子どもとの信頼関係を作る【井桁容子先生に聞く 0・1・2歳児クラス担任の心得 #2】

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非営利団体コドモノミカタ代表理事

井桁容子

かわいい子どもたちと過ごせるのはうれしい!
そんな思いで乳児クラス担当になった方でも、実際に働いてみると難しさを感じる場面があるのではないでしょうか。

乳児と接する保育者には、幼児クラスの担任とは別の知識や心構えも必要です。
井桁容子先生に乳児保育の6つの心得を教えていただくシリーズ、第2回は「子どもとの信頼関係を作る」です。

(この記事は、『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2019春 に掲載されたものを元に再構成しました)

お話を聞いた人

井桁容子先生
非営利団体コドモノミカタ代表理事。0・1・2歳児の保育施設である東京家政大学ナースリールームにおいて、40年以上の勤務経験を持つ。「保育者も子どもと一緒に、あせらずゆっくり成長していきましょう」

乳児保育に必要な知識と経験【井桁容子先生に聞く 0・1・2歳児クラス担任の心得 #1】

心得4:子どもの行動の「なぜ?」を考えましょう

素直な気持ちで子どもを見ましょう!

保育者としてしっかり理解しておきたいのが、「赤ちゃんは未熟ではない」ということ。大人と同じ方法でコミュニケーションがとれないだけで、感じたり考えたりする力は十分に備えているのです。

だから、保育者など身近な大人の役割は、何かを「教える」ことではありません。子どもの能力を信じ、今の姿をそのまま認めて、子どもが育つ手助けをしていくことです。

子どもの行動には、すべて理由があります。保育者に求められるのは、子どもの言動をポジティブに受けとめ、「何がしたいのかな?」「どうしてかな?」と考えることです。

残念ながら、こうした姿勢は、経験を積むと薄れていきがちなもの。子どもの気持ちに素直に寄り添えるのは、初心者ならではの強みです。「今だから見えるもの」をしっかり見ておくことは、保育者としての成長に必ずつながります。

心得5:自分の達成感ではなく子どもの「安心」を目指しましょう

「安心・安全」が子どもを成長させる

保育とは、「保育者のしたいことを子どもにさせる」ことではありません。今、何をしたいのかは、子ども自身が知っています。ただし、子どもが能力を発揮するためには、「安心・安全」が必要です。

子どもの「安心・安全」のベースは、身近な大人への信頼です。この人は自分を愛し、守ってくれると確信できると、子どもはその人から離れ、自由に行動できるようになります。保育者が目指したいのは、信頼関係に基づいた「しがみつかない関係」なのです。

保育者の本当のスキルとは、子どもと信頼関係を築けることです。一日をふりかえるときは、「今日は失敗もなく、段取りよくできた!」などといった自分の達成感ではなく、子ども一人ひとりに焦点を合わせてみましょう。子どもたちはやりたいことに自分から取り組んでいましたか?安心した顔で過ごしていましたか? 

心得6:常に新しい気持ちで学び続けていきましょう

「わかったつもり」にならない!

乳児クラスの子どもたちは、自分の思いを言葉でうまく伝えることができません。そして言葉に頼れないからこそ、身近な大人の存在が大きな意味を持ちます。子どもが訴えかけたことをどう受けとめ、どう応えたか。生活の中でのこうした積み重ねが、子どもが自分の思いをのびのび表現するための言葉や、感情が豊かに育つための「辞書」をつくっていくからです。

子どもにとって安心の土台になるのは、「思いをわかってくれる人」。だから、保育者が何よりも優先したいのは、一人ひとりの「心地よさ」です。うまく食べさせる、ちゃんと寝かせる……。という作業効率より、それぞれの子が何を求めているのかを考え、誠実に応えていくことを心がけましょう。

そしてもうひとつ大切なのが、「わかったつもり」にならないこと。子どもも保育者自身も、変わり続けています。だから、学び続けてください。新任のときに抱いた「わかろうとし続ける」思いを忘れないこと。これは、保育者にとって永遠のテーマです。

構成/野口 久美子 写真提供/東京家政大学ナースリールーム

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