【四季の自然あそび】秋の保育園アイデア集(あそび)佐々木洋先生|せんせいゼミナールの講座より
せんせいゼミナール「四季の自然あそび〜園庭と散歩道で出会う生き物たち〜」オンライン講座では、各地の園を訪れ、子どもや大人に自然のおもしろさや不思議を伝えてきたプロ・ナチュラリストの「ささき隊長」こと、佐々木洋さんが、園庭や町の散歩道で出会える花や生き物の魅力や触れ合い方、季節のあそびなどを紹介しています。このページでは、その中からいくつかをピックアップしてお届けします。
目次
まつぼっくりが小さくなっちゃった!
まつぼっくりの実験をしてみましょう。
外で拾ってきたまつぼっくりを、水の中に入れます。とがっている頭を上にすると、ぷかぷか浮いてしまうので、頭を下に向けて水に沈むようにします。
しばらくたってからまつぼっくりを見てみると、形が変わっています。あっという間に、かさを閉じて、小さくなってしまうのです。
※下の写真は、1時間15分くらい置いたものです。(左:実験前→右:実験後)
どうしてこういうふうになるのかというと、実は、まつぼっくりは中に種をいっぱい抱えていて、それを守ろうと思ってかさを閉じるのです。
雨の日に散歩に出かけたら、木についているまつぼっくりを見てみてください。みんなかさを閉じて小さくなっています。同じ木を、晴れた日にも見てみると、全部開いています。同じまつぼっくりだけれど、いつも同じではないのです。
小さくなったまつぼっくりを、空っぽの口の狭いボトルに入れて何日か置くと、かさが広がって、まつぼっくりが取り出せなくなっています。ボトルシップのように、こんなあそび方をしてみても楽しいですね。
カマキリにサングラスをかけてみよう!
カマキリの目の色を見たことがありますか? 昼間にカマキリの目を見ると、黄色のような、黄緑色のような色をしています。
写真は夜のカマキリです。夜のカマキリは、黒いキャビアのような目をしています。
カマキリは、ほぼ24時間ずっとハンターで、夜も狩りをします。夜は暗闇の中で虫を捕るため、わずかな光でもキャッチできるように、目を黒くするといわれています。人間は明るいところでサングラスをかけますが、カマキリは暗いところでサングラスをかけるのですね。
昼間、カマキリを捕まえたら虫かごに入れて、子どもたちと一緒に観察してみてください。黄緑色の目を確認してから、虫かごを30分ほど暗い箱の中に入れておくと、サングラスをかけたカマキリに会うことができます。
カマキリを飼いたいという子がいるかもしれませんが、カマキリは、オンブバッタやシジミチョウなど、生きている虫しか食べません。もし、カマキリを飼うときには、生きた餌をあげる覚悟をして、飼ってあげてくださいね。それができないときには、しばらく一緒にいさせてもらってから、元いた場所に放してあげるようにしましょう。
自然に親しむ→知る→守る
子どもたちは自然と触れることで、多様性を知ったり、癒やされたり、思いどおりにならない存在を知ったり、感性が豊かになったり、体が丈夫になったり、そのほかにもたくさんのことを得ることができます。
たくさんのことを教えてくれる自然と人が友達になっていくには、まず、親しんで、次に知りたくなって、それから守りたくなるという流れがあると思います。これは、自然と人の関係だけではなく、人と人の関係にも似ています。
幼い子どもたちとかかわるみなさんには、特に、自然と「親しむ」ところをサポートしてあげてほしいです。子どもたちが自然に触れる機会、回数を増やしていってほしいと思います。
そして、「親しむ」を充実させるために、ふたつのことを大切にしてみてください。ひとつは「五感を使う」ということ、もうひとつは「身近な場所にこだわる」ということです。
「五感を使う」ことを意識して、園庭や散歩道で自然に触れるときに「見てごらん」だけではなくて、危険のないものについては「触ってごらん」「耳を澄まして聞いてみようか」「どんなにおいがする?」などと声をかけてみましょう。すると、子どもたちはたくさんのアンテナを張って自分の身のまわりを見るようになっていきます。
「身近な場所にこだわる」というのは、園庭や公園など身近なところに「ぼくたち私たちが世界で一番詳しい場所」をつくってほしい、言い換えると「自然を測るものさし」をもってほしいということです。「ここには園庭にはない花が咲いているね」「いつもの公園にいるツチイナゴがここにはいないな」というように、身近な場所を基準にいろんなことがわかってきます。身近な場所に詳しくなるということは、自然と仲良くなる、大きなことをいうと、地球のことを知る第一歩です。
せんせいゼミナールのオンライン講座「四季の自然あそび〜園庭と散歩道で出会う生き物たち〜」では、その季節ならではの自然との親しみ方、楽しみ方のポイントや、あそびなどをたくさん紹介しています。
文/小野寺裕美(せんせいゼミナール事務局)
【関連記事】
「せんせいゼミナール」からピックアップ!保育のいろいろアイデア集シリーズはこちら!
・【四季の自然あそび】春の保育園アイデア集(あそび)佐々木洋先生|せんせいゼミナールの講座より
・【四季の自然あそび】冬の保育園アイデア集(あそび)佐々木洋先生|せんせいゼミナールの講座より
・【四季の園ぐらし】冬の保育園アイデア集(環境・あそび・製作)天野珠路先生|せんせいゼミナールの講座より
・【四季の自然あそび】秋の保育園アイデア集(あそび)佐々木洋先生|せんせいゼミナールの講座より
・【四季の園ぐらし】秋の保育園アイデア集(環境・あそび・製作)天野珠路先生|せんせいゼミナールの講座より
・子どもたちが自然に触れ合うことで得られる3つの効能って?(佐々木洋先生)|せんせいゼミナール「四季の自然あそび」開講します
・【四季の園ぐらし】夏の保育園アイデア集(環境・あそび)天野珠路先生|せんせいゼミナールの講座より
・【四季の園ぐらし】春の保育園アイデア集(環境・あそび)天野珠路先生|「せんせいゼミナール」講座より
>>もっと見る