春を感じに出かけよう【園庭・公園で遊ぼう】
新年度が始まる春は、自然遊びをするのには最適の季節です。芽吹きのエネルギーがたくさん詰まっている自然の世界へ、元気な子どもたちを連れてお散歩に出かけてみましょう!
目次
歩こう! つかもう! さわってみよう!
「木登りやことばが難しいから乳児に自然遊びは難しい……」と敬遠されがちですが、実は乳児こそ自然から多くの刺激を受け、成長につながりやすい年代なので自然遊びの導入に最適なのです。
0歳児は首が安定すればすわった範囲だけでも自然遊びができますし、歩けるようになればその世界と学びの幅は大きく広がります。
春は寒暖さまざまな風が吹き、色とりどりの花が咲き、生き物が動き始め、常に五感を刺激してくれます。これからの成長のきっかけに歩いて、つかんで、さわって、興味のままに自然遊びをしてみましょう。
歩いてみる
平らに見えても小石や草など小さな起伏が連続する自然の地面は、ボディーバランスを整え、足裏感覚を育ててくれます。
むしる
乳児にとって「むしる」遊びは、楽しいうえに成長過程でとても大切な動作です。いろいろな植物の「むしり具合」を体感してみよう。
集めてみる
むしる遊びの延長で、「集める」遊びもしてみましょう。集めたものを持つことや量の変化は乳児をたくさん刺激してくれます。
春の草花で遊ぼう
春の草花はかたさや色、高さや形がさまざまで、さわっても見ても乳児にたくさんの刺激を与えてくれます。
0歳児なら寝転ぶだけでそのかたさや色を感じられるので、立派な自然遊びになります。
このころは手の指先でちぎる、引っぱる、振るなどの動作を通してさまざまなことを学んでいく時期に入ります。手の指を中心とした草花遊びをしてみましょう。
手の指を使った自然遊びをいくつか紹介しますが、これらを導入にして、乳児の興味の赴くままに遊び込みをして遊びをさらに進化させていくのがおすすめです。
花ごと摘み取る
花が大きく茎が柔らかい植物は、摘み取ったときの感覚が手に気持ちよい。特に茎の中が空洞のタンポポは独特の感触があります。
草ごとグーで握る
ひとつの植物でうぶ毛のある葉の大小があったりする植物は、握るだけでも感触が楽しい。ヒメオドリコソウはおすすめ。茎の断面が四角なのもおもしろい。
紙にこすりつける
指先が使える2歳児は、摘んだ花を紙にこすりつけてみよう。ジロボウエンゴグサは紙にきれいな紫色を出すことができます。
草を抜く
草を握って引っぱり抜くのはちょっとした達成感から止まらない遊びのひとつ。プチッと抜いた感覚が楽しいスギナがおすすめ。
振って音を鳴らす
植物の中には振ると小さな音が鳴るものがあります。春の七草でもあるナズナ(通称ペンペングサ)はその代表選手。
気をつけよう!
乳児の自然遊びは特に次の3つに気をつけましょう。
- 気温や風などからくる乳児の疲れ具合を常に確認する。
- 何でも口の中に入れて確かめる「口唇期」の乳児へのケア。
- 体のバランスが悪いので、自由に歩かせる場合は転倒時の手足や頭のケガ。
ナビゲーター
長谷部 雅一(はせべ・まさかず)
アウトドアプロデューサー。1977年生まれ。株式会社ビーコン代表取締役。丸1年をかけての世界一周の旅に出て、7000メートル級の山から先進国まで、自然と人、そして文化に触れる。幼児を対象に自然教育/体育のハイブリッド型教育「Nature Education」に力を入れている。著書は『ネイチャーエデュケーション』(みくに出版)、『子どもと楽しむ外遊び』(地球丸)ほか。
撮影/長谷部雅一
協力/学校法人正和学園 認定こども園 正和幼稚園、社会福祉法人 東香会 しぜんの国保育園
『新 幼児と保育 増刊』2018年春号より
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