世界一胴長のダックスフントが大活躍！【児玉ひろ美の注目本棚＃２】
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最近出版された絵本を中心に、子どもと一緒に読んでほしい注目作品をピックアップ。今回は、長く愛され続けている絵本『どうながのプレッツェル』の、待望の続編のご紹介から！
児玉ひろ美さん
JPIC読書アドバイザー、東京・台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。大学にて「児童文化」の講師を担当するなど、幅広く活躍。著書に『０～５歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』（小学館）。
目次
1978年から愛され続けている絵本に幻の続編！
作品名を聞いて、「懐かしい！」と思われた方も多いことでしょう。1978年の出版（原書は1944年）以来45年の長きにわたり、図書館員の間で「5月に読みたい1冊」と愛され続けている『どうながのプレッツェル』に、未邦訳の続編があったのです（原書は1946年）。表紙に描かれているのは、そう、「5がつの あるあさ」生まれた5匹の子どもたちと、パパになったプレッツェルです！
『どうながのプレッツェルとこいぬたち』
文／マーグレット・レイ 絵／H・A・レイ 訳／わたなべ てつた
福音館書店
世界一胴長のダックスフント、プレッツェルには5匹の子どもたちがいます。ポリー、ペニー、パット、ピート、パック。みんなお父さんが大好きです。何しろ、お父さんの胴は世界一長いのですから、いろんなことができるのです。
5匹一緒に背中に乗せて歩くことはもちろん、5匹をおなかに乗せて雪道をソリのように走ったり、川の上で橋になったり、全力で子育てをします。ときにはもちろん失敗もしますが、そこは大丈夫。しっかり者の愛する妻グレタが助けてくれるのですから！
そんなプレッツェル一家の楽しい物語が全部で12。見開き1話完結のグラフィックノベル風に描かれ、どのお話から読んでも楽しめます。
読み聞かせ〈基本情報とポイント〉
読み聞かせるなら…
- 対象：４歳～
- 時間☆：９分
- ポイント：コマ割りの絵本ですので、子どもたちの様子を見て指でコマを示しながら、軽やかに読んでください。子どもの反応によっては10分から12分くらいかかるかもしれません。12話ありますので１日3～4話ずつ数日に分けるのもいいですね。その際にも、表紙・裏表紙は毎回見せましょう。
☆時間は表紙から裏表紙を経て、表紙まで読むのにかかる時間。
パパになる前の、プレッツェルのお話
プレッツェルの１作目は、1978年に出版されたこちら。子犬はまだいません。パパになる前のプレッツェル、始めての方は、ぜひ、こちらも読んでみてください。
『どうながのプレッツェル』
作／マーグレット・レイ 絵／H・A・レイ 訳／わたなべ しげお
福音館書店
ダックスフントのプレッツェルはドッグショーで優勝し、ブルーリボンをもらいます。
ご存じでしたか？ ダックスフントは胴が長ければ長いほど立派なのです。周囲の犬や人、みんなが感心して「ほう！」と言いましたが、お向かいの小さなダックスフントのグレタは知らん顔。プレッツェルはグレタと結婚したいと思っているのに、「どうながなんて だいきらい」というのです。さあ、プレッツェルのユニークなプロポーズが始まります。
ある園で読んだとき、プレッツェルのあの手この手の奮闘ぶりに、子どもたちはハラハラドキドキ。「ふたりは キスをして／けっこん しました」のページでは、5歳児たちが思わず拍手喝采！ 「よかった～」と手を取り合って喜ぶ女の子たちもいて、幸せな興奮に包まれたひとときでした。
読み聞かせ〈基本情報とポイント〉
読み聞かせるなら…
- 対象：4歳〜
- 時間☆：６分
- ポイント：コミカルな絵に合わせ、全体を通して明るく楽し気に読んでください。グレタの「どうながはきらいなの」の言葉も軽やかに読みます。見開きの「けっこんしました」のページではプレッツェルとグレタを指さししてあげましょう。読み終えたら表紙に戻ったのち、絵本を広げてプレッツェルの全体像を子どもたちに見せましょう。
☆時間は表紙から裏表紙を経て、表紙まで読むのにかかる時間。
イラスト／小泉直子
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