思いっきり夏遊び♪暑い季節のお楽しみレポート

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プール、どろんこ、お洗濯ごっこ…。心と体を解放しやすい暑い季節だからこそ力いっぱい楽しめる遊びがあります。外遊びができる日の、思いっきり夏遊び。この時期ならではのお楽しみを集めました。

実践を紹介してくれた園
あいの保育園( 青森・青森市)
木の実西部保育園( 山形・山形市)
あかね保育園( 埼玉・所沢市)
小平神明幼稚園( 東京・小平市)

園にウオータースライダーがあったら絶対楽しい!

水遊びを思う存分楽しみたい夏。どの園も夏ならではの遊びを工夫して取り入れています。東北の短い夏をたっぷりと遊び尽くすという、あいの保育園では、園庭を滑るウオータースライダーごっこに挑戦。どろんこ遊び(後掲)や、砂場の穴掘り、水路作りなど、さまざまな遊びに取り組んでいました。

小平神明幼稚園では、ビールケースで作った小さなプールにミニスライダーを設置。そのつど保育者が遊具などを使って工夫をしているそうです。水遊びやプールの水にはくみ上げ井戸水を使っていて、暑い日には放水遊びやウオータースライダーなど、園庭のあちこちで水遊びを楽しむ子どもの姿があります。

「夏はプール遊びを思いっきり」という、あかね保育園のウオータースライダーは、1日限りの特別なお楽しみ。毎年、プール納めの日に設置しているそうで、3〜5歳の子どもたちがダイナミックにプール遊びを楽しみます。

プールじゃなくても滑っちゃえ!

「園庭のゆるい傾斜を利用すれば、ウオータースライダーができるのでは?」と思いつき、さっそくチャレンジ。ブルーシートを敷き、その上に水を流して浮き輪に乗って滑るという計画だったものの、子どもたちが体でスライディング! そのため思っていたよりも滑らなかったけれど、子どもたちはとても楽しそうでした。(あいの保育園)

流れる水って気持ちいい! 流れる水っておもしろい!

ビールケースのプールにスライディング!

小ぶりのウオータースライダーはいくつか作り方があって、そのときどきで担当の保育者が設置。水遊びがスタートする6月にはおっかなびっくりだった子どもたちも、遊び込んでいくうちにどんどんダイナミックになっていきます。(小平神明幼稚園)

1日限りのスペシャルなお楽しみ

0・1・2歳児用、3・4・5歳児用のプールを用意して、夏はプール遊びを思いきり楽しむ、あかね保育園。3・4・5歳児のプール納めに1日限りで登場するウオータースライダーは、雲梯とプールの間に、ブルーシートでくるんだ戸板を渡して固定したもの。

さらに左右を保育者がしっかり支えて見守る中、子どもたちが滑り降りていきます。初めて体験する3 歳児はこわごわ、ドキドキの表情ですが、4 〜5歳になると滑り方もダイナミックに。(あかね保育園)

ホースでじゃぶじゃぶ放水遊び

プールの水や水遊び用にはくみ上げ井戸水を利用。園庭の数か所にある蛇口のひとつに散水用ホースが取りつけてあり、噴水のように勢いよく出る水に子どもたちは大喜び。放水遊びは暑い日には大人気の遊びです。ビールケースとブルーシートで作る小さなプールは日常の水遊びに使えるアイデア。(小平神明幼稚園)

高いところから低いところへ水路作りに挑戦

遊びに使える板などをいつも用意しているという、あいの保育園で、4〜5歳の子どもたちを中心にはまったのが、木の板や雨どい、ワイヤー入りの太いホースなどを使っての水路作り。「高いところから低いところに流れていく」ということに気づく子どももいて、水の流れを工夫しての長い水路が完成しました。同じ園庭にいる3歳児も刺激を受けて、ときには遊びに加わることも。(あいの保育園)

やっぱりどろんこ遊びが大好き!

