カマキリ・バッタ・コオロギの子ども出没!~五感で楽しむ7月【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#29】
プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物や草花を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。
今回は、「秋の虫」のイメージがあるカマキリ・バッタ・コオロギに注目します。じつは7月ごろの園庭では、もうその子どもたちが育っているんですよ!
ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)

目次
秋の虫の「子ども」を探そう!
ささき隊長 こんにちは、ささき隊長です!
カマキリ、バッタ、コオロギ——みなさん、これらは「秋の昆虫」というイメージがありませんか?
確かに秋になると大きく育って目立つんですが、じつは7月の中ごろ、まだ夏真っ盛りの園庭に、もうその子どもたちが出てきているんですよ。
原っぱや草の根元をよく見ると、小さいけれどカマキリやバッタの姿が見つかるはずです。

「翅(はね)がおしりまで届いているか」|大人か子どもかを見分けるポイント
小さいカマキリやバッタを見つけたとき、それが「子ども」なのか「もう大人」なのか、どうやって見分けると思いますか?
答えは、翅(はね)を見ることです。
大人になると、羽はおしり(腹部)の先までちゃんと伸びきります。
でも子どものころは、翅(はね)がまだ少し短くて、おなかがちょこっとはみ出して見えるんです。
人間でいうと「丈の短い服を着ていて、おしりが少し出ている」感じですかね(笑)。
この「おしりがちょっと見えているくらい」のカマキリやバッタは、人間にたとえると小学校高学年くらい。
大人とはいえないけど、赤ちゃんでもなく、もうすぐ大人になるという段階です。
コオロギも同じで、この時期はまだ羽が伸びきっていないので、鳴くことができません。
コオロギが鳴くのは、翅(はね)と翅をすり合わせるオスだけの動作です。
つまり翅(はね)が伸びきって初めて、あの美しい鳴き声が出せるようになるんですよ。

「限りなく大人に近い子ども」を探してみよう
「大人に限りなく近い子ども」——そんな段階の虫たちが、草の間でじっとしていたり、ぴょんと跳ねたりしています。
目線を低くして、原っぱや草むらをそっとのぞいてみてください。
ただひとつ、最近気になることがあります。
地球温暖化の影響で、昆虫の成長が以前より早くなってきているんです。
隊長が園庭探検をしていても、7月や8月にもう完全な大人のカマキリやコオロギを見かけることが増えてきました。
「この時期はまだ子どものはず」と思っていたら、もう立派な成虫だった——そういうこともあります。
「限りなく大人に近い子ども」か「完全な大人」か、どちらに出会えるかは、その年の気候次第……。わずかな変化や違和感も、ムシできませんね(笑)。
クイズ! ホントの本当? これ、知ってた?
問題
コオロギを捕まえたとき、オスとメスを見分ける方法があります。さて、どこを見ればいいでしょうか?
①触角の長さ
②おなかの縞模様
③おしりのトゲの数
答え
③おしりのトゲの数!
コオロギのおしりをよく見ると、トゲのようなものが出ています。
このトゲが3本あればメス、2本あればオスなんです。
「え、多いほうがオスじゃないの?」と思いますよね(笑)。
じつは、メスにある真ん中の長いトゲが「産卵管」——卵を産むための管なんです。
だから本来のトゲ2本に産卵管が加わって、メスは3本に見えるというわけです。
この産卵管、7月の段階ではまだ少し短めですが、秋を迎えて成虫になると、しっかり伸びてきます。
捕まえたコオロギのおしりをそっとのぞいてみてください。
男の子か女の子か、ちゃんとわかりますよ!
バッタやカマキリも見分ける方法はあるのですが、こちらは秋に成虫になってからのほうが断然わかりやすくなります。
カマキリはメスのほうが明らかに大きくておなかの幅が広くなり、バッタも大きいほうがメスです。
秋になったら、またじっくり観察してみてくださいね。
次回#30 は、カッコいいゴマダラカミキリに注目。
夏休み前後に見ごろを迎える甲虫たちの、意外な生態をお伝えします!
文/神﨑典子 写真/佐々木 洋、photolibrary
佐々木 洋(ささき隊長)
ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

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