準備から当日のお楽しみまで!クリスマスを遊ぶアイデア集

特集
楽しいアイデアいっぱい!クリスマス特集

初めて迎える子どももいる0・1・2歳児のクリスマス。楽しい、うれしい体験をまたひとつ増やすためのクリスマスを遊ぶアイデアを集めました。

私はこうやります

近藤みさき 先生
公立保育園勤務。保育士歴30年のベテラン保育者。保育系作家、イラストレーターとしても活躍。

菅原尚孝 先生
0・1・2歳児の保育園「えがおのはなさく みんなのほいくえん」「ちいさなもりのほいくえん」「みんなのほいくえん HAPPY BASE」(宮城・加美郡)園長。

わくわく感を盛り上げる準備のアイデア

もうすぐクリスマス! 楽しいことが始まる期待感を大切に。

サンタさんのために道案内を作ろう

クリスマスが近づくと、園内にはクリスマスムードが高まってきます。幼児が一緒の園ではなおさら。乳児のうちは、「サンタさん」が何者かよくわからなかったり、絵本で見ただけで想像しにくかったりするものですが、その期待感は伝わるもの。「もうすぐサンタさんが来るね」と声かけして、一緒に準備を始めましょう。

サンタさんはソリに乗って空からやってくるイメージです。「自分たちの園に間違わずにやってくる」というのは子どもたちにとっては切実な願い。道案内のためのアイテム作りは、わくわく感を高める、大切で楽しい作業なのです。(近藤先生)

クリスマス前からたっぷり楽しむ遊びのアイデア

クリスマスの世界を楽しく遊びながら、その日につなげていきましょう。

サンタさんへのお手紙ごっこ

「 サンタさんがもうすぐやってくるね」
「 サンタさんにお手紙書こうか」

そんなふうに声をかけて、保育室に「サンタさんあて」のポストを置いてみましょう。ダンボール箱に投函口をつけただけの簡単なもので十分です。

手紙は書けなくても、サンタさんの似顔絵など、入れるものは何でもいいのです。すき間があると何かを入れたくなるもの。何かしら投函して遊ぶようになります。(近藤先生)

サンタさんの煙突ごっこ

絵本やシアターで描かれるサンタは、だいたい煙突から入ってくるものです。サンタさんを迎えるにあたって、煙突は最重要アイテム。そこで、クリスマス前には、手製の煙突を用意するようにしています。これがあると、サンタさんを知っている子どもたちはホッとするようです。

サンタさん用の煙突は小さくてもいいのですが、出入りができるように大きめのダンボールで作ると、子どもたちが出たり入ったりして遊ぶことができます。(近藤先生)

パーティーごっこ

サンタさんになったり、サンタさんをおもてなししたり。パーティーごっこは、どちらかというとクリスマス会を経験したあと、その余韻で自然に展開しやすい遊びです。

サンタさんに出会ったあとには、必ずサンタさんになりたい子どもが出てきますから、サンタさん気分を味わえるアイテムを一緒に手作りするのもいいでしょう。

「サンタさん、ジュース飲みますか?」などと声かけしながら、ごちそうを作るのも楽しい遊びです。(近藤先生)

ジンジャークッキーでサンタさんをお出迎え!
北欧では、ジンジャークッキーとホットミルクで、サンタさんを出迎える風習があるそうです。それにならい、クリスマス会の前日にジンジャークッキーとミルクをツリーのところに用意しておきます。翌日、ミルクが減り、クッキーがかじられているのを発見して、子どもたちは「サンタさんが来てくれた」と大喜び!
ジンジャークッキー作りは、家庭で、親子で協力してやってもらいたいことのひとつですが、園でクッキー作りから行うこともあります。調理ができない場合は、粘土で作って遊んでも楽しいと思います。(菅原先生)

サンタさん登場…のための準備のアイデア

「見たことのない人」にこわがる子ども続出の0・1・2歳児クラス。サンタさんの登場にもひと工夫が必要です。

サンタさんの姿を少しずつ目撃させる

サンタさんを見て子どもたちが泣き出す、というのは、乳児クラスではよくあること。準備から大切に育ててきた楽しい気持ちが、この一瞬で消えてしまっては台なしです。

心の準備ができるように、先に子どもたちに「目撃させる」というのもひとつの手。園庭で遊ぶサンタさんを保育室から見せたり、昼寝をするサンタさんを、子どもたちが目撃するのでもいいでしょう。このワンクッションがあると、こわがる子どもがかなり少なくなります。(近藤先生)

サンタさんの気配を漂わせる

「もうすぐサンタさんがやってくる」という気配を漂わせると、子どもたちは少しずつ心の準備ができます。たとえば、窓ガラスに大きな手形をつけておく、というのも夢があって楽しいものです。

「 サンタさんが下見に来たみたい」
「 もう、どこかに来ていて、トナカイと休んでいるのかも」

そんなふうに声かけをすると、子どもたちもわくわく!サンタさんへの期待感も高まります。(近藤先生)

初めてじゃないからこわくない! 本番は「いつものサンタさん」と一緒に
クリスマスに突然やってくるサンタさんは、低年齢児にとっては、ちょっとこわい存在です。実際に泣いてしまう子どもも少なくありません。
私の保育園には定期的にボランティアのサンタさんが遊びに来てくれます。夏の時期には T シャツ姿のサンタさんが、ひまわりの種をプレゼントしてくれました。ひまわりの花ことばには「あなただけを見つめる」という意味があるそうです。「いつもみんなを見てくれている大好きなサンタさんが、クリスマスにも来てくれた」という安心感で、当日はとてもなごやか。子どもたちは安心して、クリスマスを楽しんでいるようです。(菅原先生)

