【四季の自然あそび】春の保育園アイデア集(あそび)佐々木洋先生|せんせいゼミナールの講座より

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佐々木洋

せんせいゼミナール「四季の自然あそび〜園庭と散歩道で出会う生き物たち〜」オンライン講座では、各地の園を訪れ、子どもや大人に自然のおもしろさや不思議を伝えてきたプロ・ナチュラリストの「ささき隊長」こと、佐々木洋さんが、園庭や町の散歩道で出会える花や生き物の魅力や触れ合い方、季節のあそびなどを紹介しています。このページでは、春の保育に役立つアイデアをいくつかをピックアップしてお届けします。

鳥の声で「ききなし」あそび!

メジロ、シジュウカラ、ホオジロ、コジュケイの鳴き声を聞いてみよう

鳥たちはいろんな鳴き声を持っていてますが、大きく分けて2つの種類があるといわれています。

ひとつが「地鳴き」という鳥たちのおしゃべり。もうひとつが、「さえずり」というオスからメスへのラブソングです。

たくさんの鳥が繁殖期を迎える春は、オスの素晴らしい「さえずり」がたくさん聞こえてくる季節です。

そんな春にぜひ、子どもたちと楽しんでもらいたいのが「ききなし」です。これは、鳥の声を人間の言葉に置き換えて表現するあそびです。

たとえば、ホオジロの声(参照:千葉県立中央博物館ホームページ「音の標本箱」スズメ目・ホオジロ科・ホオジロ)は、何と言っているように聞こえるでしょうか。

昔の人たちには、「いっぴつけいじょう、つかまつりそうろう」と聞こえたそうなのですが、「札幌ラーメン、味噌ラーメン」にも聞こえませんか?

メジロ(スズメ目・メジロ科・メジロ)はどうでしょう。

「ちょうべい、ちゅうべい、ちょうちゅうべい」「ちょろちょろちょろちょろ、ねずみさん」「ちょっちゅね、ちょっちゅね、ぐしけんさん」など、人によっていろんな聞こえ方があるようです。

このあそびは、答えがあるものではありません。公園や園庭で鳥の声が聞こえてきたときには、ぜひ、自由に楽しんでみてください。

サクラの花びらはどれかな?

桜の花びらはどれかな?

サクラの花は見ているだけで楽しい気分になりますが、子どもたちはよく舞っている花びら追いかけたり、拾ったりしますよね。「サクラの花びらをたくさん集めたよ」と見せてくれる子もいるのではないでしょうか。

春の公園では、サクラだけではなくほかの木も花を咲かせていることが多く、サクラだと思っていた花びらが、実はサクラではなかった! ということも珍しくありません。

ここでクイズです。

スケッチブックに描いた3つの花びらのイラスト(写真参照)。左の、先が少しとがっている花びら、真ん中の、先端に凹(へこ)みが入っている花びら、右の、先が平らな花びら、 この3つのうちサクラの花びらはどれでしょうか。

正解は、先端に凹みが入っている花びら(イラスト真ん中)が「サクラ」です。先が少しとがっている花びら(イラスト左)は「モモ」、先が平らな花びら(イラスト右)は「ウメ」です。

 3つとも、薄いピンクだったり、白っぽかったり、同じような色をしていますが、よく見るとそれぞれ形が違っていて、違う植物の花びらなのです。

子どもたちと一緒にサクラらしき花びらを見つけたら、ぜひ、「これは何の花びらかな?」と、よく観察してみてください。

カエル見つけた! たまご見つけた!

アズマヒキガエルの卵塊と、アズマヒキガエル

園庭や公園の小さな池で、ある日突然、昨日までいなかったカエルやカエルの卵を見つけた経験はありませんか?

カエルは普段、昼間は湿った土の中や、物置やプランターなどの下の暗いところに隠れていて、夜になると歩き回ってダンゴムシを食べたりしています。そして、卵を産む季節になると、昼間も水辺にやってくるようになるのです。

たくさん集まってきたカエルを観察していると、オスがメスを奪い合って、蹴り合ったり投げ飛ばし合ったりする「カエル合戦」を目撃することもあるかもしれません。また、カエルに会いに通っているうちに、卵を見つけることもあると思います。

卵からおたまじゃくしがかえって、後ろ足が生えて、前足が生えて、尻尾が短くなってカエルになる、というカエルの成長の過程を子どもたちに見せてあげたいと思う先生も多いのではないでしょうか。

また、「卵を持って帰って飼いたい!」という子もいるのではないかと思いますが、卵は持って帰らないようにしてください。ばらばらになってしまったり、うっかり落としてしまい乾燥して死んでしまうことがよくあるからです。

飼育してみる場合は、子どもたちに「おたまじゃくしになるまで待とうね」と伝えて、おたまじゃくしになってから飼うようにしましょう。

春のパレット

春のパレット

春の植物を使った、おすすめの、すてきなあそびを紹介します。

写真は、絵の具でもない、色鉛筆でもない、近くの河川敷で見つけた野草などを画用紙にこすって出した色です。黄色は「セイヨウタンポポ」、紫色は「カラスノエンドウ」、水色は「オオイヌノフグリ」、緑色は「ヨモギ」、茶色は「土」。

こすりつけてから半日たちますが、とても鮮やかです。近くに生えている植物から、こんなにきれいな色がとれるのです。

なかでも「カラスノエンドウ」はおもしろく、花は濃いピンク色をしていますが、画用紙にこすってみると、紫色が現れます。なんとも不思議な「魔法の絵の具」のようですね。

ところで、あそびの際に注意してもらいたいことが、いくつかあります。

花壇の花や野菜は取らないようにしましょう。また、お花も葉っぱも、たくさんと取る必要はありません。最小限を取るようにしてください。少し取るくらいなら、成長してまた、葉っぱが伸びて、花を咲かせてくれます。

それから、トゲや毒のある植物はあらかじめ調べておき、避けて、今回紹介したようなよく知っている植物だけでやるのがいいと思います。

指に草花の汁がつくので、手を拭くウエットティッシュなど準備しておくと便利です。

身近なところに野草が増え、花も葉も水分が多くてみずみずしい。春はこのあそびにぴったりな季節です。

すぐできて、とても楽しい「春のパレット」。ぜひ、やってみてください!


せんせいゼミナールのオンライン講座「四季の自然あそび〜園庭と散歩道で出会う生き物たち〜」では、その季節ならではの自然との親しみ方、楽しみ方のポイントや、あそびなどをたくさん紹介しています。

文/小野寺裕美(せんせいゼミナール事務局)

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