水痘(いわゆる水ぼうそう)の症状・対応・予防【園で気になる子どもの感染症 #5】
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かぜなど感染症の流行が心配な季節です。
保育園で感染が広がる恐れのある病気について、主な症状や対応、予防について知っておきましょう。子育て支援にも役立ちます。
この連載「園で気になる子どもの感染症」第5回は「水痘」(すいとう)、いわゆる「水ぼうそう」です。空気感染でもうつる病気で、感染力がとても強いので、園で発生すると大流行につながることもあります。
(この記事は、『新 幼児と保育』2019年4/5月号に掲載されたものを元に再構成しました)
目次
監修
澁谷紀子(しぶやのりこ)先生
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。
おもな症状と原因
かゆみのある水疱(すいほう)が全身に
水痘・帯状疱疹(すいとう・たいじょうほうしん)ウイルスによって起こります。虫刺されのような赤い発疹が数個現れ、数時間で増えていきます。その後、発疹はかゆみのある水疱(中に液体がたまった発疹)になり、2~3日で全身に広がります。
発熱することもありますが、2~3日で下がることがほとんどです。水疱はかさぶたになり、1~2週間で治ります。
治療の基本
発症直後なら飲み薬による治療も
発症後2日以内なら、抗ウイルス薬を飲むことで症状をやわらげることができます。
ワクチンを接種していない子どもの家族が発症したような場合、感染した人との接触から3日以内なら、ワクチンの緊急接種によって発症を防げることもあります。
かゆみが強い場合は、かゆみ止めの塗り薬が処方されることもあります。
ホームケア
水疱のかきこわしに注意
水疱をかきこわすと、細菌が感染して「とびひ」などを起こすことがあります。子どもの爪は短く切ってやすりをかけ、手や体の皮膚も清潔に保ちましょう。
塗り薬が処方されたときは、医師の指示どおりに使います。すべての水疱がかさぶたになるまで、登園停止です。
予防のためにできること
ワクチン接種で確実に予防を
生後12か月を過ぎたら、できるだけ早くワクチンの接種を。1回では十分な免疫がつかないため、初回の6~12か月後に必ず2回目を接種します。
大人がかかると重症化しやすいので、保育者自身の接種状況も確認を。接種歴がわからない場合、追加接種を受けておくと安心です。
文/野口久美子 イラスト/河合美波
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