五感で楽しむ春夏秋冬~5月の園庭いきものマップから【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#16】
プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物(虫や草花など)を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。
今回は、5月の「園庭いきものマップ」(練馬区立北大泉幼稚園)をご紹介します。4月のマップと見比べながら、季節の変化を楽しんでみましょう。
ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)

目次
5月の「園庭いきものマップ」で自然観察
ささき隊長 こんにちは。ささき隊長です。
4月の園庭は、花盛り。まるでお花畑のようでしたね。
チューリップ、スイセン、サクラ、タンポポ……。園庭全体がお花畑みたいで、「春が来たなあ」と感じる景色が広がっていました。
でも、5月になると、園庭の様子が、ちょっと変わってきます。
春真っ盛りの5月は「動く」生き物が、ぐっと増えてくるんです。
池ではオタマジャクシがすいすい泳ぎ、葉っぱの上ではアゲハの幼虫がむしゃむしゃごはんを食べている。葉っぱの中には、ジカキムシが白い道を描いていて、テントウムシの赤ちゃんもどこかに隠れています。
5月の園庭は、ひと言で言うなら、「いきものの赤ちゃん月間」。小さな命でいっぱいの季節なんですね。
先月と比べてみよう|季節の変化が見えてくる
では、詳しく4月のマップと見比べてみましょう。

4月は、スイセン、チューリップ、ムスカリ……花ばかりが並んでいますね。
それが5月になると、テントウムシのさなぎ、アゲハの幼虫、オタマジャクシ、ジカキムシ……と、
ぐっと生き物の種類が増えてきます。
「この間までいなかった虫が、いるね」
「花がなくなったところに、実ができてるね」
「葉っぱを見ていたら、虫の赤ちゃんがいた!」
そんな小さな変化に気づき、季節の動きを知ることで、子どもたちの目がキラリンっと輝き始めます。
園庭いきものマップのおもしろさは、まさにそこ!
ただ見るだけじゃない。「変化を見る目」が育ってくるんです。
園庭いきものマップとは、簡単に言うと「園庭の自然を、みんなで見える形にしたもの」。
園庭の自然を観察していると、毎日いろんな発見があります。 あそこにテントウムシがいた。 ここに新しい花が咲いた。 池にカエルの卵があった。
でも、そのままにしておくと、いつの間にか忘れてしまいますよね。
そこで、見つけたものを写真に撮ったり、絵に描いたりして、 園庭の地図のまわりに貼っていきます。
「どこで見つけたのか」 「いつ見つけたのか」「どんな様子だったのか」
それがわかるようにしておくと、園庭はどんどん“生きた図鑑”になっていきます。
去年の5月と今年の5月|いきものマップは、毎月、毎年続けるほどおもしろい!
さらに、去年のいきものマップと並べると、また違う発見があります。
去年の5月のマップには、「コウガイビル」が登場しました。
園庭の裏にいた、細長いひも状の生き物。
ナメクジやミミズを食べる、なんとも個性的な生き物で、
先生たちはちょっとびっくり、子どもたちは大喜びだったでしょうね(笑)。
同じ5月でも、毎年少しずつ顔ぶれが変わるんですよ。
僕自身も「去年こんな虫がいたんだ」って、驚くことがありますから。
1年続けると季節の流れが見えてきて、2年、3年と続けると、年ごとの違いも見えてくる。
それが、マップ作りの一番の楽しさだと思っています。

5月の園庭いきものリスト
練馬区立北大泉幼稚園の5月(2025年)の「園庭いきものマップ」に登場したのは、こんな生き物・植物たちです。
- ジカキムシ…葉っぱの薄い層にトンネルを掘りながら進む幼虫の跡。細いところから太くなっていくのは、中で成長している証拠。
- テントウムシのあかちゃん…あの赤くて丸いテントウムシが、こんな姿から生まれるとは! 細長くてトゲトゲの幼虫。「見えるかな?」と、子どもたちが夢中になって探しています。
- オタマジャクシ…3月に産んだ卵からかえって、5月になるとたくさん泳ぎ出します。後ろ足が生えて、前足が生えて…。カエルへの変身、始まっています。
- カブトムシのさなぎ…朽ち木の中でじっと羽化を待つさなぎ。あの頼もしい角は、いったいどこにある? 夏が待ち遠しくなる発見です。
- アゲハの幼虫…緑色のイモムシ。柑橘類の葉っぱが大好きで、ぷっくりした体で葉をもりもり食べています。
- 柿の赤ちゃん…花が終わって、小さな実がついてきました。秋に向けてゆっくり育っていきます。
- サクランボ…緑だった実が赤く色づいてきました。「真っ赤になったね!」と子どもたちのコメントがうれしい。
- カメムシ…独特のにおいで知られる昆虫。触るとくさいので、要注意。
園庭や近くの公園で探してみてくださいね。

次回#17は、マップにある「てとあしがはえたよ!」のオタマジャクシに注目します。
なぜ「カエル」というのか、知っていますか? その答えも次回!
文・写真/神﨑典子
佐々木 洋(ささき隊長)
ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

【関連記事】
ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!シリーズはこちら!
・五感で楽しむ春夏秋冬~5月の園庭いきものマップから【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#16】
・園庭にチョウチョウを呼ぼう~五感で楽しむ春〈4月〉【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#15】
・タンポポの色アートほか~五感で楽しむ春〈4月〉【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#14】
・鳥の声に耳を澄まそう~五感で楽しむ春〈4月〉【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#13】
・新企画!五感で楽しむ春夏秋冬~園庭いきものマップ作り【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#12】
・冬の自然遊び決定版! 影の木登りで魅力的な写真を撮ろう【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#11】
・「こんなところにいた!」真冬の虫の隠れ家探し!【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#10】
・冬といえば野鳥観察! さまざまな種類のカモと仲良くなろう【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#9】
・落ち葉遊び3選!子どもが夢中になる自然遊びのアイデア【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#8】
・水面を滑る小さな生き物アメンボの不思議【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#7】
>>もっと見る