夜の園庭・公園には秘密がいっぱい!〈前編〉 ~五感で楽しむ8月【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#33】
プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物や草花を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。
昼間あんなに通い慣れた園庭も、夜になるとまるで別世界。
今回は、夏の特別な体験「夜の園庭探検」にご案内します。お泊まり会や夕涼み会などに、ぜひ楽しんでみてください。
ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)
目次
夜の園庭の秘密を探しに行こう!
ささき隊長 こんにちは、ささき隊長です!
夕涼み会やお泊まり保育など、夏は子どもたちが夜の園庭に出る機会がありますよね。
これ、自然観察としては最高のチャンスなんです。
いつも遊んでいる園庭も、夜になるとまるで別世界。
昼間とは違う生き物が顔を出し、昼閉じていた花が咲き、昼鳴いていた虫とは別の虫が鳴き始める——。
名づけて「園庭ナイトツアー」。
子どもたちにとって、夜に出歩くこと自体が一大イベントですから、いつも以上に胸を躍らせて集まってきますよ(笑)。

まずは準備から——夜の探検の約束ごと
夜の探検には、いくつか大事な準備があります。
まず服装。
虫刺されやケガを防ぐため、薄手でいいので長袖・長ズボンがおすすめです。
脱いだり着たりできるように、半袖の上に長袖を重ねておくといいですよ。
靴下と履き慣れた運動靴、できれば帽子も。
持ち物は、虫とり網、飼育ケース、虫よけスプレー、虫刺されの薬、水筒があると安心です。
そして懐中電灯。
これは子どもたちには持たせず、先生や保護者の方だけが持つようにしてください。
なぜなら、まずは子どもたちの安全確保のため。
それから、あちこちに明かりを向けてしまうと、せっかくの夜の生き物が逃げてしまったり、夜ならではの雰囲気が台なしになってしまうからです。
明かりは控えめに——これが夜の探検の合言葉ですよ。
安全の約束ごとも、出発前に子どもたちと確認しておきましょう。
必ず大人と一緒に行動すること。
ハチやムカデ、ヘビなどの危険な生き物には近づかない、さわらない。
特にハチには明かりを向けないこと。
池や沼には近づきすぎないこと。
そして、生き物にさわったら手を洗うこと。
もし近くの緑地や公園を使わせてもらう場合は、使用の許可を必ずとってくださいね。
歩くときは、ゆっくりと。
足元の生き物を踏んでしまわないように、そーっと歩きましょう。
ちなみに小雨の日は中止……と思いきや、じつは雨の夜こそカエルやカタツムリが元気に活動するんです。
安全が確保できて、見守る大人が大勢いるなら、雨がっぱを着て出かけるのもひとつの手ですよ。
夕暮れの空に、なにか飛んでる!

夜の探検は、じつは「2段階」で楽しめます。
まずは、日が沈むころの時間帯。
このころはまだ懐中電灯なしで観察できます。
ふと空を見上げてみてください。
鳥のような、でも鳥とはちょっと違う動きのものが、ひらひらと飛び始めます。
「あっ、コウモリだ!」
町なかの園庭でよく見られるのは、アブラコウモリという小さなコウモリです。
昼間はどこかで休んでいて、日が沈む少し前から動き出すので、夕暮れどきがまさに見つけるチャンス。
「あっちにもいた!」と、子どもたちは大興奮するはず(笑)。
隊長は、コウモリ探知機という秘密兵器を持っています。
これは、周波数をキャッチする機械なのですが、コウモリは特殊な周波数を発信しているため、これで近くにいるかどうかを調べられます。

暗くなったら、木の幹をのぞいてみよう
すっかり暗くなったら、いよいよ懐中電灯の出番です。
木の幹をそっと照らしてみてください。

カブトムシやクワガタ、カナブンなどが集まっていることがあります。
でも、ただ待っているだけじゃ、つまらない!
じつは、昼のうちに「生き物が集まる仕掛け」を作っておくと、夜の探検がぐんと楽しくなるんです。
8月の園庭いきものマップには、「バナナトラップ」「ライトトラップ」の記録がありましたよね。あれです!
〈後編〉では、その仕掛けづくりを詳しくご紹介します。お楽しみに!
クイズ:ほんとの本当? カマキリの目の色が変わるって知ってた?
ここで、ちょっとブレーク。
昼間にカマキリを見ると、目は「黄緑色」をしています。では、夜になるとカマキリの目は何色に変わるでしょう?

① 昼間と同じ黄緑色のまま
② 黒っぽい色
③ 透明になる
正解は② 黒っぽい色!
これ、本当なんです。
昼間は黄緑色できれいなカマキリの目が、夜になると黒色や濃い赤色に変わるんですよ。
夜の探検で懐中電灯を当ててみると、「あれ、目が黒い!」とびっくりするはずです。
暗いところでは少しでも多く光を取り込んで、よく見えるようにするためだといわれています。
カマキリは、夜になるとサングラスをかける。
なんだか、かっこいいですね(笑)。

#33は夜の園庭の秘密を探す〈後編〉!
生き物を呼び寄せるトラップ作りをご紹介します。
文/神﨑典子 写真/神崎典子、編集部
佐々木 洋(ささき隊長)
ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

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