転がす、のぞく…筒遊びいろいろ「やってみよう!」【紙で作ろう! #最終回】
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ストロー、ラップの芯、水道管など、身のまわりにはさまざまな「筒」があります。中央に穴のあいた細長い「筒」は、造形の基本構造のひとつ。今回は、紙の筒を使ってできる造形遊びを紹介します。
目次
指導
田代耕司 先生
造形作家
岡山県で中学校の美術教諭を経験。上京後、出版社に勤務し、幼児・保育者向け出版物を編集。教材・玩具類の企画開発を行うかたわら、紙を素材にした造形作品を展覧会・各種出版物などで発表。道灌山保育福祉専門学校講師を経て、現在は保育者・親子を対象に全国で造形実技指導を行っている。
「筒」を使った遊びにチャレンジ
身のまわりにある「筒」を探してみましょう。生活の中で目についたり、使ったりしたことがあるものを使うと、子どもたちの「物」に対する意識を刺激することができます。さらに、それを使って遊ぶことを通して、筒の構造、役割を感じとることができるでしょう。そのことが新しい遊びを見つけ出す工夫にもつながります。
紙の筒は、自分の手で作ることもできます。目的に合わせた太さ・長さの筒を作ってみましょう。
長めの筒で
ポスターや包装紙の芯など、少し長めの筒が手に入ったらチャレンジ遊びでウオーミングアップ! 筒はそのままでも遊べますが、表面に油性ペンやシールで模様をつけると、遊びの導入に効果的です。
おっとっとっ!
手のひらに筒を立てて倒れないようにバランスをとる遊びです。だれが一番長いあいだ筒を立てていられるかを競っても楽しいでしょう。
キャッチできるかな?
ふたり組になり、ひとりが筒を持ってひとりは手で輪を作って構えます。筒を持っている人が手を離したとき、もうひとりがすばやくキャッチ! 筒が下に落ちないように急いでつかみます。
*等間隔にテープを貼ると、指示した場所をつかむ遊びに発展させることができます。
まずは少ない材料で
トイレットペーパーの芯などに折り紙を貼ると、カラフルな紙筒が完成! このカラフル筒でいろいろな遊びをしてみましょう。
フーフー! ころころ筒
息を吹きかけたり、傾斜を利用したりして、筒を転がしてみましょう。遠くまで転がすことを競っても楽しいですね。
用意するもの
トイレットペーパーの芯、折り紙、シールなど
作り方
1 折り紙の裏にのりをつけ、トイレットペーパーの芯に巻くようにして貼る。
2 折り紙の両側を芯の中に折り込んで貼る。
3 シールなどで模様をつける。
転がしたときにきれいに見える模様など、模様のつけ方で転がしたときの見え方が変わるので、いろいろ試してみよう。
あれあれ? おかしな筒
筒の内側に油粘土をつけると、おもしろい動きをする「おかしな筒」になります。
用意するもの
トイレットペーパーの芯(装飾は「ころころ筒」参照)、油粘土、ポリ袋、粘着テープ
作り方
油が染み出さないようにポリ袋を切ったシートに油粘土(5グラム程度)をくるみ、筒の中に入れて粘着テープで固定する。
ゆ〜らゆら倒れない!
「おかしな筒」に色画用紙で作った人形などをプラスしておもちゃを作りましょう。倒そうとしても起きあがる伝承玩具「おきあがりこぼし」です。
用意するもの
おかしな筒(上参照)、竹串、色画用紙など
作り方
1 「おかしな筒」の内側の油粘土に刺さるように、筒の外側から竹串を刺して立てる(目打ちなどで穴をあけるとよい)。
2 竹串に色画用紙で作った人形などをつける。
息を吹いて
「筒」は空気の通り道にもなります。息を吹いて遊ぶおもちゃを作ってみましょう。
飛べ飛べロケット
折り紙や画用紙で作った筒をストローなどの筒にかぶせると、勢いよく飛ぶロケットになります。
用意するもの
ストローやラップの芯などの筒、折り紙・画用紙など
作り方
1 半分に切った折り紙に模様をつける。
2 ストローに巻いて巻き終わりをのりづけし、筒を作る。
*抜けやすいように、少しゆるめに巻いて作るのがポイント。
3 筒の先を2 回くらい折り返して貼り、少し重くする。
4 ストローにかぶせる。
飛び出す びっくりくん
筒に息を吹き入れると、ポリ袋が飛び出すビックリおもちゃです。
用意するもの
細めのラップの芯、筒状のポリ袋(傘袋のほか、長芋などの袋や包装紙の袋など)
作り方
1 筒の先にポリ袋の口をかぶせ、すきまができないように粘着テープで貼り、ポリ袋に油性ペンで模様を描く。
2 ポリ袋を筒の中に押し込む。
のぞいて
「筒」をのぞくとそこには…? のぞいて楽しい簡単かがく遊びを紹介します。はじめはうまく見えなくても、子どもたちはすぐに慣れて、くり返し遊ぶようになります。
手に穴があいちゃった! ?
片目で筒をのぞきながら、両目で前を見ると……。目の錯覚で手のひらに穴があいているように見えます。
遊びの導入に、筒の表面にシールなどで思い思いに模様をつけてもよい。
用意するもの
ラップの芯
やり方
1 筒の中央を右手の親指と人さし指の間に置く。このとき右手は大きく開いておく。
2 筒の先を左目に当て、両目を開いたままで前を見ると…。右手に穴があいたように見える。
*左手に持って右目に当てると、左手に穴があいたように見える。
見えなかったのに見えた!
黒い筒を封筒に当ててのぞくと、中に隠した絵がくっきりと見えます。これは、封筒の表面に反射して中を見えにくくしている光を、黒い筒がさえぎってくれるから。封筒を透過する光だけが筒を通して目に届き、中の絵がよく見えるという仕組みです。
直射日光をのぞかないように注意。必ずすりガラスなどを通した光のもとで遊ぶ。
用意するもの
トイレットペーパーの芯、色画用紙(黒、白)、シール、カラーペン
*封筒の紙は、実際に遊んでみて、適当な厚さのものを選びましょう。
作り方
1 トイレットペーパーの芯に黒い画用紙を貼る。
2 白い画用紙で封筒とそれに入るカードを数枚作り、中央にカラーペンで絵を描く。
絵は単純な形を濃い色で描きましょう。絵は筒の円より大きく描いてもOK。何の絵かを当てっこしたりなど、遊びが広がります。
文/田辺泰彦
撮影/藤田修平
イラスト/marupon
撮影協力/小学館アカデミーたまプラーザ保育園(神奈川・横浜市)
『新 幼児と保育』2020年2/3月号より
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