遊びを見守る?介入する?【青くんの[保育のお悩み相談室]#1】
保育をしていて迷うこと、困ることってたくさんありますよね。
そんなお悩みに、青山誠さんが、青くんなりの考えでアドバイス!
今回のテーマは、「遊びを見守る?介入する?」です。
青山誠さん
幼稚園勤務を経て、りんごの木子どもクラブで10年間保育を経験したのち、2019年より上町しぜんの国保育園に勤務。本誌『新 幼児と保育』では「青くん版 保育 きほんのき」を連載中!
目次
子どもたちの遊びに、保育者はどうかかわったらいいの?
【保育のお悩み】
「子どもたちが遊んでいるとき、保育者は引いて遊びを見守ったほうがいいのか、遊びに介入したほうがいいのか、その見極めがわからず迷います。どんなふうに考えて、遊びにかかわったらいいの?」
保育の矛盾と塩梅について
保育って、「矛盾したことに取り組まなくちゃいけないような気分になるとき」ってありますよね。遊びなんてその代表的なもの。だって、遊ぶのは子どもたちなんだし、それが「主体性を育む」なんて言われると、じゃあ「おとなの役割や出番ってどこまで、どうなんだよう…」と考え込んでしまいますよね。たぶん質問者さんは保育のかかわりにおける「塩梅」をよく心得た方なんだろうなと思います。塩梅って、塩加減です。それって舌で感じる味覚でしかとらえきれない。でも「うまい!」とか、「物足りない!」とかって絶対的なもの。保育のかかわりにもそんな「塩梅」がある気がするんですよね。遊びにはかかわらないとか、ずっと遊びをリードするとか、どちらかには決めきれませんよね。
「遊びを見守る」って自転車の練習に似ているかも
!さらに、ぼくならこう考えます
ちょっと突飛なようなのですが、「自転車に初めて乗るときの練習」を思い出してほしいのですが、最初は誰かが後ろについて支えてあげて、バランスがとれるようになったら、こっそり手を離して、いつのまにかその人だけで乗れるようになっている、そんなんだったと思うんです。
遊びへの介入も、それに似ていて、最初から「さあ遊んでいいよ」と放っておいても盛り上がらないし、いつまでも保育者がリードをとっていては、遊びが子どもたちのものにならないと思うんですよね。保育者も最初はリードしていても、だんだん遊びが子どもたちだけで成り立ってきたら、じわじわと引いていく。その引きどきってじゃあどうしてわかるかというと、自転車の練習と同じで、「いっしょに走っているからこそわかる」わけです。いっしょに走っているからこそ、あ、バランスとりだしたな、ということが支えている手を通して伝わってくるわけです。遊びも同じで、まずは子どもたちといっしょにがっつり遊び込むと、「いま、そろそろ引いても、この子たちだけでも遊んいけるな」というのがわかるわけです。保育に「塩梅があること」を心得ている質問者さんなら、まずは、なにも心配せずにがっつり子どもと遊んでだいじょうぶ! と思います。
文/青山 誠 イラスト/ナガタ ヨシコ
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