おむつ替えのときのわらべうた【0・1・2歳児のふれあいわらべうた】
おむつ替えのときに、遊びのすき間時間にやさしくふれあうわらべうた遊びで子どもも大人もリラックスしましょう。
お話
郷右近博美 さん
(わらべうた講師)
ごうこん ひろみ ● 福島大学教育学部卒。中学校の音楽教師を経て、1998年より、多地域の伝承のわらべうた遊びを日本の文化とともに親子や子どもたちに伝える活動を始める。全日本カウンセリング協議会2級カウンセラー。岩手県奥州市在住。『こまった時はわらべうた うれしい時もわらべうた』(ひとなる書房)に協力・執筆。
目次
おむつ替えにもわらべうた遊びを取り入れてみましょう
「おむつ替え」は、遊びを途中でやめなくてはいけないなど、子どもにとって気持ちがすすまないこともあります。昔の人たちは、声をかけ、歌い、身体に触れながら十分に遊んでやって、「おむつ替えの時間は遊んでもらえる楽しい時間、心地よい時間」ということを子どもに感じてもらい、おむつ替えをいやがらないようにしました。このときにも大活躍したのがわらべうた遊び。大人も楽しくおむつ替えをしましょう。
わらべうた遊びを取り入れたおむつ替えの仕方
おむつ替えのときの流れの一例です。ぜひ参考にしてください。
1 向かい合っ遊んで楽しませ気持ちを和ませます。
▶わらべうた「しゃんしゃんしゃん」
2 「おむつ汚れてないかな。気持ち悪くないかな。取り替えようね」
3 やわらかな布団(敷物)の上に寝かせ、顔を見てあやします。
4 笑顔になったら「これから脱ぐよ」と声をかけ、ズボンやおむつをはずします。足を動かしたりふれたりして遊び、おむつで窮屈だったおしりを解放させてあげます。
5 「はずかしいからおしりを隠しましょ」と、新しいおむつを当てます。
6 衣類が整ったらふれあい遊びを。
▶わらべうた「いちりこ にりこ」
7 抱き上げて、最後に抱きしめます。
わらべうた「しゃんしゃんしゃん」(埼玉) 0歳から
しゃんしゃんしゃん おしゃしゃんのしゃん
おしゃしゃんの きつねさん(コンコン)
おすわりができるようになった0歳から遊べます。はじめは大人の動作を見て楽しみますが、少しずつまねをするようになり、同じ動きを一緒に楽しむことができます。
遊び方
向かい合ってすわり、歌に合わせ手をたたき、「きつねさん」で両手を頭に耳のようにしてのせます。歌のあとに「コンコン」と鳴きまねをしながら、耳を動かしたり、跳ねているように上半身を動かします。好きな動物の名前を入れ、鳴き声やしぐさを自由に替えてみましょう。
わらべうた「いちりこ にりこ」(岩手) 0歳から
いちりこ にりこ さんりこ しりこ
「いちり」は昔の距離の単位「一里」のこと。岩手では、ものの名前に「こ」をつけることがあるので「いちりこ」となったのでしょう。最後の「四里こ」は「尻こ」とかけ言葉になっていておしりをくすぐることになります。
遊び方
足のつま先に親指を置き、人さし指も使って尺取り虫のように這わせます。言葉を唱えながら、「いちりこ」でひと動き、「にりこ」でもうひと動き、「さんりこ」でもうひと動き、「しりこ」でおしりをくすぐります。
参考文献/『日本わらべ歌全集』(柳原出版)より「第8巻 埼玉神奈川のわらべ歌」、『水沢あたりのわらべ唄』(油井明編集 発行)、『「わらべうた」で子育て 入門編』(福音館書店)、『人を育てる唄―遠野のわらべ唄の語り伝え』(エイデル研究所)
イラスト/島田恵津子
楽譜浄書/南舘 健
『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2021夏より