保護者とのコミュニケーション、困った経験はある?【保護者への対応、どうしていますか? #1】

保護者とのやりとり、あなたは、うまくできていますか?
ほいくるとのコラボアンケートではそのコミュニケーションのあれこれを大調査。

第1回のテーマは、保護者とのコミュケーションで困った経験はありますか?

渡邊暢子先生によるアドバイスと対応のヒントもぜひご参考に!

アンケート「保護者とのコミュニケーションうまくとれていますか?」

調査期間:2021年9月
調査対象・方法:HoiClueユーザーによるオンライン調査
有効回答数:134件

※アンケートの回答を一部抜粋して構成しています。また、回答の表記などを変えている場合があります。
※回答比率の数値は、小数点以下を四捨五入して表示しています。

Q 保護者とのコミュニケーションうまくとれていますか?

Q 保護者とのコミュニケーション困った経験はありますか?

保護者への対応について「まあまあうまくいっている」「うまくいっている」と感じてはいても、困った経験の有無については9割が「ある」という回答に。

その中身を一部拾ってみました。

・イヤイヤ期にどうかかわればいいのか相談されたけど、発達を踏まえて保護者の悩みに応えられず「そうなんですね」と話を聞くだけになってしまった…。
(私立認定こども園/1年以上3年未満)

・クレームの多い保護者。私がいった言葉でまたクレームにつながらないか心配になってしまい、その方がお迎えに来ると、顔を合わせないようにしてしまう。
(私立認可保育所/10年以上)

・いつも時間がないような保護者の方へ、日中の様子や成長の姿を伝えづらいときがある。
(私立認定こども園/1年以上3年未満)

・発達的に気になる子の、園の様子の伝え方、または家庭での様子の聞き方。保育士が「困っていることある?」と聞いただけで、シングルマザーだから私が悪いんですか?家庭環境のせいですか?とSNSに書き込まれた。
(公立認定こども園/6年以上10年未)

・信用されていないと感じる。
(私立認可保育所/1年以上3年未満)

・伝え方がわからない。なにを伝えればいいかわからない。
(私立認定こども園/1年未満)

・子ども同士のトラブルに過剰に反応する保護者への対応。
(私立認可保育所/6年以上10年未満)

・園ではかなり気になる子の保護者に対して、その子の困り感をうまく伝えられない。コロナ禍で実際に園での姿を見てもらう機会もなく、口頭で伝えるだけでは、「家では困ってないので…」という感じでとらえられてしまう。
(公立認可保育所/3年以上6年未満)

・言葉足らずで誤解を招いた。配慮が足りないことが多々ある。
(私立幼稚園/6年以上10年未満)

・外国籍の方で細かい内容を伝えるのが難しい。
(私立幼稚園/10年以上)

・コロナ禍ということで口頭でのやりとりも減少。保護者が何を思って何を感じているかわからない。
(私立認可保育所/6年以上10年未満)

・早口な保護者とお話しするときは、話が先に先に進みすぎて、え?もう一度お願いしますといいづらいこと。
(私立幼稚園/3年以上6年未満)

・育児雑誌のとおりに離乳食などを進めたい保護者が、こちらの意見や試してほしいとお願いしたことをやってくれない。
(私立認定こども園/6年以上10年未満)

・どこまで不満があるのか、丁寧に対応できていないことを痛感すること。
(私立幼稚園/6年以上10年未満)

※( )内は、勤務先/保育歴です。

解説・アドバイス

渡邊暢子先生
元東京都公立保育園園長。
退職後、保育士養成校講師、電話相談員などを経て、NPO法人パラ・ピアカウンセラー協会理事。

アンケートの回答から保護者への対応で困った経験、悩んでいることの傾向を見ていくと、「知識不足なために保護者の思いに応えられない」といったケースや、「話し方が上手ではない」「うまく伝えられない」ことを悩みと感じているケースが多く見られました。
これらは経験が浅い人に限ったことではなく、経験を積んだ人も同じように抱いている悩み・問題なのだと感じます。

昨今、発達の課題を抱えている子どもが増えています。と同時に保護者自身が課題を抱えているケースも増えてきています。子育ての環境も多様化し、保護者対応も複雑になっているなかで、保育現場に求められるのは心理やメンタル面の専門家の存在。

保育者がもっと気軽に、そうした子どもとのかかわり方や保護者への接し方などを相談できるしくみがあれば、保育をするうえで安心できますし、多様な視点で保護者を支援していくことができるのではないでしょうか。


イラスト/上島愛子 文/木村里恵子


第2回では「保護者とのやりとり、どう考える?どう対応する?」というテーマで、アンケートで寄せられた保護者とのコミュニケーションでぶつかりがちなお悩みや、渡邊暢子先生からのアドバイスをご紹介します。

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