生き物をつかまえる【園庭・公園で遊ぼう】

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生き物と出会って心が揺れ動く体験を
夏を前に、生き物たちは幼児と同様に魅力的かつ活発に成長しています。そんな生き物たちに出会い、触れ、観察をして、好奇心や探究心、生き物をいたわる心を育ててみてはいかがでしょうか?

一生懸命探して出会った瞬間の「ドキッ」という心が跳ね上がるような高揚感と、それを追って走り回るときの集中の時間は、何ものにも代えがたい経験になります。また、捕まえた生き物をじっくり観察すれば、新しい発見が必ず待っています。

どんな小さな公園でも、草花がある場所なら必ず生き物に出会えますから、捕虫網と虫かごを持って出かけてみましょう。

生き物を探していると気づけば汗だく…。実はお散歩以上に運動をしていることも。
捕獲後、虫かごに入れるまでが真剣勝負の時間。
ニホントカゲをたくさん捕まえた子どもたち。しばらく観察をして1 匹ずつ性格が違うことを発見。

その1 自分たちで見つけてみよう

まずは生き物を見つけたい! しかし見つかるまでただ探すだけでは、子どもたちにとっては苦行になりかねません。

そこで、「かくれんぼ好き」「お花が好き」など、子どもたちが想像しやすいテーマを設定して探してみるのがおすすめです。子どもたちは想像力をフルに使って答えを探すでしょう。

探すポイントは「空」と「草むら」のふたつ。これを知ればきっと見つけられるはず。

クモは嫌われがちだが、自分で見つけると興味を持つことも。
カマキリの目はいつもこちらを見ているよう。
  1. 空を見る
    空を広く眺めると見つけやすい。どこかにとまるまで目を離さないでじっと見守ろう。
  2. 草むらの中を見る
    生け垣やその周辺の草地が狙い目。草むらを足や捕虫網ですくってみよう。

その2 持ってみよう

捕まえた生き物はぜひ手で持ってみてほしい。ただし、無理矢理持たせてしまうと生き物が嫌いになってしまうこともあります。

はじめはケース越しによく観察して、次は先生や友達が持った生き物に指でタッチしてみよう。

そうすることで、生き物に対する怖さよりも興味が上回り、「持ってみたい」という気持ちが湧いてくることがあります。

羽のある生き物はチョキで

トンボは4 枚の羽をまとめて「チョキ」で挟むのがコツ。
チョウは鱗粉がとれないように慎重に挟もう。

その3 遊びを入れてアクティブに

生き物探しの際に、ちょっとした遊びを入れましょう。生き物ごとの得点表をつくってチーム戦にしたり、「wanted」の張り紙を作って見せると、よりいっそう楽しく、アクティブな遊びに変わります。

また、遊びを通じて社会性を育むこともできます。

気をつけよう!
一見、運動量が少ない遊びに見えますが、汗をかくほどたくさん体を動かしています。水分補給と体温調節をしっかりしてあげましょう。
また、子どもと生き物との距離を縮めるきっかけ作りはじっくりと。焦りは禁物です。

ナビゲーター

長谷部 雅一(はせべ・まさかず)

アウトドアプロデューサー。1977年生まれ。株式会社ビーコン代表取締役。丸1年をかけての世界一周の旅に出て、7000メートル級の山から先進国まで、自然と人、そして文化に触れる。幼児を対象に自然教育/体育のハイブリッド型教育「Nature Education」に力を入れている。著書は『ネイチャーエデュケーション』(みくに出版)、『子どもと楽しむ外遊び』(地球丸)ほか。

協力:認定こども園清水こども園・成瀬くりの家保育園

『新 幼児と保育』2018年6/7号より

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