気管支ぜんそくの症状・対応・予防【園で気になる子どもの感染症 #4】
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かぜなど感染症の流行が心配な季節です。
保育園で感染が広がる恐れのある病気について、主な症状や対応、予防について知っておきましょう。子育て支援にも役立ちます。
この連載「園で気になる子どもの感染症」第4回は「気管支ぜんそく」。ふだんは元気にしていても、発作が起こると呼吸が苦しくなったり、せき込んだりします。
(この記事は、『新 幼児と保育』2019年10/11月号に掲載されたものを元に再構成しました)
監修
澁谷紀子(しぶやのりこ)先生
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。
目次
おもな症状と原因
呼吸が苦しくなる発作をくり返す
気管支(※)に慢性的な炎症が起こり、呼吸が苦しくなる発作をくり返します。発作が起こると、息を吐くときにゼイゼイ、ヒューヒューと音(ぜん鳴)がしたり、激しくせき込んだりします。
アレルギー反応によって起こる「アトピー型」が多く見られますが、そのほかにもいくつかのタイプがあります。3歳ぐらいまでの子どもの場合、RSウイルスなどの感染が関係するものが多く、それ以降はアトピー型が増えていきます。
※気管が左右の肺へ向けて分かれる部分より先を「気管支」といいます。
発作を防ぐためにできること
発作のきっかけとなる刺激を防ぐ
ぜんそくの発作は、炎症を起こして敏感になっている気管支が刺激されることで起こります。発作を防ぐためには、発作の原因を遠ざけることが大切です。
アトピー型の場合、ダニやハウスダスト、ペットの毛などがアレルゲン(アレルギーの原因物質)であることが多いようです。アトピー型以外にも共通するものとしては、かぜなどの感染症や運動、急な気温の変化、空気の汚れなどがあります。気管支の炎症を改善していくためには、薬を正しく使うことに加え、発作を防ぐ工夫を続けることも大切です。
ホームケア
激しい発作を起こした場合は病院へ
病院で処方される薬を正しく使い、症状をコントロールすることが大切です。発作を起こしたときは、寝かせるとかえって呼吸がしにくくなります。すわらせて体を支え、上体を起こした姿勢を保ちましょう。ゆっくりと腹式呼吸をさせ、飲めるようなら少しずつ水分補給を。
処方された薬がある場合は、薬を飲んだり吸入したりしたうえで、そばを離れずに様子を見守ります。激しい発作を起こした場合の受診の目安を下に示します。
受診の目安
ぜん鳴、せき込み
→すわらせて体を支えたり枕などを使って上体を高くする。改善しなければ病院へ
ぜん鳴、せき込みに加え、息を吸うときに胸がへこむ など
→すぐに病院へ
唇が紫色、呼吸が苦しく話ができない、呼びかけても反応がない など
→救急車で病院へ
ドクターより
アスリートにも、ぜんそくの人は多くいます。時間はかかりますが、きちんと治療すれば、十分に症状をコントロールしていくことができる病気です。
文/野口久美子 イラスト/河合美波
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