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「鳴く虫たち」のコンサートへ!~五感で楽しむ8月【ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!#36】

連載
ささき隊長と 身近な自然でとことん遊ぼう!

プロ・ナチュラリスト

佐々木洋

プロ・ナチュラリストのささき隊長と一緒に、「園庭いきものマップ」を作りながら、季節の自然を観察しましょう。見つけた生き物や草花を記録していくと、園庭(公園)はやがて“生きた図鑑”に。そして、その発見は、触れてみる、比べてみる、まねしてみるなど、さまざまな自然遊びへと広がっていきます。

夏が終わりに近づくと、草むらから聞こえてくる「虫の声」。夕暮れの園庭がコンサートホールに変わります。虫たちの音楽会に、耳をすませてみましょう。

ささき隊長/佐々木 洋(プロ・ナチュラリスト)

聞こえるかな? 秋の虫が鳴き始めたよ 

ささき隊長 こんにちは、ささき隊長です!

夏の終わり、日が傾き始める夕暮れどき。

園庭や公園は、虫たちの「コンサートホール」に早変わりします。

前回は秋の虫が鳴き始めたお話をしましたよね。

さらにもう一歩踏み込んで、その”音楽会”をじっくり楽しむ方法をお伝えします。

子どもたちと一緒に、この秋の交響楽団に耳を澄ませてみませんか?

今日の楽団員をご紹介!

左からエンマコオロギ、スズムシ、アオマツムシ。(写真/PhotoAC)

まずは、園庭のコンサートホールに出演する主な楽団員たちを紹介しましょう。

コロコロリー♪」と太い声で鳴くのは、エンマコオロギ。

コオロギの中でも大型で、堂々とした低音の持ち主です。

リーンリーン♪」と高く細い声で鳴くのは、スズムシ。

澄んだ美しい音色で、昔から日本人に愛されてきた虫ですね。

そして、頭の上のほうから「リーリーリーリー♪」と鋭く響いてくるのが、アオマツムシ。

この虫は木の上で鳴くので、声が上から降ってくるように聞こえるんですよ。

太い声、細い声、高い声——。

それぞれ楽器も声も違う奏者たちが、いっせいに演奏しているんです。

「今、何種類の声が聞こえるかな?」と数えてみるのも楽しいですよ。

そして、この楽団員たち、じつはほとんどがオスなんです。

あの歌はメスを呼ぶためのラブソングなんですね。

虫の声がよく聞こえる魔法の裏ワザ

「園庭のまわりは車の音がうるさくて、虫の声がよく聞こえない……」

そんなときに使える、とっておきの裏ワザがあります。

開いた傘を、背に差してみてください。

たったこれだけで、傘がまわりの雑音をさえぎってくれて、前のほうの虫の声だけがすーっとクリアに聞こえてくるんです。

パラボラアンテナのような役目ですね。

子ども用の小さな傘でも、ちゃんと効果がありますよ。

「傘を背負って虫の声を聞く」なんて、ちょっと不思議な光景ですけど(笑)、子どもたちはきっと大喜び。

町なかの園でも、意外なほど虫の声が聞こえてくるので、ぜひ試してみてください。

セミは「オペラ歌手」、コオロギは「バイオリン奏者」

ここでひとつ、おもしろい話を。

同じ「鳴く虫」でも、夏に鳴くセミと、秋に鳴くコオロギでは、音の出し方がまったく違うんです。

いわば、使っている“楽器”が違うんですね。

セミは、おなかにある器官をふるわせて、体全体を響かせて鳴きます。

体を楽器にして、大きな声を響かせる——まるで「オペラ歌手」ですね。

一方、コオロギは左右の翅(はね)をこすり合わせて音を出します。

翅の表面にあるギザギザを、弓でこするように鳴らすんです。

これはまさに「バイオリン奏者」。

体で歌うセミと、楽器を奏でるコオロギ。

どちらも、季節を彩る素晴らしい“地球の音楽家”なんですよ。

夕方の園庭で、コンサートを楽しもう

秋の虫のコンサートを楽しむなら、やっぱり夕方がおすすめです。

夕涼み会やナイトハイク、お迎えの前のひととき——。

園庭にみんなですわって、そっと目を閉じて、耳だけを澄ませてみる。

「今、何の声が聞こえる?」「太い声? 細い声?」

そんな声かけをしてみると、子どもたちの耳が驚くほど敏感になります。

目で見る自然も楽しいけれど、耳で聞く自然もまた格別。

まだ暑さの残る夏の終わりに、ひと足早い秋の音楽会を、ぜひ園庭で開いてみてくださいね。

きっと大人気のコンサートになるでしょう。座席の空き(秋)があるといいなぁ(笑)。

文/神﨑典子 写真/PhotoAC

 

佐々木 洋ささき隊長)

ささき ひろし 1961年、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、プロの自然案内人として自然解説活動を展開。子どもたちへの自然観察指導など、自然のおもしろさや大切さを案内している。『どうぶつのないしょ話』『生きものハイウェイ』(ともに雷鳥社)、『新 都市動物たちの事件簿』(時事通信社)など著書多数。

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