【四季の園ぐらし】冬の保育園アイデア集(環境・あそび・製作)天野珠路先生|せんせいゼミナールの講座より

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「せんせいゼミナール」からピックアップ!保育のいろいろアイデア集
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鶴見大学短期大学部保育科教授

天野珠路

せんせいゼミナール「四季の園ぐらし〜全国の園実践から得られた環境やあそびのヒント〜」オンライン講座では、保育者として長く現場で活躍し、また、厚生労働省保育指導専門官、保育者や学生の指導者として多いときには年間400もの園を訪問してきた天野珠路先生(鶴見大学短期大学部教授)が、環境構成、あそび、製作、絵本、食などの事例やアイデアをたくさんの写真とともに紹介しています。このページでは、その中からいくつかをピックアップしてお届けします。

みかん大好き!

みかん大好き! 多くの人に親しまれる果物ですね。日本で果物の基本といったら「みかん」ではないかなと思うことがよくあります。みかんがたくさん手に入ったときには、子どもたちと一緒にじっくり観察してみるのはいかがでしょう。

「いくつあるかな? 形や色や大きさは?」

たくさんの発見ができるのではないかと思います。

小さな子どもたちが、「作りもののみかん」や「絵本に出てくるみかん」、そして「本物のみかん」というように、いろんな「みかん」に出会うことも大切にしたいです。

それぞれのマッチングや比較は、「みかん」という言葉を覚えていったり、みかんそのものを理解したりする助けとなります。

あそびの発展

熊本のこども園では、一番小さい「キンカン」から、子どもたちの顔よりも大きな「晩白柚(ばんぺいゆ)」まで、たくさんの柑橘類を集めて並べていました。

はじめはただ並べて置いていただけでしたが、眺めて、触って、香りをかいでいるうちに、子どもたちの興味がどんどん広がっていきました。

「これはタンカンだっけポンカンだっけ?」と確認しながら、それぞれの柑橘にネームプレートを作ったり、「身体測定をしようよ!」と身長や体重やおなかまわりを測ってみたり、「おんなじ色を作りたい」と絵の具で色を作ったり、「ペープサートにしてみよう」と絵人形とお話を作って演じたり…いろいろなあそびに発展していきました。

カルタを作ってみよう!

カルタはくり返し楽しむ中で言葉を覚え、言葉の流れを耳で吸収していく、とても学びのあるあそびです。が、そんなことより子どもたちは1枚でも多く取りたい。自分の好きなこだわりの札を見つけて、それだけは「絶対に取りたい!」と、とても白熱するあそびです。

また、カルタは、作ってみるのもとても楽しいです。子どもたちが自分で好きなものを描きます。

  • しまうまが ころんだ
  • きりんが きのうえで とりをつかまえている
  • うまが くさをたべて ふとった

また、自分たちが登場するカルタを作るのもの楽しいです。友達に聞いたり、言い合ったりしながら、一人ひとりのその子らしさを札に込めます。

  • なおちゃんは ちいさいこのおせわが じょうずです
  • りゅうすけくん どこまでのびる せのたかさ
  • あまのせんせい おこったりわらったり あそんだりいそがしい

こおりアート

氷は、冬の楽しみのひとつですね。

触れて、その冷たさやつるつるした感じ、体温や日の光で溶けていく様子を楽しんだり、薄い氷を持って向こう側をのぞいてみたり。「冷たい!」「おもしろいね!」という声が聞こえてきます。

霜柱を探して、ザクザクと踏むのもおもしろいですね。

寒い日、子どもたちと一緒に小さな容器に水や色水、赤い実などを入れておきます。バケツやたらいには水を張って、葉っぱを浮かべておきます。すると翌朝、氷アートができあがっています。

「氷ができたね」「今日は凍らなかったね」「宝石みたいだね」「おいしそうだね」などと、子どもたちと寒い時期を楽しめるといいですね。

寒くて登園するのがちょっとつらいときも、これで翌朝来るのが楽しみになるかもしれません。

力を抜いて「園内研修」

「研修」と聞くだけで緊張してしまう人もいるかもしれませんが、ちょっと力を抜いて「園内研修」をしてみませんか。

たとえば、2人か3人くらいでチームを組んで、月ごとに好きなことをプレゼンするというようなことから始めてみてもいいと思います。

保育者が「私はこれが好き」「こういうことが知りたい」「子どものこういうところを今不思議に思っている」ということに関して、みんなに共有します。

それをもう少し調べてみようとなることもあれば、さっそく保育に入れてみようとなることもある。また、それは今のこのクラスでは難しいかなとなることもある。そんな気軽な感じでいいのです。

最初に目標や、ねらい、保育の意図などを持ってきて頭でっかちになりすぎると、体が動かなくなってしまうこともあるでしょう。

やりながら考えていくというのが大切で、子どもの反応を見ながら、返ってくるものが豊かだったなとか、全然ピントが合ってなかったみたいだな、ということがあってもいい。

試行錯誤しながら、保育者それぞれが「子ども一人ひとりの思いや願いをもっと理解したい!」となっていくような、いろいろなことが試せる場、懐の深い保育の現場であってほしいなと思います。


「せんせいゼミナール」は小学館がプロデュースする研修講座シリーズです。信頼できる専門家や力のある実践者を講師に迎え、せんせい方の悩みや学びたい気持ちに寄り添う講座をお届けしています。

文/小野寺裕美(せんせいゼミナール事務局)

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