保育が育つ、保育者が育つために大切なことって?【青くんの[保育のお悩み相談室]#7】
保育をしていて迷うこと、困ることってたくさんありますよね。
経験を重ねるうちに、ふと自分の保育は、あるいは保育者として自分はちゃんと育っているのだろうか…そんなふうに考えることはありませんか?
でも、そもそも「育つ」って何を基準に考えたらいいのでしょう? 青山誠さんが、青くんなりの考えで答えます!
青山誠さん
幼稚園勤務を経て、りんごの木子どもクラブで10年間保育を経験したのち、2019年より社会福祉法人東香会 上町しぜんの国保育園で園長を務める。2023年より同法人理事に就任。本誌『新 幼児と保育』では「青くん版 保育 きほんのき」を連載中!
目次
保育が育つ、保育者が育つときに大切なことって?
【保育のお悩み】
「保育が育つ」「保育者が育っていく」とよくいいます。
保育の場、保育者それぞれが「育つ」ために、あるいは「育つ」部分において大切にすべきことはなんでしょうか。
そもそも、保育の場や人が「育つ」ってなんでしょう?
育つってときになにが大切か、難しい問題ですよね。
そもそも保育の場や人が「育つ」ってなんでしょうか。それは「できなかったことができるようになる」ということでしょうか。でも努力して「できるようになった」としても、ある園で「良い」とされていることが、ほかの園では評価されなかったりもします。せっかくの努力も「その園でだけ評価される限定的な技」にしかすぎないかもしれません。
だからといってそれに意味がないということではなく、技というのは、そのときの必要に迫られて身につけなくちゃいけない場面ってどうしてもありますよね。あるいは、知らないうちに身についちゃうってこともあります。
「嫌な育ち方をしちゃったな」と感じたら、いままでの育ちを脱ぎ捨てる!
!さらに、ぼくならこう考えます
だから「育つ」って、もしかしたらときには「選べない」ことかもしれません。そして育って(身について)しまって損をするケースとして、たとえば成功体験が邪魔をするってこともありうるのかなぁと思っています。あー、こんなふうに、いつ自分は身につけちゃったんだろうとか、ぼくはそんなふうに自分を振り返るときもしばしばあるんですよね。育つのは選べないかもしれないし、そんなにキラキラしたものでもないかもしれない。
だからなにが大事かって、あとから振り返ったときに「あーあ、育ったは育ったけど、なんか嫌な育ち方しちゃったな」と感じないようにする、あるいはそう感じたら、いままでの育ちをさっそうと脱ぎ捨てて、まっさらで自由な自分に戻る、というのも大事な気がします。
文/青山 誠 イラスト/ナガタ ヨシコ
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