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オタマジャクシカエルへの旅~五感で楽しむ春〈5月〉【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#17】

連載
ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!

プロ・ナチュラリスト

佐々木洋

プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物や草花を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。

今回は、5月ごろの池を元気に泳ぐ、オタマジャクシに注目します。

ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)

写真/PhotoAC

自然遊び:見る! オタマジャクシからカエルへ 

ささき隊長 こんにちは、ささき隊長です!

5月の池や水場を、ちょっとのぞいてみてください。

黒い小さな点が、うようよ泳いでいませんか?

そう、オタマジャクシ。カエルの赤ちゃんです。

丸い体に、くるくるしっぽを動かしながら、スイスイと泳いでいます。

あの姿を見た瞬間、子どもたちが走り寄ってくる気持ち、よくわかりますよね。

なんで「カエル」っていうの?|名前の由来を知ると、もっと好きになる

ところで、なぜ「カエル」という名前なのか、知っていますか?

カエルは大人になると、自分が生まれた場所

——オタマジャクシとして過ごした、あの池や水場——

に帰ってきて、卵を産むんです。

「帰る」から、カエル。

ささき隊長が得意とする、まさにダジャレですね(笑)。

しかも、A・B・C と池が3つあったとしたら、

Aの池で生まれたカエルは、ちゃんとAに帰ってくる。

そこで生まれた子がまたAに帰ってきて……と、代々命をつないでいくんです。

※名前の由来は諸説あります。

カエルが来る「かえるいけ」(練馬区立北大泉幼稚園)。

もし園庭に池などがない場合は、ぜひ小さな水場を作ってみてください。

園芸で使用する水槽を地中に埋めるだけ。ベビーバスなどでもOKです。

これだけで、立派なビオトープが完成! カエルが来てくれるといいですね。

5月のオタマジャクシの正体|アズマヒキガエルの赤ちゃん

ささき隊長が30年以上通って園庭マップいきもの作りをしている、東京都練馬区立北大泉幼稚園の池で泳いでいるのは、「アズマヒキガエル」のオタマジャクシです。

「アズマ」というのは「東」のこと。関東地方に多く見られるヒキガエルです。

このカエル、卵を産むのは3月ごろ。それから半月ほどかけてオタマジャクシになり、5月になるといよいよたくさん泳ぎ始めます。

撮影/佐々木 洋
撮影/佐々木 洋

後ろ足が先? 前足が先?|子どもたちの「あるある」間違い

さて、ここで問題です。 オタマジャクシがカエルに変わるとき、足はどちらが先に生えると思いますか?

正解は、後ろ足。 子どもたちは「前足(手)が先!」と言いがちなんですが、 実は、後ろ足が先に生えて、前足は後からなんです。

ちなみに「前足の手」と言いたくなりますが、 カエルに手はありません。 前も後ろも、全部「足」なんですよ。

「クラスで飼いたい!」ときのポイント|ささき隊長のアドバイス

5月になると、「オタマジャクシを飼いたい!」という声が出てきますよね。 ちょっとしたポイントを押さえると、ぐっと観察が楽しくなりますよ。

・卵のときは飼わない

 卵を移動させると切れてしまって、かわいそうなことになってしまいます。

・オタマジャクシが泳ぎ始めたら、さあ飼いどき!

 餌は煮干しなど、何でも食べてくれます。 水は、たまに替えるくらいで大丈夫。 水道水は塩素が入っているので、1~2日程度、くみおきしたものを使いましょう。

・カエルになったら、逃がしてあげる

小さなカエルになると、今度は生きた小虫が必要になります。 飼育がぐっと難しくなりますし、なにより生まれた場所に帰してあげたほうが、カエルにとって幸せですよね。

オタマジャクシから小さなカエルへの大変身。

その瞬間を目の前で見られるのが、5月の水場の醍醐味です。

園庭で育ったカエルが、またここに帰る(カエル)まで、みんなで自然観察を続けていこうね!

カエルQ&A ささき隊長の「質問ドンとコイ!」

Q (質問)

オタマジャクシからカエルになった瞬間、その大きさはどのくらいでしょうか?

A (回答)

アズマヒキガエルの場合、オタマジャクシから成長したばかりのカエルは、なんと大粒の納豆1粒くらいの大きさなんです。あんなに泳ぎ回っていたオタマジャクシが、こんなにちっちゃなカエルになるとは! 

でも、これはまだ「子ガエル」。カエルになってからも、そこから1〜3年かけてどんどん大きくなって、大人のカエルになっていくんですよ。

小さいうちはトカゲや鳥に食べられてしまうことも多くて、大人のカエルになるまでの道のりは、なかなか過酷なんです。

次回#18は、葉っぱに模様を描く自然界のアーティスト!

「ジカキムシ」に注目します。

文/神﨑典子 写真/佐々木 洋、神﨑典子、photoAC  

佐々木 洋ささき隊長)

ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

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