「コーナー遊びを始めたい」【保育マメマメQ&Hints! with 大豆生田啓友先生

連載
保育マメマメQ&Hints! 保育の悩み、立ち話 with 大豆生田啓友先生

玉川大学教授

大豆生田啓友

大豆生田 今回の質問は、「コーナー遊びを始めたい」です。答えはひとつじゃありません。ぼくの考えるいくつかの対応例をあげます。みんなで対話して、考えていきたいですね。

公式Instagramで今回のテーマの動画(約90秒)が見られます。(←文字をタップorクリックしてください)左下は、リール動画撮影中の様子(写真左は小学館編集スタッフ)

大豆生田啓友先生

玉川大学教授。保育・子育て支援などが専門。特に保育の質の向上が研究のメインテーマ。著書に『日本が誇る! ていねいな保育』『日本版保育ドキュメンテーションのすすめ』(ともに共著・小学館)、『子どもが中心の「共主体」の保育へ』(監修・小学館)など多数。

保育は、子どもの生活に丸ごとかかわるお仕事。
そして、同僚や保護者との関係も複雑に交ざり合って、
なかなか個人の思ったとおりにはいきません。
「こんな場合、どうしたら?」
そんな現場の保育者が抱える悩みや疑問に対して、
大豆生田啓友先生から、考え方のヒントをいただきました。
これをもとに、仲間とぜひ話し合ってみてください。

「コーナー遊びを始めたい」

Q美

室内でコーナー遊びを始めたいんですが、うちの園はひとつの部屋で、食事や昼寝、遊びもしているうえ、毎日、仕事に追われて、なかなか始められません。何から、どう始めたらいいですか?

マメ先生

1・2歳児なら、こんなコーナー

マメ先生 本当は「保育に広い環境を!」って訴えなくちゃいけない話なんだけど、今、どうするかですね。

ぼくの知っている園では、「ちょっとしたコーナーを作る」というところから始めてます。

基本的な室内での環境としては、コーナーにカーペットを敷いて、可動式のパーティションで区切っておく。こうすると、落ち着けるんですよね。

1・2歳児なら、ごっこ遊びのコーナーが人気です。

ごっこ遊びの定番は人形のお世話をしたり、料理をしたりする、いわゆる「おままごと」。

用意したらいいと思うのは、

・小さい子が扱いやすい人形やぬいぐるみ

・人形がすわれるいす、小さいテーブル、ベッドになるような環境

・遊具としてのガスレンジ、フライパンなどの調理器や包丁、お皿、スプーン、そして食材になる素材。または人形の着替えなど(これらは、子どもに見えるように棚にきれいに並べておく)。

エプロンやおんぶひも、買い物バッグもポピュラーですね。

もちろん、コーナー遊びは、そのコーナーの場所で完結していなければならない、ということではありません。

逆に、そのコーナーや年齢を超えて広がっていければ、なおいっそう、刺激的な遊びになるはずです。

▶大きい子には、創作活動のコーナー

マメ先生 3・4・5歳児でも、そういうごっこ遊びは楽しめますが、さらにお絵描きや造形のコーナーがおすすめです。

造形なら、ペンやテープといった道具のほか、空き箱や、食材のプラスチック容器などの廃材をたくさん集めて、子どもが手に取れる場所に置きます。

食事や昼寝どきには、端に寄せて、素材に布をかけている園もよく見かけますよ。

Q美 なるほど、カーペットに、パーティション、そこに、お菓子の箱や、プリンやアイスのカップを大量に用意する。なんかイメージができて、ものすごくワクワクしてきました!

マメ先生 私、お菓子とか、プリンとか、ひと言も言ってないと思うんですが。それ、ワクワクというか、プクプクになるよね(笑)。

Q美 えー!!

★保育材作りのための廃材確保で、自らの体重増加をいとわず邁進する先生たちの図

お料理ごっこの考え方

マメ先生 ただ、お料理のごっこなどの場合は、人によって考え方が違うことがありますよね。

具体的にいうと、

1.食材に「自然物」を使う場合

2.食材に見立てられる「素材」を使う場合

3.食材に似せて作られた「おもちゃ」を使う場合

1は、草や花、ドングリなどの自然物を利用する。

2は、チェーンリング、ひも、カラフルなフェルトの切れ端など抽象的な素材で、いろんなものに見立てられるようなものを用意しておく。

3は、目玉焼きやハンバーグや食パンなど、おもに先生たちが本物に似せて手作りしたものを置いておく。

「育てたいのは何?」

マメ先生 12は、小石や白のチェーンリングを「ごはん」に、葉っぱや緑のフェルトを「サラダ」に見立てるような遊びになりますが、2だと見立てる必要がなくなります。

まだ世の中に知らないことがたくさんある小さい子であれば、2のように本物に似た遊具があってもいいかもしれません。

それを見ることで、「お皿に盛りつけたい」とか、「人形に食べさせてみたい」という気持ちが引き出されます。

ただ、目玉焼きという本物に近いものがあると、「想像力を使わせないことになる」という考え方もあります。

でも、ぼくとしては、13を柔軟に組み合わせて環境設定するのがいいかなと。

いろんな子どもに合わせられるし、多様な経験があるほうがいいですよね。

コーナーはあればいいわけではなく、今、このとき、私たちはこの子(たち)の何の育ちを応援しようとしているのか、目的をはっきりさせて設定できたらと思っています。

今回のマメマメHints!

★この記事は、小学館『新 幼児と保育』公式Instagram(←こちらをタップorクリック!)でリール動画を配信した内容にweb版として加筆・再構成したものです。また、小学館の雑誌『新 幼児と保育』では、ほかのリール動画で配信した内容に加筆・再構成し掲載していますので、どうぞご覧ください。また、このコーナーへの質問、疑問も募集中です。下から投稿できます。

お話/大豆生田啓友(おおまめうだ ひろとも)先生
玉川大学教授。保育・子育て支援などが専門。特に保育の質の向上が研究のメインテーマ。著書に『日本が誇る! ていねいな保育』『日本版保育ドキュメンテーションのすすめ』『子どもが対話する保育「サークルタイム」のすすめ』(ともに共著・小学館)、『子どもが中心の「共主体」の保育へ』(監修・小学館)など多数。

構成・イラスト/おおえだ けいこ

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