のりもの大好き!飛行機大好き!【児玉ひろ美の注目本棚#10】
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- 児玉ひろ美の絵本ガイド
最近出版された絵本を中心に、子どもと一緒に読んでほしい注目作品をピックアップ。今回は「飛行機」が登場する作品を2冊セレクトしました。
児玉ひろ美さん
JPIC読書アドバイザー、東京・台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。大学にて「児童文化」を担当するなど、幅広く活躍。著書に『0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
目次
大好きな車たちと飛行機がいっぱい!
子どもたちの大好きな飛行機。「のりもの」としての興味・関心もあるでしょうが、なんといっても、飛ぶことへの憧れは、きっと格別なものでしょう。でも、今回はそれら飛行機が離発着をする飛行場で働く車たちの絵本と、まるで飛行機のコックピットにすわって、飛行機を操縦しているような気分になれる絵本をご紹介。
『ひこうじょうの はたらくくるまたち』
シェリー・ダスキー・リンカー/文 AG・フォード/絵 福本友美子/訳
ひさかたチャイルド
『おやすみ、はらたく くるまたち』シリーズ7作目の舞台は飛行場です。
ショベルカー、ダンプカー、クレーン車、ミキサー車、ブルドーザー、そして、スキッドステアローダーの6台の働く車は、揃って飛行場に出向きます。でも、小さな飛行場の入り口では、車がぎゅう詰めで、滑走路にも飛行機がいっぱい! これでは、なかなか動けません。もっと広い道路と、もっと大きい飛行場を作る拡張工事が始まりました。一方、飛行場では、大きくて立派な飛行機と、忙しそうに働く飛行場の11台の仲間たちがいました。「はじめまして、よろしくね!」「さあ、がんばるぞ!」。6台が飛行場の拡張をしている間も、飛行場にはジャンボ旅客機が空から降り、貨物機は飛び立ちます。飛行場の11台は大忙しです。
読み聞かせ〈基本情報とポイント〉
読み聞かせるなら…
- 対象:3歳児~
- 時間☆:約6分
- ポイント:朝から夜まで、背景の色が時間経過を示しています。大型の絵本のよさを味わえるよう、本は中心をしっかり押さえ支えてください。冒頭の飛行場の11台の紹介ページは読み上げず、絵を見せるだけにとどめます。コマ割り部分は適宜指さしをすると、わかりやすいでしょう。車の名前は読み間違えないよう、練習してくださいね。
☆時間は表紙から裏表紙を経て、表紙まで読むのにかかる時間。
パイロットになり切って、さあ離陸です!
「おひざでGO」シリーズは、電車・バス・車に続き、今度は飛行機を操縦します。
『ひこうき そうじゅうしまーす』
ひらぎ みつえ/作・絵
金の星社
小さな16㎝四方の赤ちゃん絵本を開くと、そこは飛行機のコックピット。中央にはまっすぐにのびる滑走路。さあ、「ひこうき、そうじゅうしまーす! りりくしまーす! ゴォー」。空へ向かって飛び立ちます。
「どんどん たかく あがりまーす」。目の前には空が広がり、海が広がり、右へ、左へ、ビューン! パイロットの気分を楽しめます。やがて夕日の彼方に目指す空港が見え始めると、着陸の準備です。緊張しながらヒユー ズダーン! 到着です。思わず拍手をする子もいて、みんなにホッとした笑顔が広がります。1歳児は1歳児なりに、3歳児は3歳児なりに、自分の知っている世界を総動員して、それぞれの飛行機を飛ばすのでしょう。何しろ車の運転免許すらない私だって、この本では名パイロットになれるのですから!
読み聞かせ〈基本情報とポイント〉
読み聞かせるなら…
- 対象:0歳児~
- 時間☆:3分
- ポイント:1対1なら子どもを膝にのせて一緒に操縦をしますが、集団のときはいつもどおりに開いて読んでください。読み始める前、子どもたちに操縦のポーズを教えてあげましょう。操縦桿に見立ててペーパーの芯などを使ってもいいですね。右に左にと、傾ける際には、子どもたちの方向に合わせてください。
☆時間は表紙から裏表紙を経て、表紙まで読むのにかかる時間。
イラスト/小泉直子
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