キノコ栽培キットで収穫の秋を楽しむ【プランターで手軽に栽培 育てて食べよう! #4】
秋の味覚の代表格といえばキノコ。ですが……子どもの嫌いな食材の代表格でもあります。そんなときは、キノコ栽培のキットを使って実際に育ててみましょう! 何もないところからニョキニョキっと現れるキノコに子どもたちは興味津々。自分が育てた! という経験こそが、進んで食べるきっかけになります。
教えてくれる人
中村陽一 先生
秋草学園短期大学教授。専門は植物資源学、環境教育。保育所における飼育・栽培活動や自然験活動を実践、研究している。共書に『コンパス保育内容 環境』(建帛社)など。
目次
菌類の不思議を体感するキノコ栽培で子どもの苦手を克服!
どんなに苦手な食べ物でも、自ら育てることで興味がわき、楽しさも膨らみます。
「キノコなどの菌類は、野菜とは異なり、独特のおもしろさがあります。菌床から次々にキノコが生えてくるおもしろさ、不思議とりこさに子どもたちはすっかり虜になっていました」
と、中村陽一先生。キノコの代表といえば、シイタケ。原木に菌を打ち込んで栽培する方法もありますが、手間も時間もかかります。最近は誰でも簡単に育てられる菌床のブロックが販売されており、水やりするだけで短期間で収穫することができます。
「トマトやキュウリなどの野菜と違って、土も使わなければ、太陽にも当てない。この不思議な生き物に、子どもたちは毎日毎日興味津々で、熱心に覗いていました」
芽が出てから大きくなるまで3日程度と、生長が驚くほど早い!1週間ほどで30個以上収穫できました。栽培は10月以降、5月ごろまで楽しめます。しかも同じ菌床でも、収穫が終わったら、2週間ほど休ませると、再び発芽が始まります。
「一番大きいシイタケは誰が採るか、子どもたちがジャンケンして決めていました。また、菌を打ち込んで1年以上寝かせ、すぐにシイタケが出るようにした原木も売られています。園の日の当たらないところに置いて毎日水をやり、みんなで時間をかけて育てる楽しさもあります」
キノコの育て方
シイタケの場合、栽培ブロックの表面を水で濡らし、ビニール袋や専用容器に入れて、直射日光の当たらない場所に置きます。水やりは1日1~2回、霧吹きで表面を湿らせるだけ。ニョキニョキと芽が出て育ちます。ほかにナメコやエリンギ、ブナシメジもありますが、付属の赤玉土を加える以外は、ほとんどシイタケと同様に育てられます。大きくなったら、はさみで切って収穫!上手に育てれば2巡目、3巡目も可能です。
1日目
栽培ブロックを水でサッと洗い、ビニール袋や専用の栽培容器などに入れ、直射日光の当たらない場所に置いておく。30分ほど水につけておくと発生しやすくなる。
3日目
2日しかたっていないのに、菌が埋め込まれた部分から小さなシイタケの芽が出現(!?)。予想外の生長速度にみんな驚かされる。
7日目
菌床にギッシリと生えたシイタケ。芽が親指の先くらいの大きさのときに間引くと、ひとつひとつが大きなシイタケになる。
8日目
かさの裏側にヒダが見えたら収穫の合図。また、かさの縁が内側に巻いているものがベスト。大きいもので直径5㎝ほどに。
ひとつずつはさみで切って収穫。塩焼きにすると香りがよくて美味!しばらくしたら、2巡目に挑戦。
column ほかのキノコも育ててみました
シイタケが成功したので、ナメコ、ブナシメジ、エリンギにも挑戦。シイタケよりも発芽までに時間がかかりましたが、見事に収穫!小さく切って、味噌汁に入れていただきました。
構成/大石裕美
協力/泉町保育園(埼玉・所沢市)
『新 幼児と保育』2019年10/11月号より
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