野菜の赤ちゃん、スプラウトの水耕栽培【プランターで手軽に栽培 育てて食べよう! #5】
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スーパーなどの野菜売り場で見かける“スプラウト”。植物の発芽直後の新芽のことで、じつは、誰でも簡単に育てることができます。種まきから収穫まで1週間ほどで楽しめるので、いろいろなスプラウトの種を育ててみましょう。小さなスプラウトには、栄養がギュッと凝縮されています。
教えてくれる人
![中村陽一](https://hoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2023/01/a9a8b192bebde77b071d5284b571b84d-478x500.jpg)
中村陽一 先生
秋草学園短期大学教授。専門は植物資源学、環境教育。保育所における飼育・栽培活動や自然験活動を実践、研究している。共書に『コンパス保育内容 環境』(建帛社)。
目次
冬でも育てられる水耕栽培で植物の彩りと生長を楽しもう!
木々も葉を落とし、落ち葉の絨毯が広がり、あたりはすっかり冬景色。気温も下がり植物を育てるのには不向きですが、そんなとき、室内で楽しめるのが、スプラウトの水耕栽培です。
スプラウトは発芽野菜のことで、カイワレダイコンや、モヤシも同じ仲間です。まさに植物の赤ちゃんで、大きく生長するために必要な栄養やパワーをたくさん蓄えている状態なので、親野菜よりも栄養価が高いのです。そんな“天然のサプリメント”とも呼ばれる野菜ですが、育て方はいたって簡単。今回は3歳児クラスで育ててみることに。
「カイワレダイコン、食べたことある人!」
中村陽一先生の問いかけに、
「はーい」
と、ほとんどの園児が元気に手を挙げます。数種類の種を見せると、
「ちいちゃいね」「いろんな大きさだね」「色は違うねーー!」
と、みんな興味津々。これをスポンジにまき、乾燥しないように霧吹きで水やりします。すると、2日後には芽が出て1週間後には収穫できるほどの大きさに生長。1本ずつ手で摘み取って味見をしてみました。
「芽が伸びていることに、みんなびっくり。種類によって長さが違うことにも気づいていましたね。数種類まいた中には、失敗してあまり育たないものもありました。でも植物を育てることに失敗はつきもの。これを手本に、子どもたちと相談しながら、くり返し取り組むことが大切です」
スプラウトの育て方
同じスプラウトにも種類があります。今回は、収穫まで暗室で育てるモヤシタイプではなく、光に当てて育てるカイワレダイコンやブロッコリーなどを選びました。まずは容器にキッチンペーパーやスポンジを敷き、その上に重ならないように種を均一に広げます。あとは1日1~2回、霧吹きで水を与えるだけ。芽が出たら、あっという間にニョキニョキ伸びます。双葉がきれいな緑色になったら、お待ちかねの収穫時期です!
種と道具
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やや深めで、口が広い容器と、水を吸わせて根をはわせるためのスポンジを用意。スポンジのかわりにキッチンペーパーを数枚重ねたものでも OK。種は園芸店で購入可能。今回はカイワレダイコン、ブロッコリー、マスタード、レッドキャベツ、豆苗、白ゴマに挑戦。
1日目
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種をひと晩水につけてじっくり吸水させたら、容器の底にスポンジを敷き、種をまく。霧吹きで順番にみんなで水やり。すでに種が割れて芽が出始めたものも!
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2日目
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翌日には種から小さな芽が一斉に出始めた。レッドキャベツ、豆苗、白ゴマには変化が見られない。
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6日目
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カイワレダイコン、ブロッコリー、マスタードはすくすくと生長。2日遅れぐらいでレッドキャベツも発芽し、ようやく豆苗からも芽が伸びてきた。白ゴマはいまだ発芽せず。
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7日目
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双葉が開いて、きれいな緑色になったら、収穫時期。スプラウトの根元をはさみで切って食べる分だけ収穫!
こんなふうに食べました!
伸びた芽を1本ずつ摘み取って、まずは味見。ブロッコリー、レッドキャベツはあまり味がしないが、カイワレダイコンは「から~い!」「僕は平気!」などいろいろな反応。
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茹でたらから味が薄くなり、「おいしーい!」とみんな大満足。あっという間に完食!
構成/大石裕美
協力/泉町保育園(埼玉・所沢市)
『新 幼児と保育』2019年12/1月号より
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