野菜の収穫とピザ作り【プランターで手軽に栽培 育てて食べよう! #3】
「大きくなったね」「いつ食べられるかな?」毎日大切に育てた野菜の収穫は、待ちに待った瞬間です。大きさが不揃いだったり、ちょっと虫に食われていても、問題なし。みんなで喜びを分かち合いましょう! そして、採れた野菜を使い料理作りにチャレンジ。子どもたちにものを作り出すことの大切さを伝えることができます。
教えてくれる人
中村陽一 先生
秋草学園短期大学教授。専門は植物資源学、環境教育。保育所における飼育・栽培活動や自然験活動を実践、研究している。共書に『コンパス保育内容 環境』(建帛社)。
目次
野菜に親しむ時間が長いほど自然に野菜が食べられるようになる
夏は野菜の収穫シーズン。毎日野菜を観察している子どもたちの顔に、日ごと笑顔が増えていきます。
「植物も生き物です。それぞれに個性があるので、一度にたくさん採れるわけではありません。収穫にはふたつあって、大きくなったものから順番に1本ずつ採っていくか、我慢してためておいて、みんなでワッと採る。せっかくだから、子どもたちとそんな収穫祭をやってみるのも楽しいですよ」と、中村陽一先生。それには、毎日ちゃんと観察していることが大切だとも。「大きくなったね」「いつ収穫しようか」「どうやって食べるといいかな」。こんなふうに日ごろから声かけし、子どもの期待を膨らませるための、注意喚起をするといいでしょう。
「自分で育てて収穫し、さらに調理まですると、子どもの意識は絶対的に変わります。ナス、ピーマン、ニンジンは子どもの3大嫌い野菜といわれていますが、収穫祭のあとは、保護者の方から、”食べられないナスが食べられるようになった“”お料理の手伝いをするようになりました“などとよくいってもらえます」
まれに、農薬を使わないことで虫に食べられたり、病気になったり、日当たりが悪くて育たなかったりと、失敗して収穫できないこともあります。でも、それも経験のひとつ。どうして失敗したかを子どもたちと検証しましょう。そして、恐れずに、次の年にその失敗を生かすことこそが大切です。
みんなで野菜を収穫!
トマトは手でもぐこともできますが、ナスやキュウリは茎が硬いので、はさみを使います。収穫祭の計画を立てるときに、あらかじめ、子どもたちにはさみの使い方をきちんと教えておきましょう。ひとり1個ずつ収穫できるのが望ましいので、当日はしっかりと声かけを。そういう意味でも、ミニトマトは1房にたくさんなるので、育てるのにおすすめです。
ピザ作りに挑戦
ただ育てて終わりではなく、収穫した野菜を調理して食べるところまで経験することで、さらに野菜に親しみを感じることができます。「ピザがいい?」「サンドイッチにする?」「サラダもいいね」。子どもたちと相談して一緒に計画を立てましょう。子ども用の包丁なども用意すると、作業の幅が広がります。保護者も巻き込んでお手伝いしてもらうのも一計です。
column コンテナの土の再利用
- 金ザルなどを使い、収穫がすんだ土をふるいにかける。硬くなった土は手でほぐしながら、残った根や小石などは取り除く。
- 花苗用のトレーなどに新聞紙、その上に黒いビニール袋を敷き、土を均等に広げる。数日間太陽に当てて、日光消毒する。
- 太陽に当てた土に、完熟バーク堆肥か腐葉土を2~3割、有機石灰を少々混ぜて、1か月ほど寝かせる。
構成/大石裕美
協力/泉町保育園(埼玉・所沢市)
イラスト/奥まほみ
『新 幼児と保育』2019年8/9月号より
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