[保育者]でいる。[私]でいる。どうバランスをとる?【青くんの[保育のお悩み相談室]#8】

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青くんの [保育のお悩み相談室]
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社会福祉法人東香会理事

青山誠

保育をしていて迷うこと、困ることってたくさんありますよね。

保育のプロとしての自分と、ありのままの自分。保育をしている中で、その意識のバランスに迷うことはありませんか? 

今回はそんなお悩みに、青山誠さんが、青くんなりの考えでアドバイス! 

青山誠さん

幼稚園勤務を経て、りんごの木子どもクラブで10年間保育を経験したのち、2019年より社会福祉法人東香会 上町しぜんの国保育園で園長を務める。2023年より同法人理事に就任。本誌『新 幼児と保育』では「青くん版 保育 きほんのき」を連載中!

プロ意識を持つ、ありのままの私でいる。そのバランスについて

保育のお悩み】

いま保育の場で「幸せ」とか「心動く」ときって、保育者的な意識を持っているときよりも、ごはんを食べていたり、ふと子どもと一緒にきれいな夕日を眺めたりと「私として」いるときが多くあります。もちろん保育者として大学で学ぶような知識は必要なんだと思いつつ、世間的にいう「保育者」というイメージ像や概念にどこかでとらわれてしまっているなぁとも思います。

バランスのとり方は人それぞれだと思いますが、保育者としてプロフェッショナルであるときと、「ありのまま」のフラットな心でいるとき、その意識のバランスのとり方が私自身上手でないな(100かゼロかのような…)と思うのです。

保育の「質」と「価値」で考えてみました

おそらく質問者さんが聞いていることは、保育の質と価値の話なのかなと思って読んでいました。

保育の質ということを話題にするなら、「よりよい〜」とか「〜すべき」「〜すべきではない」というような言葉がぼくらのなかでたくさん交わされることでしょう。一方、価値を話題にするなら「〜ってほんとうにおもしろかったよね」とか「あー、幸せ」とか、言葉にならない「!」や「?」を共有することになるでしょう。

こう整理してくると、ほんとうに質問者さんがいまちょっと悩んじゃっているのは「保育のなかで幸せになっていいのかしら」ということのようにも思えます。

「あー、幸せ!」が交わされる「価値」って、保育ではとても大切な約束

!さらに、ぼくならこう考えます

質と価値っていうと難しそうですが、ぼくにはそれは「種類の違う約束」のような気がします。

「〜すべき」「〜すべきでない」という言葉がたくさん交わされる「質」って、基本的には相手の顔や人柄が見えない間柄で交わされる「おっかなびっくりの約束」のような気がします。「ねえ、ひどいことしないよね?」みたいな。一方、「〜っておもしろかったねぇ」とか「あー、幸せ」という言葉が交わされる「価値」って、お互いに「また明日も一緒にこの幸せを感じられるようにしようね」という間柄で交わされる約束のような気がするんです。だから質問者さんは実はいま関係性の変化に立ち会っているような気がしました。そして保育はやっぱり、価値にいきたいですねぇ。

文/青山 誠 イラスト/ナガタ ヨシコ

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