幼稚園5歳児|8月の指導計画(月案)2022年度版 ※ダウンロード可

特集
新 幼児と保育《年齢別・月別》指導計画

夏休みの8月は、「10の姿」につながる取り組みとして、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見つめるための現場での実践をご紹介します。

※PDFデータは小学館の保育専門誌『新 幼児と保育』2022年夏号ふろく「2022年度版 指導計画」と同内容です(園児の写真は除く)。PDFデータのダウンロードをご利用の際は小学館IDでのログインが必要です。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に向けた取り組み

〜つながりと積み重ねを意識した取り組み〜

 本園の園内研究では、『遊びや生活を豊かにするための身近な自然環境の生かし方』をテーマとし、自然とのかかわりの中で、子どもの発見や興味がいろいろな遊びや活動につながっていく過程を読み取る援助のあり方を探っています。【遊びを豊かにする取り組み】と【興味を広げる取り組み】の2つの視点を設け、それらが相互に関連しながら遊びが豊かになっていく様子について実践を通して明らかにし、経験のつながりと積み重ねを踏まえたうえで、発達に即した保育を行うことにつなげています。まさにその保育の根底に、「10の視点」からとらえた子どもの姿に対する援助があります。

【遊びを豊かにする取り組み】

遊びが発展していく様子や、幼児の関心をもとに活動が広がっていく様子など、幼児の姿から定期的に事例を作成し、園内研究会で検討しています。

事例(7月)「カブトムシが出てきた!」

年中組のころから飼育しているカブトムシの幼虫が、雌の成虫になって土から出てきた。その日から子どもたちは、雄のカブトムシが出てくることを楽しみにして、毎日飼育ケースをのぞいていた。1週間後、雄のカブトムシが土から出てきていることをA児が発見し、「雄のカブトムシが出てきたよ!」と近くにいた友達や保育者に知らせた。B児、C児が飼育ケースに駆け寄り、「ほんとだ!」と中をのぞき込む。保育者もカブトムシを見て、「本当だね。いつ出てきたのかな」と話す。D児は「みんなが寝ている間だと思う」と答える。

まわりにいた友達も興味を持って集まってきたので、見やすいように保育者が飼育ケースをテーブルに移動させると、飼育ケースを囲んで近くでよく見ている。B児は「雄は雌より大きいし、元気だね」といい、D児は「どうして雌はいつもひっくり返ってるのかな」、A児は「えさをあげなくちゃ」など、友達と思ったことを口々に話している。その後も学級の子どもたちはカブトムシの飼育ケースの近くを通るたびに中をのぞき込み、カブトムシの様子を観察している。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」

【協同性】【思考力の芽生え】【言葉による伝え合い】
・発見したことを友達に伝え、喜びを共有する。
・カブトムシの羽化や飼育の場面で、自分の知っていることや気づいたことを話す。
・友達の話を聴いて考えを取り入れたり、一緒に調べたりしながら遊びや活動を進めていく。

【自然との関わり・生命尊重】
・カブトムシの羽化を喜び、日々の変化を観察しながら成長を見守る。
・カブトムシをよく観察し、体の仕組みを知る。
・飼育ケースの中の環境を整えたり、えさをあげたりするなど、カブトムシを大切にしながら世話をする。

【豊かな感性と表現】
・感じたことや考えたことを製作活動に取り入れたり、表現遊びに生かしたりする。

【興味を広げる取り組み】

幼児の興味をもとに、経験の幅を広げて遊びを豊かにすることにつながる活動を、意図的かつ計画的に取り入れています。 

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」

【健康な心と体】
・栽培活動を通して食への関心を高め、自分の体を作る食べ物や栄養についての知識を持つ。

【自立心】
・栽培物の世話の当番やグループでの活動など、学級の課題を自分のこととしてとらえ、自分の役割を意識しながら取り組んでいく。

【協同性】 
・自然物を遊びや活動に取り入れ、考えを出し合いながら一緒に進めていくことを楽しむ。

【道徳性・規範意識の芽生え】
・活動を進める中で、必要に応じて学級のみんなで決めたきまりを理解し、自分の気持ちを調整したり、友達の思いと折り合いをつけたりしながら、一緒に取り組んでいく。

【社会生活との関わり】
・地域の植物園に親子で自然観察に行き、外部講師の話を聴きながら自然に触れる中で、自然への関心を高めたり、得た知識を園での遊びに生かしたりする。

【思考力の芽生え】 
・植物の名前や花が咲く時期、匂いや特徴など、自然物について知り、知識を増やす。
・園内の植物にさらなる興味を持って調べたり、遊びに取り入れたりする。

【自然との関わり・生命尊重】
・栽培活動を通して、植物が育っていく過程を知ったり、大切に育てようとする気持ちを持ったりする。
・生き物を飼育することを通して、命を大切にする気持ちを持つ。

【数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚】
・栽培物の生長をみんなで楽しみにすることができるよう、絵や文字を使って表示を作る。
・収穫物の量や数、数え方に関心を持ち、数に対する感覚を高める。

【言葉による伝え合い】
・発見したことを学級のみんなに伝えたり、わからないことや不思議に思ったことを友達に話し、友達の考えを聴いたり自分の考えを話したりすることで、考えを深めていく。

【豊かな感性と表現】
・木の幹や葉の形、厚さ、表面の感触が異なることや美しさに気づく。
・収穫物の絵を描いたり、自然物に触れる中で、感じたことや考えたことを言葉や動き、音などで表現したりする。

▼ダウンロードすると、以下のくわしい内容をご覧いただけます!

・飼育、製作や子どもたちの反応や様子
・〈学級全体での活動の中で〉 
・ 〈行事を通した取り組み〉 
…ほか


指導計画PDFダウンロード


協力/文京区立本駒込幼稚園(東京・文京区)

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