中川貴雄さん「今でもハッキリ覚えている絵」【表紙絵本館】

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『新 幼児と保育』は、毎号絵本作家さんの描きおろしの絵が表紙となっています。表紙を飾った絵本作家さんの幼年期のエッセイを紹介していきます。今回は、中川貴雄さんです。

今でもハッキリ覚えている絵

子どものころから体を動かすのが好きで毎日どろんこになって遊んでいた記憶があります。しかし同じくらい絵を描くのも好きでどこに行くにも紙と鉛筆を持っていた記憶もあります。いつから絵を描くのが好きになったのかハッキリと覚えていないですが保育園児のときに描いた亀やお父さん、サンタクロースの絵は今でも鮮明に覚えています。ゲゲゲの鬼太郎の真似をして描いていたので、そのころに描いたお父さんの絵はいつも片目が髪の毛で隠れているお父さんでした(笑)。

今回掲載していただいている写真は、朝イチ保育園に着いてすぐに友だちと一緒に描いたオバケの絵で、このころはオバケを描くのにハマっていて、毎日いろんなオバケを描いていました。ものすごくよい絵が描けた! と思ったので、先生にお願いをして写真を撮ってもらったんだと思います。保育園の先生やおじいちゃんおばあちゃんが褒めてくれたので、調子に乗って毎日のように描いていたんだと思います。家で描いていたのは、アンパンマンやそのとき見ていたアニメ(ゲゲゲの鬼太郎やドラえもん、オバケのQ太郎、キン肉マンなど)の絵で毎日のように描いていたので、今でもそらでそのころに描いたキャラクターの絵を描くことができます。アニメのキャラクターを真似て描くだけじゃなくて、そのアニメに登場させたいオリジナルのキャラクターも考えて描いていました。

その遊びは小学生になっても。中学生になっても、高校生になっても続けていて、中高生のころには漫画も描いていました。いろんな漫画を混ぜたようなヘンテコな漫画でしたが…(笑)。黒板に描いたオバケの絵と同じくらい鮮明に覚えているのが、保育園の卒園アルバムの表紙の絵です。表紙には自分の描いた絵の原画をそのまま使って作ってくれていたんです。クリスマスの夜にサンタクロースが煙突から家に入ろうとしているシーンの絵でした。今考えるとこれってとってもよい記念ですよね♪

そして僕の絵本のデビュー作が『わすれんぼうのサンタクロース』。これには縁を感じずにはいられません。子どものころにワクワクしながら描いていた絵。今も同じようにワクワクしながら絵を描いています。

中川貴雄

1979 年和歌山県生まれ。大阪デザイナー専門学校ビジュアル研究科修了。2009 年よりクリエイティブユニット『なりゆきサーカス』に参加、国内外を問わず展覧会やイベントなど積極的に活動。仕事のジャンルは、絵本、書籍、広告、雑貨、アニメーション、キャラクター制作、アパレル会社とのコラボなど幅広い。2016 年『わすれんぼうのサンタクロース』(作/中川ひろたか)で絵本デビュー。絵本作品は、『くいしんぼうのサンタクロース』(作/中川ひろたか)、『なんにでもレナール!』(作/玉置永吉 以上教育画劇)ほか。

『新 幼児と保育』2022年夏号より

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