風疹の症状・対応・予防【園で気になる子どもの感染症 #6】

連載
園で気になる子どもの病気

かぜなど感染症の流行が心配な季節です。
保育園で感染が広がる恐れのある病気について、主な症状や対応、予防について知っておきましょう。子育て支援にも役立ちます。

この連載「園で気になる子どもの感染症」第6回は「風疹」(ふうしん)。症状は軽いけれど、妊娠初期に感染すると、胎児に「先天性風疹症候群」の危険があります。

(この記事は、『新 幼児と保育』2019年4/5月号に掲載されたものを元に再構成しました)

監修

澁谷紀子(しぶやのりこ)先生
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。

おもな症状と原因

赤く小さな発疹が出る

風疹ウイルスによって起こります。おもな症状は、発熱、薄い赤色の小さな発疹、耳の後ろや首、後頭部などのリンパ節の腫れなど。症状は比較的軽く、発疹は3日ほどで消えます。ただし、大人がかかると重症化することが多く、特に妊娠中の女性は注意が必要です。

治療の基本

家庭での安静が中心

ウイルスが原因で起こる病気の場合、病気そのものを治療する薬はないため、つらい症状をやわらげる治療が行われます。 

子どもは症状が軽いことが多く、受診後のケアは家庭での安静が中心。高熱や関節痛などが見られる場合は、解熱鎮痛薬などが処方されることもあります。

ホームケア

熱があるときは水分補給

自宅で静かに過ごすのが基本ですが、元気があれば、寝ていなくても構いません。熱がある場合は、脱水を防ぐため、こまめに水分補給をします。発疹がすべて消えるまで、登園停止です。

予防のためにできること

女性の保育者は接種歴を確認

最も確実な予防法は、ワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)の接種です。生後12か月を過ぎたら、すぐに接種を。小学校入学前の1年間でもう一度接種します。 

妊娠初期の女性がかかると胎児に深刻な影響が出ることがあるので、特に女性の保育者は接種歴を確認し、わからない場合も、追加接種を受けておくとよいでしょう。

ドクターより

風疹は診断が難しく、症状が似ているけれど風疹ではなかった……ということも。かかったことがあると思われる保育者も、抗体の有無を調べる検査や追加接種を!

文/野口久美子 イラスト/河合美波

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