全身どろまみれになって遊べるのも、気軽に水浴びができる暑い夏ならでは。「泥の感触を楽しんでほしい」と、どの園もどろんこ遊びは夏のお楽しみのようです。

園庭に「泥場」を設けている、あいの保育園はおもに4〜5歳の子どもたちがどろんこ遊びを体験しています。泥のメンテナンスは6月ごろからスタート。耕うん機で土を掘り起こしてやわらかくし、木の枝や石ころを子どもたちと一緒に丁寧に取り除いて準備をしているそう。迎える夏本番、ほどよくドロドロになった泥に入り、保育者も一緒にその感触を楽しんでいます。

専用の泥場で思いっきりどろんこ遊び

園庭の一角に木枠で囲った「泥場」を設け、7〜8月は思いきりどろんこ遊びを体験。衣類は泥で染まってしまうので、保護者には泥遊び専用の下着とサンダルを用意してもらい、それにシャワーキャップをかぶって、いざ泥の中へ! 

子どもも保育者も泥まみれになって全身で泥の感触を楽しむ様子は、園庭で遊ぶ小さい子どもたちからも見えます。3歳児は足だけ入ってみるなどして、少しずつ慣れていきます。(あいの保育園)

じゃぶじゃぶ、あわあわ、ひんやり…で涼感を体験する

4〜5歳の子どもたちほどダイナミックに遊べないけれど、小さな子どもたちも夏の遊びを思う存分楽しんでいます。

大きなたらいを使って「お洗濯屋さんごっこ」や「ままごと人形の沐浴ごっこ」を楽しんでいたのは、あいの保育園。木の実西部保育園では、この時期だからこそ楽しめる造形遊びを工夫しています。赤ちゃん(0歳児)も暑さをしのぎながら、ひんやり、ぷるぷるの感覚遊びを体験していました。

じゃぶじゃぶお洗濯屋さんごっこ

日々の生活に根ざした遊びを多く取り入れている、あいの保育園。ままごとのエプロンやおぶいひもが汚れているのを見て、3歳児クラスで始まったのが「お洗濯屋さんごっこ」。

「お母さんはどうやって洗濯しているかな?」「うちでどうやって干しているの?」という保育者の声に応えながら、ウッドデッキでの洗濯遊びを体験。指先がこまやかになってきて洗濯ばさみの感触も楽しい3歳児。パンパンとしわをのばしたり、ロープに洗濯物を干したり。忙しい保護者にとっては家庭での親子遊びの手がかりにもなりそうです。(あいの保育園)

やさしく洗ってね。ままごと人形の沐浴

お盆時期で少人数だったこともあり、ひとり1体の赤ちゃん人形を2歳の子どもたちが沐浴ごっこ。「ひとりずつ赤ちゃん、お風呂に入れてあげてね」「みんなもこうやって洗ってもらったんだよ」と保育者がやってみせると、スポンジと石けんを使って、真剣に、丁寧に洗っていた子どもたち。人形に対して心をこめて洗う子どもたちの姿は、保育者にとっても新しい発見となりました。(あいの保育園)

ふわふわの色つき泡で、ソフトクリームをつくったよ!

「魔法の水を入れるよ〜」と、たらいに張った水にボディーソープを入れて保育者がホイップ。造形遊びのひとつとしてもともと3歳児がやっていた泡遊びを、1歳児クラスでも実践しました。子どもたちはもこもこになった泡を手でさわったり、すくったりして泡の感触を体験。

食紅を加えて泡に色をつけると、さらに遊びが広がり、カップにのせてアイスクリームやソフトクリームに見立てる子どもも。(木の実西部保育園)

寒天でぷるぷる、ひんやり

赤ちゃん(0歳児)も暑さをしのぎながら楽しめる感覚遊びとして取り入れたのが、寒天遊び。食紅で赤・青・黄色3色に色づけした寒天を冷蔵庫から出し、保育者が1対1で見守る中、手でつかんだり、触ったりして冷たさを感じ取る経験をしました。

直接さわることを嫌がる赤ちゃんには、強度のあるビニール袋に寒天を入れ、その上から押したり、握ったり。袋の中で色が混ざり合っていく様子を見るのも不思議で楽しい体験です。(木の実西部保育園)

文/木村里恵子
編集協力/子どもの文化研究所(鈴木孝子、菊地広子)

『新 幼児と保育』2019年8/9月号より

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