基準や指揮系統などを定めていると思いますが、社会の変化や気象の変動に応じて見直していくことも必要です。もしインターネットで見つけたものや役所からの配布物などの一般的なものを使っているのだとしたら、各園の事情に即したものにカスタマイズしていきましょう。

子どもたちの命を守るために必要な8つのチェック事項

「子どもの命を守る」。それは子どもを預かる園において、必ず守らなければならない一線です。以下の事項を、園で働く職員全員で読み合わせをするなどして確認し合いましょう。

1、保育者、子ども、保護者が互いによい関係を作れているか(お互いに笑顔で向かい合える関係を築こう)。

2、保育者が子どもの個性をしっかり、しかもポジティブに把握しているか(子どもがすることには、すべて意味がある!子どもをポジティブに把握することで保育が変わるラーニングストーリーの実践)。

3、保育者が、子どもが遊びこめるような環境を設定しているか(子どもの目がキラキラ輝いているときは安全!そんな時間を「設定」していく)。

4、立場にかかわらず保育者同士の連携は十分にできているか(正規、非正規、パート、経験年数を超え、お互いへの感謝を言葉で表現しよう)。

5、職員会議や研修を十分に行い、園内での問題の共有化が図かれているか(全員で園内の危険な場所について話し合い、危険を回避する方法を考える)。

6、保育者が子どもの動静をしっかり把握できているか(子どもの顔と名前を一致させることがきちんとできているか)。

7、しっかりした保育計画ができているか(いきなり計画を変えたときに事故が起きている)。

8、ふだんから緊急時の対応は十分にできるようになっているか(責任者不在のときの指示系統など)。

※『死を招いた保育』(猪熊弘子著/ひとなる書房)で1~8を解説しています。


今すぐ参照しておきたいガイドライン

● 環境省「熱中症予防情報サイト


● 内閣府「教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン


●「 保育所保育指針 解説」第3章 健康および安全 3(2)事故防止及び安全対策 
※「幼保連携型認定こども園教育・保育要領 解説」では第3章第4節2 (2)。

文/佐藤暢子 イラスト/上島愛子

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