さあ本番! サンタさん登場の演出アイデア

年に一度のクリスマス。子どもと一緒に夢の世界を楽しみましょう。

炎がユラユラ…幻想的なムードを演出

保育室を薄暗くしたとき、カーテンのすき間から差し込む外の光は、クリスマスの演出にひと役買います。私がよくやるのは、その光を暖炉の炎に見立てて、ゆらゆらと動かすこと。暖炉と煙突は紙に描いて貼るだけなのですが、とても幻想的な雰囲気に。

クリスマスは、年の行事の中で最もファンタジー要素の強い行事。絵本でしか知らなかった世界を現実に体験することは、目に見えないものを信じる力にもつながります。

いまは、家庭でクリスマスをやらない子どももいます。せめて園では子どもたちみんなに、いつもと違う夢の世界を体験してほしいと思うのです。(近藤先生)

だ〜れだ? シルエットから少しずつ登場

シルエットクイズのようにして、サンタを登場させるのもおすすめです。最初は司会の先生が「だ~れだ?」と登場。ツリーやぬいぐるみなど、わかりやすいアイテムをシルエットで見せて答え合わせをしながら、最後にサンタさんが登場。帽子を見せたり手を見せたりして、「もしかしたら…?」と気づいたころにタネあかしです。

このワンクッションは、心の準備になるだけではなく、感性を膨らませて想像すること、「当たった!」という満足感や幸福感にもつながると思います。(近藤先生)

だれがサンタに変装する? どう変装する?

だれがサンタさんに扮するかは、さまざまパターンがあるようです。「市の職員の男性」「恰幅のいい男性の調理師さん」(ともに東京・公立保育園)、「園児のお父さんで大柄な人」(千葉・私立保育園)など、ふだん園児と接することの少ない大柄な男性が扮するケースもあれば、あえて園の保育者が扮する場合も。「サンタの衣装をつけますが、“知っている人”だとわかると安心するので、最初に声を出すようにしています。ちなみに女性のサンタです」(栃木・公立保育園)

会が盛り上がる歌と遊びのアイデア

クリスマスならではの歌と遊びで盛り上がりましょう!

ホーホーホー! サンタのかけ声で追いかけ歌

サンタさんのかけ声は「HO HO HO」(ホーホーホー)なのだそうです。そこで、サンタさんがやってきたクリスマス会では、サンタさんと一緒に、「ホーホーホー」のかけ声で歌を歌って遊んでいます。替え歌としてぴったりなのが、「かえるのうた」。

「 ♪サンタさんのうたが きこえてくるよ」に続いて、「ホーホーホー」と歌うのです。

慣れてきたらサンタさん(あるいは保育者)が、「ホッホホホー」「ホホホホホホー」などリズムを変えて歌い、子どもたちがそれをマネして歌う追いかけ歌で遊ぶのもおすすめ。簡単で盛り上がる歌遊びです。(菅原先生)

トナカイになりきってみんなでダンス

クリスマスソング「トナカイのクリスマス」(作詞・作曲/新沢としひこ)でなりきりダンス! 子どもたち一人ひとりが主役になって、トナカイ気分で歌って遊びましょう。歌いながら、ひとりずつ鈴を鳴らして輪の中を回ります。最後はみんなで一緒にシャンシャンシャン! 

MOOK『クリスマス SONGS CDつき』(小学館)に、遊びのアイデアと伴奏譜が掲載されています。

プレゼントの渡し方アイデア

クリスマスのもうひとつのお楽しみ!プレゼントにもワクワク感をプラスして!

お昼寝の間に用意!

「サンタさんが来てくれた!」という子どもたちの思いを、プレゼントタイムにも丁寧につなげたいものです。お昼寝をはさむ場合は枕もとに置くのも手ですが、もうひと工夫して、高いところにぶら下げておくというのもアイデア。目覚めた子どもが「何だろう?」とザワザワし始めたら、「サンタさんが置いていってくれたプレゼントかな?」と声をかけてもいいでしょう。

洗濯ばさみにはさんだものをパチンと取るのが、子どもたちは大好き。抱っこして取らせてもいいし、取るときにはひもを低くしてもいいと思います。(近藤先生)

プレゼント箱は観音開きに。‘‘いないいないばあ’’ で出す

「見えないところ」にファンタジーを感じる0・1・2歳児。閉じている扉や引き出しがあると、開けたくなるのです。

昼寝から目覚めたら、クリスマス会から保育室に戻ってきたら、扉のついた大きな箱があると、子どもたちは興味津々。特に乳児は「いないいないばあ」が基本なので、観音開きにするのがおすすめです。「じゃあ、せーので開けてみる?」と声かけして、プレゼントボックスを開けましょう。(近藤先生)

「生まれてきてくれてありがとう」保護者のメッセージをツリーに
クリスマスというと、「プレゼントをもらう日」ということだけがイメージされやすいのですが、本来クリスマスは、親から子どもに、「私たちのところに生まれてきてくれてありがとう」という思いを伝える日なのだそうです。
そこで園では、各保護者に子どもへのメッセージやイラストを、カードに描いてもらっています。簡単なカードを用意して、送り迎えのときに書いてもらったりして、クリスマスツリーに飾ったりしています。子どもたちにとっては、パパやママからもらった大切な宝物になることまちがいなし!保護者にとっても、感謝の気持ちをあらためて考えるきっかけにもなります。(菅原先生)

★簡単なカードを用意して、送り迎えのときなどに持ち帰ってもらったり、その場で書いてもらう。カードはツリーの飾りにしても楽しい。

文/木村里恵子
イラスト/小泉直子

『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2018冬より

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