フィンガーペインティングにチャレンジ!【0・1・2歳児の造形遊び #1】

絵の具遊び・砂場遊び・紙遊びをテーマに0・1・2歳児の造形遊びを集中連載で紹介します。1回目は、初めての絵の具遊びとしてフィンガーペインティングを取り上げます。

指導

田代耕司


造形作家

岡山県で中学校の美術教諭を経験。上京後、出版社に勤務し、幼児・保育者向け出版物を編集。教材・玩具類の企画開発を行うかたわら、紙を素材にした造形作品を展覧会・各種出版物などで発表。道灌山保育福祉専門学校講師を経て、保育者・親子を対象に全国で造形実技指導を行っている。

初めての絵の具遊び

0・1・2歳児は手を使って素材に触れ、体を動かして「直接体験」をすることが最も重要です。自分の手で直接絵の具に触れる「フィンガーペインティング」は、低年齢の子どもが行うはじめての絵の具遊びに最適です。子どもたちは、おそるおそる絵の具に触れ始めますが、少し時間がたつと手の汚れなどまったく気にしないで、どんどん自分から進んで活動するようになります。自分の手で触れる体験がさまざまな活動の始まりになることを感じとることができるでしょう。

用意するもの

  • 絵の具(水性絵の具、ポスターカラーなど)
    *撮影では、ポスターカラーを使用しましたが、専用の「ゆびえのぐ」もあります。
  • 霧吹き(アイロンかけ用のもの)…絵の具に水分を与える
  • 固形石けん…透明シートと絵の具をなじみやすくする
  • ブルーシート…床の汚れを防ぐ
  • 保育用テーブル…作業しやすい高さのもの
  • 透明シート(白いビニールシートやゴミ袋などでも可)…ホームセンターなどで購入
  • 粘着テープ…シートを固定する
  • バケツ…手洗い用
  • 雑巾
  • 画用紙(上質紙でも可)…転写用
  • 模造紙…共同製作用

準備

透明シートを霧吹きで湿らせ、石けんをこすって塗っておきます。こうすることで、透明シートと絵の具がなじみやすくなります。活動中も、絵の具が乾いてきたら霧吹きで水分を加えます。また、木目や色のついたテーブルを使うときは、テーブルの天板と透明シートの間に白い模造紙をはさむと、絵の具の色が見えやすくなります。

注意点

活動後に手を洗っても、完全に汚れがとれるには時間がかかることなどを、あらかじめ保護者に連絡しておきましょう。

服装
汚れる可能性があるのでスモックなどを着る。

安全
絵の具のついた手で目をこすったり、口に入れたりしない。

衛生
活動終了後は手洗い、服装のチェックを念入りにする。

基礎能力と社会性自発性を育む

造形活動は、表現の基礎能力を育むことはもちろんですが、その展開のプロセスには、保育指針に示されたすべての領域にかかわる多くの要素が含まれています。

「フィンガーペインティング」では、絵の具に指先で触れる、腕を大きく動かして絵の具を広げる、絵の具のついた手のひらを見る、指先を使って線や形を描く、絵の具のついた手を紙に押すなど、子どもたちはさまざまな活動をすることができます。これらの活動は、手指を使った運動能力「巧緻性」を育むことや、集中力を高める、基本的な感覚を刺激し本能的な行動を促す、目的意識を育むことなどにつながります。また活動の前後の準備や後片づけにかかわることで、さまざまな活動をする際の約束を経験します。

年齢に合った活動を

フィンガーペインティングは、0~6歳児まで幅広く展開することができます。成長段階によって実施する内容を調整して活動するようにしましょう。ここでは、活動の結果を記録するアイデアもあわせて紹介します。

0歳児

背の低いテーブルか床で行うようにします。初めてのときは、絵の具に触れること自体が大きなチャレンジ。急がせることなく、活動をしっかりサポートしましょう。慣れてきたら、できるだけ大きく腕を動かすように促すといいでしょう。

記録
手形・足形の「モビール」

子どもの手形・足形をスタンプ。保育者が切り抜き、ひもでつなぎます。親子の活動にも、おすすめです。

1歳児

かなり自由に手指を動かすことができ、言葉の理解もできるようになってきます。保育者が声がけをしながら、手指をいろいろに動かして活動を楽しみましょう。指で線を描く「線遊び」にもチャレンジしましょう。

記録
先生とみんなの大きさ比べ

保育者が手形を押し、そのまわりに子どもたちが手形を押します。

記録
線遊びの転写

手で描いた線を紙をかぶせて転写します。紙をはがす作業にもチャレンジすると、喜びが倍増します。

2歳児

言葉の理解も深まり、自分で判断することもできるようになってきます。手形のスタンプは、型を使って色分けにチャレンジ。みんなでひとつの作品を仕上げてみましょう。

記録
模造紙に共同製作

模造紙の上に、型抜きしたもう1枚の模造紙をかぶせ、ずれないように粘着テープで固定します。子どもたちに手形をスタンプしてもらい、みんなでゆっくりはがして完成。

保育者のお手伝いにもチレンジ

遊びの前の準備や遊んだあとの片づけも保育者と一緒に取り組みましょう。作業のプロセスを体験することは、自主性の芽生えにもつながります。

写真(上)汚れた雑巾を、バケツの水で洗う。(右)ブルーシートを広げて、絵の具遊びの準備。(左)活動後は、雑巾でテーブルをきれいに。

文/田辺泰彦
企画協力/落合英男撮影
撮影協力/こひつじ保育園(東京・町田)
写真/茶山 浩

『新 幼児と保育 増刊』2019年春号より

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