子どもといるとき 声や雰囲気に緩急をどうつける?【青くんの[保育のお悩み相談室]#6】

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青くんの [保育のお悩み相談室]
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社会福祉法人東香会理事

青山誠

保育をしていて迷うこと、困ることってたくさんありますよね。

子どもといるとき、つい声かけが多くなってしまったり、その場の雰囲気に合わせられていないかも…と感じてしまうことってありませんか?

今回はそんなお悩みに、青山誠さんが、青くんなりの考えでアドバイス! 

青山誠さん

幼稚園勤務を経て、りんごの木子どもクラブで10年間保育を経験したのち、2019年より社会福祉法人東香会 上町しぜんの国保育園で園長を務める。2023年より同法人理事に就任。本誌『新 幼児と保育』では「青くん版 保育 きほんのき」を連載中!

保育中、ふと「自分の声うるさいな~」と思うときが…

保育のお悩み】

保育中、ふと「自分の声うるさいな〜」と思うときがあります。

特に1歳児とか小さい年齢の人といるときの空気や雰囲気の緩急のつけ方(そもそもつけるのがいいのか)がわかりません。

子どもの時間と大人の時間の行き来を求められる難しさ

子どもと大人とでは、流れている時間が違うんじゃないか、と思うことがよくあります。目には見えなくても、かかわっているときに「あれ?」と、そのずれを感じます。

保育者という仕事が難しいのは、子どもの時間と、大人の時間、「ふた通りの時間を行き来しながら生きる」ことが求められるからですよね。子どもの心に触れるためには子どもが生きている時間の内側に入らないといけない。でも同時に、大人の時間を忘れることもできないわけです。保育って、どうしたってその次の展開(散歩に出る準備だったり、ごはんの支度だったり、お迎えへの対応だったり)にも備えなければならないからです。

「ああ」「へー」「ほー」「ふーん」だけでやってみる

!さらに、ぼくならこう考えます

だからそのときどき、子どもの時間の内側に入るために切り替えなくちゃいけないのですが、それがなかなか難しい。自分がうるさいなぁと思うとき、ぼくは保育を4つの言葉だけでやってみることにしています。「ああ」「へー」「ほー」「ふーん」の4つ。これってなにをやっているかというと、「1秒を間延びさせる」んだと思います。言葉って、大人が普通にしゃべると1秒に5文字しゃべれます。「ありがとう」が1秒。「オムライス」が1秒。「砂遊び」が1秒です。子どもの1秒はなんだか大人よりずいぶん長い気がするのです。じっとなにかを見つめてるとき、んー…となにかを考えてるとき、流れる水をひたすら触っているとき。だから、ぼくらが子どもの時間の内側に入るためには、1秒を間延びさせなくちゃいけないのかなって。そんなときには、ぼくは「ああ」「へー」「ほー」「ふーん」を使いながら、なんとか時間を切り替えています。

文/青山 誠 イラスト/ナガタ ヨシコ

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「うたげ」は、多様な保育現場の方々といろいろなテーマで対話を紡いでいきます。「初心」は、保育や子どもにかかわることの初心を問い、探求していきます。

保育をめぐる「うたげ」にどうぞご参加ください。そして、子どもとともにあることの「初心」をいっしょに探求しましょう。

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