【四季の園ぐらし】春の保育園アイデア集(環境・あそび)天野珠路先生|「せんせいゼミナール」講座より

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「せんせいゼミナール」からピックアップ!保育のいろいろアイデア集
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鶴見大学短期大学部保育科教授

天野珠路

せんせいゼミナール「四季の園ぐらし〜全国の園実践から得られた環境やあそびのヒント〜」オンライン講座では、保育者として長く現場で活躍し、また、厚生労働省保育指導専門官、保育者や学生の指導者として多いときには年間400もの園を訪問してきた天野珠路先生(鶴見大学短期大学部教授)が、環境構成、あそび、製作、絵本、食などの事例やアイデアをたくさんの写真とともに紹介しています。このページでは、その中からいくつかをピックアップしてお届けします。

ミモザでおくる卒園式

毎年3月になると園庭のミモザが満開になるという園の卒園式は、ホールの入り口にもマイクにもミモザ、卒園児の胸にも保育者の胸にもミモザ。黄色い美しいミモザでいっぱい。

年長児たちは、毎年園庭に咲いていた「いつもの花」に囲まれて卒園していきます。

その園ならではの、子どもたちが卒園後どこかでミモザを見かけたときに、園や友達、先生のこと、楽しかった記憶が思い出されそうな素敵な演出です。

新しい仲間へ、桜のウエルカムボード

写真は、子どもたちが、新入園児を迎えるために作ったウエルカムボードです。紙や画材、紙粘土など、いろいろな素材を使って、桜の花や自分たちの姿を描いて、歓迎の気持ちを表現しています。

このような華やかな作品がどーんとあると、歓迎の気持ちや、園の楽しい雰囲気が伝わるのではないでしょうか。緊張しながら入ってきた新入園児の気持ちも少しほぐれるとよいですね。

入園する子どもも緊張していますが、お母さんお父さんも緊張しています。春らしいカードなどで、歓迎の気持ちを伝えてみると、少し緊張が解けるかもしれません。

春夏秋冬、姿が変わる大きな木

これは、保育室に作った大きな木です。

本物の木と、布、和紙やクレープ紙などの素材を使って木の幹や枝を作りました。その後ろに、不用になったふすまにちょうつがいをつけて作ったついたてを置いて、そこに子どもたちが壁画のように紙を貼ったり、絵を描いたりしました。

ついたての部分は、季節ごとに作り変えます。春バージョンは、桜の花が満開の華やかな木に仕上がりました。夏、秋、冬は、どんな木になるでしょうか。1年を通していろんな姿に変わる木です。

公園は子どもたちの庭

みなさんの園にも行きつけの公園があるのではないでしょうか。

公園を自分たちの庭のように満喫した年長児のあそびを紹介します。

子どもたちが忍者になって、公園のいろんなところで忍者修行をしました。修行をするのも子どもたちですが、修行を考えるのも子どもたちです。

公園を描いた大きな地図には、修行スポットに金色の手裏剣マークが貼ってあり、そこでどんな修行をするのかが書き込まれています。

修行はたとえば、坂道のところでは「さかのぼりしゅぎょう」、滑り台のところでは「すべるしゅぎょう」、木の実が落ちているところでは、木の実を「さがすしゅぎょう」というように、公園を隅から隅まで知り尽くした子どもたちが自分たちで考えたものです。

毎日の散歩をこんなあそびにつなげてみるのも楽しいですね。

世界でひとつのマイ絵本

子どもたちと一緒に世界にひとつの「マイ絵本」を作ってみませんか。

画用紙を使って6ページの本を作ります。
①左上の写真ように、画用紙に8個のマスができるように、折り目をつけます。
②8個のマスの真ん中の2マス分の線(赤線部分)に切り込みを入れます。
③切り込みを入れた部分が上にくるように、画用紙をふたつ折りにします。
④二つ折りにした画用紙を切り込みが上にくるように、立てます。
⑤中央の写真のように、切り込みの真ん中を外に向かって山折りします。
⑥左下の写真のように折りたたんだら、絵本の土台の出来上がりです。

絵本はひとりに1冊ずつ作りましょう。ポケットサイズで、簡単に持ち歩くことができるで、園庭であそぶときや、お散歩に出かけるときに「好きな葉っぱやお花があったらはさんでおいてね」と伝えておくと、子どもたちは気に入った葉っぱやお花を見つけてははさんで、持って帰ってくるようになります。

葉っぱやお花は、おもしをのせるなどして押し葉や押し花にしてから、のりや接着剤で絵本に貼りつけるといいでしょう。好きな絵を描き加えたり、シールを貼ったり、お話をつける子もいますし、自分の顔を描いて絵本の中に入り込む子もいます。

きっと個性豊かな、うれしい楽しい作品がたくさんできるのではないでしょうか。春夏秋冬、季節ごとに作っていくのもおすすめです。


「せんせいゼミナール」は小学館がプロデュースする研修講座シリーズです。信頼できる専門家や力のある実践者を講師に迎え、せんせい方の悩みや学びたい気持ちに寄り添う講座をお届けしています。

文/小野寺裕美(せんせいゼミナール事務局)

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