きょうりゅう大好き!【児玉ひろ美の注目本棚#14】
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最近出版された絵本を中心に、子どもと一緒に読んでほしい注目作品をピックアップ。今回は、子どもたちの興味をそそる「恐竜」の絵本をご紹介。
児玉ひろ美さん
JPIC読書アドバイザー、東京・台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。大学にて「児童文化」を担当するなど、幅広く活躍。著書に『0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』『子どもを育てる 0・1・2歳児にぴったりの絵本』(小学館)。
興味・関心が芽生えてくる時期に
子どもたちの大好きな「きょうりゅう」。きっと、みなさんのまわりにも小さな恐竜博士がいることでしょう。今回はそんな博士たちにも楽しんでもらえる、恐竜の絵本を2冊ご紹介します。いろいろな恐竜が登場しますが、名前が読みにくい恐竜もいて、練習が必要です。
それにしても、子どもたちはどうしてあんなにも恐竜の名前を覚えるのでしょう。この本ではないのですが、図書館で恐竜の絵本を読んだとき、絵を見せながら最初の数文字を読むと、続きをスラスラ言う4歳児さんがいて驚かされた経験があります。
目次
恐竜の運動会は、きっとこんな感じ!
恐竜運動会の始まりです。実況担当は福井県で発掘されたフクイベナートル。蝶ネクタイが素敵です。
『きょうりゅう うんどうかい』
たしろ ちさと/作
小学館
運動会は翼竜(よくりゅう)たちの卵運びに始まって、大きなアンモナイト転がしへ。続くは、力自慢の綱引きと、子どもたちにもなじみのある競技に、恐竜たちがそれぞれの特性を生かして真剣に挑みます。巻末の見返し部分には恐竜たちの豆図鑑がありますが、そこは見せるだけでよいでしょう。
読んだあとは、絵本を子どもたちの手の届く場所に置いてあげてください。真剣に読みふける子がいることでしょう。この作品には、前作『きょうりゅう オーディション』もありますので、あわせて読んでも楽しめます。
読み聞かせ〈基本情報とポイント〉
読み聞かせるなら…
- 対象:4歳児から
- 時間☆:4分
- ポイント:子どもたちが恐竜を見分けることができるよう、絵本をしっかり開いて見せてください。恐竜の絵の横には小さな文字で名前が書いてありますが、読まずに本文だけ読むほうが物語を楽しめます。
☆時間は表紙から裏表紙を経て、表紙まで読むのにかかる時間。
骨と体をじっくり見てみよう!
切り絵による美しい絵本ですが、監修は、あの福井県立恐竜博物館。科学絵本として安心して見入りましょう。
『だれのほね?2 ぼくたちきょうりゅう』
たけうち ちひろ/文・切り絵 福井県立恐竜博物館/監修
出版ワークス
ページを開くと左側には、なぞなぞのようなテンポのよい文章で「あたまには つのが3ぼん。おおきな えりかざりが かっこいいでしょう。だれのほね?」と問いかけがあり、右ページにはバラバラの骨。子どもたちは、もう目が離せません。なかにはパーツに分けて骨の数を確認し始める子どももいて…。続くページでは、いま見たバラバラの骨が恐竜の形になり、左右で骨と体を比べてみることができます。
読み聞かせ〈基本情報とポイント〉
読み聞かせるなら…
- 対象:3歳児から
- 時間☆:3分
- ポイント:絵をゆっくり見せながらテンポよく読み聞かせて約3分です。言葉の楽しさや、絵の楽しさで読み聞かせるなら、3歳児からでも大丈夫。バラバラの骨から答えを考えるのなら5歳児が適切でしょう。でも、もしできるのなら、読み聞かせというよりも、少人数で絵本を囲み、心ゆくまで遊ばせてあげたいですね。
☆時間は表紙から裏表紙を経て、表紙まで読むのにかかる時間。
イラスト/小泉直子
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