3歳児クラスのおたより実例<1月>【豊玉保育園のクラスだより】

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2024年1月、3歳児とびうお組のクラスだより。
2024年1月、3歳児とびうお組のクラスだより。
※個人情報に配慮して加工している部分があります。

思いを伝えるテクニック~ひとつのテーマに絞って「狭く・深く」

3歳児たちは、絵本『からすのパンやさん』(かこ さとし/作・絵 偕成社)が大好きで、絵本に登場するパン屋さんになりきって遊ぶ姿が12月に入ってもたびたび見られました。子どもの興味から出発して遊びを広げ、成長につなげたいと保育者は考えています。「パン屋さん」を軸に、今、遊びが発展しています。その一部始終を保護者に伝えるために、今月のクラスだよりも、パン屋さんにちなんだ遊びに絞って詳細に書かれています。

「散歩中にからすが飛んでいるのを見つけると『からすのパンやさんだ!』と盛り上がったり、白い服を着ていると『おもちちゃんだね』と話したり…。子どもたちの頭の片隅にはいつも『からすのパンやさん』があるようで、ファンタジーの世界を楽しんでいました。

そこで、もっと子どもたちの遊びを広げていけないかと担任間で相談していると『パン屋さんに行ってみよう!』『実際にパンを作ってみよう!』という話が出て、C.C(*1)やキッチン(*2)とも連携をとりながら相談をして今回の計画が実現しました」

*1:「コミュニティコーディネーター」の略語。保育園と地域社会を結ぶ専門職員。

*2:栄養士と調理スタッフ。

「豊玉二丁目の丸十ベーカリーまで歩くこと約三十分。ついに到着するとお店の外までパンの焼けるいい匂いがしていました。お店の外からはパンを作っている様子を見ることができ、パン生地に具材を包んでいるところや丸い形の生地を機械に入れると平らになって出てくるところを興味深そうに見ていました」

「お店の中に入ると疲れも吹き飛ぶくらいのいい香りに子どもたちも『いい匂いがするね~』『食べたくなってきちゃった』と思わずうっとり。ガラスケースに並んだ美味しそうなパンたちに釘付けになっていました」

パン屋さんから戻ってくると、ただちに「パン屋さんごっこ」が始まりました。

「早速ごっこあそびのコーナーへ行き、遊び始める子どもたち。きれいにトレーの上に並べたパンをパン焼き窯で焼き、お客さんが来るとパンを渡してお会計をして…とパン屋さんで見た光景を再現しながら遊ぶ姿が見られました。気が付くと、パン屋さんには行列ができ、『何パンにしますか~?』『チョコパンくださーい』と大忙しのパン屋さんでした」

パン屋さんの見学をきっかけに、「本物のパンを作ってみたい」という思いが子どもたちの中で膨らんでいきます。調理スタッフがパン生地を作り、それを子どもが成形して、おやつの時間に食べようということになりました。

「パン作り当日。小麦粉や塩、水を混ぜてパン生地をこねる工程を見ると、絵本に出てきた工程と同じやり方を真剣なまなざしで見ていました。一人ひとりにパン生地が配られると『ぷにぷにするね』『気持ちいい!』と柔らかい感触を存分に楽しんでいました」

「おやつの時間に焼きあがったパンを並べてもらい、パン屋さんのように自分で作ったパンをもらいに行きました。自分で作った『世界にひとつだけのパン』『おいしい!』という声があちこちから聞こえてくるほど大好評でした」

「寄り添う気持ち」が伝わりやすくなる5つのテクニック【豊玉保育園のクラスだより#2】

クラスだよりで伝えたい思い~子どもの興味から保育を発展させていくよさ

以上のように、子どもたちの興味・関心から出発してパン屋さんにちなんだ遊びを発展させてきたことで、子どもたちがどのような成長を見せているのかを最後に書いています。

「年度当初から遊びの種まきをしながら、子どもたちの興味や今何を楽しいと感じているのかを常に考えながら過ごしてきました。最近では子どもたちからいろいろなイメージが湧いてくるようになり、遊ぶ力が成長してきていることを日々感じています。そして、残りの3か月間もたくさんの『わくわく』を感じながら過ごしていけたらと思っています」

「おたよりで伝えたいのは『寄り添う』気持ち」【豊玉保育園のクラスだより#1】


豊玉保育園のおたより作成の考え方をまとめた過去の記事もご覧ください。

「おたよりで伝えたいのは『寄り添う』気持ち」【豊玉保育園のクラスだより#1】
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エピソードに臨場感が増す4つの小ワザ【豊玉保育園のクラスだより#3】
月末に慌てない4つの先回り&時短アイデア【豊玉保育園のクラスだより#4】

協力/練馬区立豊玉保育園(東京・練馬区)
1961年開園、2021年より社会福祉法人高洲福祉会が運営委託。家庭から離れて生活する保育園の場で、子どもたちが不安なく過ごし、主体的に活動できるように真心のこもった丁寧な保育を行うことを大切にしている。0~5歳児、定員130名。

文/佐藤暢子

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