1行詩から始めるお話【すきまの時間の小さなお話】

連載
こがようこの すきまの時間の小さなお話

絵本作家・紙芝居脚本家・語り手たちの会理事

こがようこ

素話(すばなし)を覚える時間が取れない忙しい方のために、「1行詩」を紹介します。リズムよく口ずさんで、アレンジしたり、くり返したりするうちに、やがて小さなお話になっていきます。


絵本作家・「語り手たちの会」理事
こが ようこ さん

25年以上にわたってさまざまな場所で「語り」を届ける活動を続ける。そのかたわら幼年童話・絵本の執筆、お話の小道具などの創作を手がける。主な著書に『保育に活かすおはなしテクニック』(小学館)、『わらべうたでひろがる赤ちゃん絵本』シリーズ(童心社)、『語りかけ絵本』シリーズ(大日本図書)『ぺこぺこ ぺコリン』(講談社)など。


1「みずで あそぼう」

想像力を働かせて聞くお話です。水をたたいたり飛ばしたり、水遊びの場面を思い浮かべましょう。

バケツの おみず バチャバチャ ピュッピュッ

「ピュッピュッ」のところで、上の写真のように水鉄砲の手の形を作ります。

2「うさぎさんは にんじんが すき」

登場する動物の好きな食べ物を、予想しながら聞く楽しさがあるお話です。

うさぎさんは にんじんが すき

↓【アレンジ】 詩をもう1行加えて……
うさぎさんは にんじんが すき
うさぎの あかちゃんも にんじんが すき

↓【アレンジ】 別の動物に替えて……
ぞうさんは(予想する間) りんごが すき
ぞうさんの あかちゃんも りんごが すき

3「くもは モクモク」

イラストを見ながら聞くお話は、子どもたちの言葉の獲得にもつながります。

くもは モクモク

↓【アレンジ】 詩をもう1行加えて……
くもは モクモク
あぶく ブクブク


↓【アレンジ】用意したイラストに合わせて……

お話に合わせて、台紙に絵を貼っている。

2歳児ならば子どもたちの声を取り入れて、好きな生き物を登場させてもよいでしょう。

4「タンポポ タンタンタン」

次は2行詩に挑戦! 静かに歌うように語ります。

タンポポ タンポポ タンタンタン
タンポポやまへ とんで いけ

↓【アレンジ】子どもたち一人ひとりに語りかけるように……
タンポポ タンポポ タンタンタン
〇〇ちゃんの おやまへ とんで いけ

「とんでいけ」でタンポポの花冠をかぶせた。
タンポポ花冠製作/竹丸富子

5「ピョーン!」

最後は3行詩。アレンジはくり返しが多いので、簡単に覚えられます。

みずたまりで カエルが ケロケロ
ピョーーーーーン!
どっか いっちゃった

↓【アレンジ】別の生き物に替えて……
みずたまりで カニが チョチチョチ
ピョーーーーーン!
どっか いっちゃった


↓【アレンジ】ものも、ピョーーーーーンと飛ばしましょう!
みずたまりで リンゴが コロコロ
ピョーーーーーン!
どっか いっちゃった

みずたまりで スイカが ツンブクカンブク
ピョーーーーーン!
どっか いっちゃった

「ピョーーーーーン!」のところで、ゆっくりと大きな弧を手で描いて、大ジャンプを表現します。


※紹介したお話のテキストをお話会、イベントなどで使用する場合は、 タイトルと著者名こがようこを明記すること。

構成/佐藤暢子
撮影/茶山 浩
撮影協力/小学館アカデミー昌平保育園 

『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2021夏より

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