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夏の主役はやっぱりセミ!〈前編〉~五感で楽しむ7月【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#27】

連載
ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!

プロ・ナチュラリスト

佐々木洋

プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物(や草花)を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。

今回は、夏の園庭に響く「セミの声」に注目します。じつは「セミの初鳴き」には、知られていない事実がたくさんあるんです。

ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)

撮影/佐々木 洋

自然遊び:園庭に響き渡る、セミの声の秘密 

ささき隊長 こんにちは、ささき隊長です!

7月も第2週に入ると、東京23区内でもいよいよセミが鳴き始めます。

「あ、セミが鳴いた!」

保育者の方々も、子どもたちも、その声を聞いた瞬間、「夏が来た!」という気持ちになりますよね。

よく「セミが出たね!」とか、「セミの初鳴きだ」と言いますよね。

ただ、「セミの初鳴き」と言いますが、実はこれ、セミが初めて羽化(うか)した日(セミが出た日)とは言えないんです。

なぜかというと、鳴くのはオスだけだから。

メスは鳴きません。

つまり、初鳴きが聞こえたとしても、その数日前には、もうメスが羽化していたかもしれないわけです。

だから正確にいうと「オスのセミの声が初めて聞こえた日」ということなんです。

最初に鳴くセミは?|東京23区内でのトップバッターはニイニイゼミ!

セミが鳴き始める時期や種類は地域によっても異なりますが、

東京などの都心で、まず最初に鳴くのは、ニイニイゼミ。

名前のとおり、鳴き声が「ニーニー」という声が聞こえるから、ニイニイゼミ。

このニイニイゼミ、鳴くのは真っ昼間だけなんです。

早朝や夕方には鳴きません。

子どもたちが園にいる時間帯に、鳴き声が聞こえるセミなんです。

でも、声がちょっと地味でして……(苦笑)。

気をつけていないと聞き流してしまうこともあります。

なので「まずは、大人が泣き声をキャッチすること」が、大切なんです。

「あ、聞こえる? セミだよ。今年初めて聞いたね!」

そのひと言で、子どもたちの耳がぴんと立ちます。

「セミの成人式」|抜け殻を見つけたら、こう伝えよう

ニイニイゼミが鳴き始めるころ、目を凝らして園庭を探してみてください。

どこかの木の幹や葉の裏に、セミの抜け殻が見つかるかもしれません。

「ここで生まれたんだよ」と言いたくなりますが、じつはこれ、ちょっと違うんです。

「生まれた」というのは、卵からかえった瞬間のこと。

セミが土から出てきて、殻を脱ぎ捨てて飛び立つのは——「大人になった瞬間」です。

そう、セミの羽化は「成人式」なんです。

子どもたちに「ここでセミが大人になったんだよ」と伝えてあげてください。

なんだか、じんわり感動しませんか?

そのあと、こんな問いかけをしてみるのもいいかもしれません。

「このセミ、土の中にいたのは何年間だと思う?」

「セミは7年、土の中にいる」|実はこれ、間違いなんです!

「セミは7年間、土の中にいる」——よく言われますよね。

でも、これは正確ではないんです。

種類や個体によって違っていて、短いものだと3~4年、長いものだと6~7年。

「7年」がすべてのセミに当てはまるわけではなく、むしろ7年というのは少数派。だいたい4~6年の間、というのが実態に近いですね。

さらにおもしろいのが、天候とのタイミングによっては1年先延ばしにすることもある、ということ。

出ようと思っていたのに雨が続いていたりすると、「今年はやめておこう」とそのまま土の中で翌年のタイミングを待つこともあるそうです。

子どもたちには、こんなふうに伝えるといいですよ。

「今鳴いているセミは、みんなが生まれたころからずっと土の中にいたんだよ」

4~6年というのは、ちょうど幼稚園から小学校低学年くらいの年数なので、子どもたちにとってぴんとくる伝え方ができますね。

3歳の子がいたら「みんなと同じくらいの年齢のセミは、まだ土の中にいるかもしれないよ。あと何年したら、会えるかな?」——そんな話で、盛り上がってください。

羽化したばかりのセミ。撮影/佐々木 洋

次回#28も、セミの秘密が続きます。

日本に生息しているセミは、さて何種類ぐらいいるでしょうか?

文/神﨑典子 写真/神﨑典子、photolibrary  

佐々木 洋ささき隊長)

ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

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