手作りカードで絵合わせ遊び「ぴったんこ!」【紙で作ろう! #4】

連載
紙で作ろう 

小さなピースを合わせて絵を完成させたり、同じ絵2枚でペアを作ったり。「ぴったんこ!」が楽しい絵合わせ遊びは、子どもたちに人気の遊びのひとつです。そこで今回は、自分で描いた絵で作る「絵合わせカード」のご紹介。造形ワークショップの実践から楽しいアイデアを集めました。

指導

田代耕司 先生

造形作家
岡山県で中学校の美術教諭を経験。上京後、出版社に勤務し、幼児・保育者向け出版物を編集。教材・玩具類の企画開発を行うかたわら、紙を素材にした造形作品を展覧会・各種出版物などで発表。道灌山保育福祉専門学校講師を経て、現在は保育者・親子を対象に全国で造形実技指導を行っている。

知的な意欲を高める「絵合わせカード」

絵合わせ遊びは、子どもたちの知的な意欲を高める遊びです。形を組み合わせていく遊びのプロセスを通して、子どもたちの形に対する感覚を刺激し、形を識別する力、形を組み合わせ構成する力、どんな形になるかを推理する力、洞察力など、子どもたちの基礎能力を育みます。

同じ絵柄のカードを探そう!

同じ絵柄のカードを2枚ずつ作り、同じ絵柄のカードを探して遊びます。テーマは、食べ物、乗り物、好きなものなど、なんでもOK。今回の実践では、好きな食べ物の絵を描きました。

遊び方いろいろ

その1
絵柄が見えるように並べ、同じ絵柄のカードを探して遊びます。

その2
絵柄が見えないように裏返して並べ、2枚のカードをめくって、ぴったり合う
絵を探して遊びます。

絵合わせカードをたくさん作ってひとりで遊ぶこともできますが、ほかの人が作ったカードを合わせて複数人で遊ぶこともできます。カードの枚数が増えること、みんなで遊びを共有することで、さらに新しい遊び方が見つかるかもしれません。

作り方


ボール紙(6㎝×6㎝くらいの大きさ)の片面に画用紙、片面に単純な模様の包装紙を貼っておく。
*くり返し遊んでも傷みにくいように、ベースに丈夫なボール紙を使用。


を2枚作り、画用紙の面に同じ絵柄を描く。
*遊んでいるうちに描画面がこすれやすいので、クレヨンではなくカラーペンを使うとよい。

2枚を合わせて絵を完成させよう!

1枚の絵を半分に切って2枚のカードにし、絵(カード)を合わせて遊びます。今回の実践では、「生き物」の絵を描きました。テーマを変えて、いろいろな絵合わせ遊びを楽しみましょう。

遊び方

絵が完成する2枚のカードを探して遊ぶ。

作り方

 ボール紙(10㎝ ×6㎝くらいの大きさ)の片面に画用紙、片面に単純な模様の包装紙を貼ったカードを用意する。

 カラーペンで画用紙の面に絵を描く。

 半分に切って完成。

はめ込みも楽しい「絵合わせパズル」

1枚の絵を複数のピースにカットして、ジグソーパズルを作りましょう。はめ込みできるフレームつきの台紙があると、遊びの満足度も増します。

遊び方

絵をカットして作ったピースをバラバラに置き、元通りの絵になるようにフレームにはめて遊ぶ。

絵合わせパズルの作り方

 同じサイズのボール紙( A 4 くらいの大きさ)を2枚用意し、1枚のボール紙の真ん中をカッターで切り取る(ここがパズルになり、残った部分はフレームにする)。

 で切り取った部分(パズル面)に、色画用紙を貼る。
*はみ出すとフレームにうまくはまらないので、色画用紙はボール紙よりひと回り小さくしておくとよい。

3 の色画用紙に絵を描く。
*すべてのピースに絵合わせのヒントが残るように、スペースいっぱいに絵を描くことがポイント。何も描き込まれていない「余白」の部分が多いと、絵のないピースができてしまうこともある。子どもの絵を見ながら声かけを。

 完成した絵をカットする。

 ボール紙1枚に、で切り抜いたフレームを貼って台紙を仕上げる。フレームにも色を塗ったり、絵を描くと楽しい。

*ピースにカットする前に絵をコピーしておき、パズルの完成図として台紙の裏面に貼っておくとよい。

はじめはピースふたつから。難易度を自由にアレンジ

手作りの絵合わせパズルなら、ピースを大きくしたり小さくしたり、簡単な形にしたり複雑な形にしたり、いろいろ工夫することができます。最初は少ないピースで「ぴったんこ」。慣れてきたらまたカットして、少しずつピースを増やしていくのもいいでしょう。

ふたつにカット

十字にカット

斜めにカット

曲線にカット

アレンジ

カラーコピーを利用する

絵としてそのまま残しておきたい作品は、カラーコピーして使いましょう。また、貼り絵などの立体的な作品も、写真に撮ってプリントアウトしたものを使えば絵合わせパズルに仕上げることができます。

写真を使う

子どもたちの好きな動物や昆虫などの写真を使うのもアイデア。遊びながら、より興味や関心、理解を深めることにも役立ちます。


文/田辺泰彦
撮影/茶山 浩
イラスト/marupon
撮影協力/こひつじ保育園(東京・町田市)
取材協力/親子のための造形ワークショップ「こどもステーション」(こひつじ保育園で開催)

『新 幼児と保育』2019年10/11月号より

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