たしろちさとさん「生き物大好き! 動物園大好き!」【表紙絵本館】

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『新 幼児と保育』は、毎号絵本作家さんの描きおろしの絵が表紙となっています。表紙を飾った絵本作家さんの幼年期のエッセイを紹介していきます。今回は、たしろちさとさんです。

「生き物大好き! 動物園大好き!」

生き物が大好きな子どもでした。

家では文鳥やオタマジャクシやカブトムシやハムスターなど、いつも何か小さな生き物を飼っていましたし、生き物たちみんなと言葉が通じると思っていました。

写真は2歳半のころ、動物園でハトにエサをやっている私です。とにかく動物園が好きで好きで、平日は祖母と、休日は家族でよく上野動物園に出かけていたそうです。まずは入り口手前でハトにエサをやり、園内ではすっかり顔見知りになった乳母車係のおばさんにごあいさつをし、園内を巡ります。当時来園したばかりで、今のシャンシャンのように大人気だったパンダのランラン、カンカンに会い、キリンやゾウやサルに会って、フラミンゴに会って…不忍池で遊んで帰ります。

中でもいちばん好きだったのが、カバでした。調べると、当時いたのは、開園70周年記念でアフリカのケニアから来園したデカオさんだったようです。デカオさんに夢中になって柵の前からなかなか離れない私に、連れて行ってくれた祖母は、「なんでこの子はこんなにカバが好きなのか…」と思ったそうですが、それにつきあって週に何回も連れて行ってくれた祖母に感謝しています。今でもカバはいちばん好きな動物で、いちばん好きな絵本もカバの絵本です。

大人になって変わったことはたくさんありますが、今も変わらず生き物が好き、動物園が好き。スケッチブック片手に動物たちに会いに出かけています。

たしろちさと

東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、2001年「みんなの家」(福音館書店『おおきなポケット』9月号)で絵本作家デビュー。2003年に『ぼくはカメレオン』が世界7か国語同時発売となる。『ぼくうまれるよ』(アリス館)で2009年ブラティスラヴァ世界絵本原画展入選。2011年『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』(ほるぷ出版)で、第16回日本絵本賞受賞。ほか作品多数。神奈川県在住。

『新 幼児と保育』2018年10/11号より

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