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テントウムシの秘密(前編)~五感で楽しむ春〈5月〉【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#19】

連載
ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!

プロ・ナチュラリスト

佐々木洋

プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物や草花を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。

今回は、前後編に分けてテントウムシの秘密をご紹介。まずは、子どもも大人も大好きなナナホシテントウに注目しましょう。

ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)

5月の自然遊び:見る! 触る! ナナホシテントウの秘密 

ささき隊長 こんにちは、ささき隊長です!

虫が苦手、という人でも、「ナナホシテントウだけは大丈夫」という人、結構多いのではないでしょうか。

あの赤いボディーに黒い星が7つ。ちょこちょこ歩く姿が、なんともかわいいですよね。

でも、実はあの小さな体の中に、すごい秘密がいくつも隠されているんです。

まず、指に乗せてみよう|お天道様に飛んでいく

撮影/佐々木 洋

テントウムシを見つけたら、そっと指に乗せてみましょう。

晴れた日なら、太陽の方向に向かって飛んでいくことが多いです。

「お天道さま」——つまり太陽に向かって飛んでいく虫、だから「天道虫(テントウムシ)」という名前なんですよ。

子どもたちの手のひらでテントウムシが歩き始めたとき、みんながしーんと静かになる瞬間が、僕は大好きなんです。

手にオレンジ色の汁がついたら?|なめてはダメだけど、においを嗅いでみよう

テントウムシを触ったとき、手にオレンジ色や黄色っぽい汁がついたことはありませんか?

あれは、テントウムシがおなかの一部から出す汁です。絶対になめてはいけません。なぜなら、苦いから。

でも、手についてしまったら、手を洗う前にちょっとにおいを嗅いでみてください。

どんなにおいがするでしょうか?

なんと、ゴマっぽいにおいがします。

プレーンな煎餅を食べながら嗅ぐと、ゴマ煎餅になって、ちょうどいいかも。というのは冗談です(笑)が、そのくらい、ゴマっぽいにおいがします。

実は、これは哺乳類や鳥類に「くさい!」と思わせるための、テントウムシの生き残り戦術なんですよ。

テントウムシのひみつ|実は、春一番乗りの虫だった

テントウムシって、どこで冬を過ごすか、知っていますか?

落ち葉の下や木の皮のすき間に、何十匹・何百匹も固まって、成虫のまま春まで眠り続けるんです。

体を寄せ合って熱を逃がさないようにしながら、みんなで冬をしのいでいるわけです。

なかなかやるでしょう?

そして春が来てアブラムシが出てくると、いよいよ出番です。

テントウムシは春いちばんのりで活動を始める虫のひとつ。

だから、よく晴れた暖かな春の日に、真っ先に園庭にやってくるのがテントウムシなんです。

おまけの雑学:「鳥のメガネ」でテントウムシを見ると…

「かわいい!」「ラッキー!」

かわいらしい姿から、人間の目には、そんなふうに映るテントウムシ。

でも、鳥のメガネをかけてみると……?

空を飛んでいる鳥は、視力がとても発達しています。 人間の3〜8倍ともいわれる視力で、遠くの小さな虫も見逃しません。 色も鮮明に見えています。

そんな鳥の目に、あの赤と黒の模様はどう映っているのでしょうか。

実は、鮮やかな色と大きな丸い斑点は、自然界の「警告サイン」。 テントウムシを一度食べた鳥は、次から近づかなくなるといいます。鳥はだんだん学習して、「あの模様の虫は食べると苦い」と覚えていくのです。

さらに、ひらっと飛んだ瞬間に模様がパッと目に入ると、 鳥は「うわっ!」と驚いてしまうことも。 そのわずかな時間に、テントウムシは逃げるわけです。

人間には「かわいい水玉」に見える模様が、 鳥のメガネをかけると「危ない、近づくな」というサインに見えてくる。

同じテントウムシを見ているのに、 見え方がこんなに違うなんて、不思議ですよね。

文/神﨑典子 写真/佐々木 洋、神﨑典子

佐々木 洋ささき隊長)

ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

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