【四季の自然あそび】冬の保育園アイデア集(あそび)佐々木洋先生|せんせいゼミナールの講座より

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佐々木洋

せんせいゼミナール「四季の自然あそび〜園庭と散歩道で出会う生き物たち〜」オンライン講座では、各地の園を訪れ、子どもや大人に自然のおもしろさや不思議を伝えてきたプロ・ナチュラリストの「ささき隊長」こと、佐々木洋さんが、園庭や町の散歩道で出会える花や生き物の魅力や触れ合い方、季節のあそびなどを紹介しています。このページでは、冬の保育に役立つアイデアをいくつかをピックアップしてお届けします。

冬こそバードウオッチング!

冬は身近な園庭や公園、散歩道などでのバードウオッチングにおすすめの季節です。

それにはふたつ理由があって、ひとつは、落葉広葉樹などの葉が落ちて、木にとまっている鳥を見つけやすくなるからです。

もうひとつは、いつもいるグループに加えて、雪や氷に覆われて餌がとれない、過ごすには寒いということで山から移動してきたグループ、それから、外国から渡ってきたグループ、この3つのグループの鳥たちが集まってきて、野鳥の種類と数が増えるからです。

鳥を観察しやすい環境が整う冬、子どもたちと一緒にバードウオッチングをしてみませんか。

カルガモは重い!

カルガモの写真と1リットルの牛乳パックを持った佐々木さん
カルガモと牛乳1リットルパック

近くで出会う鳥がどれくらいの重さなのか、考えたことがありますか?

たとえば、牛乳の1リットルパックは、どんな鳥の重さに近いでしょうか。

実は、牛乳1リットルパックは、カルガモと同じくらいの重さです。カルガモのほうがもう少し重いことが多いのですが、だいたい同じくらいの重さがあります。

子どもたちと一緒に、牛乳パックを抱えて、カルガモの重さを体験してみましょう。

カルガモと聞くと、その名前から「軽いのかな?」と想像する人もいるかもしれませんが、抱えてみると、意外と「カルガモは重い!」のです。

こんな体験をきっかけに、より鳥や自然に興味を持つ子どもが増えるかもしれません。

ちなみに、オオハクチョウの重さは、だいたい牛乳1リットルパック10本分です。とても重い体で外国から飛んでくるのですね。

影の木のぼり

木の影の上にいる佐々木さん
木の影にのぼった佐々木隊長

大きな木にのぼってみたいと思う子ども(大人も)は多いのではないでしょうか。

実際に木にのぼるのは簡単なことではありませんが、冬は、ある方法でそれをかなえることができます。それが「影の木のぼり」です。

寒くなると落葉広葉樹の葉が落ちて、葉に隠れていた枝が見えるようになります。

その大きな木の大きな影にのぼるあそびです。リスになった気分で木をかけのぼったり、鳥になった気分で枝の先にとまってみたり。

クラスのみんなで一斉に枝の影の上にしゃがむと、小鳥の群れが枝にとまっているような、かわいらしい写真が撮れますよ。このとき、撮影者は、木の幹に背中をくっつけて影の中に隠れるようにするのがポイントです。

カマキリのたまご

木肌にくっついているハラビロカマキリのたまご
ハラビロカマキリのたまご

たまごで冬を越す代表的な昆虫といったらカマキリです。

写真は木の幹についている、ハラビロカマキリの卵嚢(らんのう)です。たまごが入った袋です。

カマキリのたまごと聞いて思い出す形とちょっと違うと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、これとは違うシュウマイのような、シュークリームのような形のたまごは、オオカマキリのたまごです。

ハラビロカマキリのたまごは、アーモンドチョコレートのような形をしています。

カマキリのたまごを見つけたら、持って帰りたくなる子も多いと思いますが、見つけても絶対に保育室に持って帰らないように伝えてください。

持って帰ってしまうと、カマキリも困ってしまうし、みなさんも困ってしまうのです。

というのは、部屋が暖かいと、春になる前にカマキリが出てきてしまうのです。

ある日、保育室の床に200匹くらいの小さなカマキリが一気に現れて、みなさんの幼稚園や保育園はたちまち「カマキリ幼稚園・保育園」になってしまいます。

そして、食べるものがないカマキリは共食いをしてしまうなど、かわいそうなことになってしまいます。

もしも、子どもが持って帰ってきてしまうことがあったら、ふたがついた容器に入れて、外の日陰に置いておくようにしましょう。そうすればおそらく、通常の3月から6月くらいのタイミングで孵化(ふか)します。

冬芽を見てみよう

「冬芽」をご存じですか? 植物、特に木の冬の芽のことをそう呼びます。

「冬芽」の観察は、冬の楽しみのひとつです。

見てみると、個性的でおもしろい形をしているものがたくさんあります。

たとえば、アジサイ。アジサイの冬芽(写真左)は、ザリガニのはさみのように見えませんか?

このはさみのような部分が、暖かくなってくると、開いてきます。冬のうちに見つけて観察を続ければ、「はさみが開いてきたら、そろそろ春かな」と、その変化も楽しむことができます。

オニグルミの冬芽(写真右)はヒツジの顔のような形をしています。

正確にいうと、ヒツジのおでこの部分にある丸いところが葉になる「冬芽」で、下の断面のようなところは「葉痕(ようこん)」といって、葉の落ちた痕なのですが、両方を合わせて「冬芽」と呼ぶことも多いです。

園庭や公園でいろいろな「冬芽」を探してみてください。虫眼鏡で観察してみるのもおすすめです。


せんせいゼミナールのオンライン講座「四季の自然あそび〜園庭と散歩道で出会う生き物たち〜」では、その季節ならではの自然との親しみ方、楽しみ方のポイントや、あそびなどをたくさん紹介しています。ご興味ある方はぜひ、受講をご検討ください!

文/小野寺裕美(せんせいゼミナール事務局)

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