キーワードから探る保育の奥深さ《第10講》テーマ:保育のアセスメント(講師:汐見稔幸)セミナー映像〈約50分〉
汐見稔幸先生による全12回のオンライン講座です。各回ごとのキーワードを入り口に、保育者として理解しておきたい保育の根本を探ります。第10講のキーワードは「保育のアセスメント」です。
保育に携わる皆さん、日々の実践の中で「評価」について考えたことはありますか? 子どもの育ちを見守り、援助していく私たちの営みを、どのように捉え、改善していけばよいのでしょうか。
汐見稔幸先生による連続講演、第10回のテーマは「保育のアセスメント」です。この講演では、評価という言葉では捉えきれない、保育における「アセスメント」の重要性について語られます。
まず従来の評価の方法とその課題について指摘されます。チェック項目方式では、保育者の保育のあり方に評価が集中しがちで、子ども一人ひとりの育ちのプロセスが見えにくくなってしまう。そこで汐見先生が提案するのが、ニュージーランドのマーガレット・カー氏が提唱する「学びの物語アプローチ」によるアセスメントです。
後半では、日本の保育現場でアセスメントを実践していくためのヒントが示されます。
汐見先生の語りは、保育の可能性を広げ、私たち保育者の専門性を高めていくための示唆に満ちています。「評価」の枠を超えた「アセスメント」という営みを通して、子ども一人ひとりの育ちに寄り添い、そのプロセスを丁寧に捉えていく。そうすることで、保育の質は着実に高まっていくのです。
汐見先生のこの講演は、保育の「アセスメント」についてもっと理解を深めていくための素晴らしい入り口になるはずです。子どもの無限の可能性を引き出すために、私たち保育者ができることは何か。今一度、原点に立ち返って考えてみるチャンスです。ぜひ、この講演を通して、保育の新たな地平を切り拓いていってください。
※2022年6月17日に行った「小学館せんせいゼミナール」オンラインセミナーの録画より、前半の講義部分を切り出して構成しました。このセミナーの内容は書籍『新時代の保育のキーワード』(小学館刊)でもお読みいただけます。
お話のトピック
- アセスメントとは何か
- 保育にアセスメントが必要な理由
- 従来のアセスメント方法とその課題
- 新たなアセスメントの提案:学びの物語アプローチ
- 学びの物語アプローチの9つのガイドライン
- 日本の保育現場での実践に向けて
- アセスメントを通した保育の質の向上
講師:汐見稔幸(しおみ・としゆき)
1947年大阪府生まれ。東京大学名誉教授、元白梅学園大学及び白梅学園短期大学学長。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。
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