キーワードから探る保育の奥深さ《第11講》テーマ:保育と貧困問題(講師:汐見稔幸)セミナー映像〈約50分〉

汐見稔幸先生による全12回のオンライン講座です。各回ごとのキーワードを入り口に、保育者として理解しておきたい保育の根本を探ります。第11講のテーマは「保育と貧困問題」です。

保育に携わる皆さん、子どもの貧困問題について考えたことはありますか? 汐見先生いわく、経済的な貧しさだけでなく、子どもの育ちに必要な文化体験や愛情が欠けている状態もまた、貧困なのです。

汐見稔幸先生による連続講演、第11回のテーマは「保育と貧困問題」。この講演では、SDGsの根底にある貧困問題の重要性から話が始まります。そして、貧困と貧乏の違いを明確にした上で、現代の子どもの貧困の様相に迫ります。

汐見先生は、家庭での貧困を園での豊かな経験で補うことの重要性を説きます。一人ひとりの子どもに寄り添い、その子に必要な文化的体験を丁寧に提供すること。子どもの興味・関心を大切にし、それを深められるような環境を用意すること。保育者の役割の大きさを、改めて実感させられるはずです。

さらに、汐見先生は「文化としての保育環境」という視点を提供します。単にモノを置くだけでなく、子どもの好奇心を刺激し、挑戦を促すような環境づくりの大切さ。絵本やおもちゃを借りられるようにするなど、家庭での文化的環境を豊かにする工夫の必要性。保育環境を見つめ直すきっかけになるに違いありません。

子どもの貧困問題は、保育に携わる私たち一人ひとりの問題です。この講演は、貧困の連鎖を断ち切り、全ての子どもが健やかに育つ社会を作るための、保育の使命を再確認する機会となるはずです。

汐見先生の言葉に耳を傾け、子どもの貧困問題と真摯に向き合ってみませんか。保育の可能性を信じ、一歩一歩、前に進んでいく勇気をもらえるはずです。

※2022年6月17日に行った「小学館せんせいゼミナール」オンラインセミナーの録画より、前半の講義部分を切り出して構成しました。このセミナーの内容は書籍『新時代の保育のキーワード』(小学館刊)でもお読みいただけます。

お話のトピック

  • SDGsと貧困問題
  • 貧困と貧乏の違い
  • 子どもの貧困の様相
  • 生活体験の貧困と知ること
  • 保育の役割
  • 文化としての保育環境
  • 子育て支援と保育者
  • つながりの貧困と支援

講師:汐見稔幸(しおみ・としゆき)
1947年大阪府生まれ。東京大学名誉教授、元白梅学園大学及び白梅学園短期大学学長。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。

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